令和6年7月22日(月曜日) 16時00分~18時00分
文部科学省
※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)
石井委員、小髙委員、片山委員、木田委員、柴田委員、高橋委員、中川委員、中村委員、堀田委員、水谷委員
寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー、神谷GIGAスクール基盤チームリーダー、小泉学校情報基盤・教材課課長補佐、松本学校情報基盤・教材課専門官
【高橋主査】 それでは、定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会「次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ」第6回を開催いたします。
本日は御多忙の中、御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
本日は対面とオンラインにて開催し、会議の様子は、事前に御登録いただいた報道関係者及び一般の方々に配信しております。
議事進行に関わる留意事項や進め方については、資料1のとおりでございます。
それでは、議題に入りたいと思います。
議題1「次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ取りまとめ(案)について」です。
6月24日の前回ワーキンググループでは、取りまとめの素案を議論いただきました。その際に、私に御一任いただいたとおり、素案に対する委員の皆様からの御意見を踏まえ、私と事務局とで取りまとめ(案)を作成いたしました。この案を7月12日に開催された本ワーキンググループの親会議であるデジタル学習基盤特別委員会に御報告いたしました。
今回のワーキンググループでは、特別委員会でいただいた御意見を踏まえた最終案を御提示しています。これについて、特別委員会での議論を受けて修正した箇所を中心に、事務局から、御説明いただきます。
事務局、説明をお願いいたします。
【神谷GIGAスクール基盤チームリーダー】 事務局の神谷です。
資料2-1に沿って、御説明させていただきます。ただいま主査から御説明のありましたとおり、前回のワーキンググループで委員の皆様からいただいた意見を基に案をつくりまして、これを特別委員会に報告させていただいたところでございます。その際の意見なども踏まえた最終案となっております。
なお、資料2-2としてパワーポイントの資料もついておりますけれども、この場での説明は、前回、ワード形式のもので御議論いただいたこともありまして、ワードに沿って御説明させていただきます。
それでは、資料2-1を御覧ください。
目次を挟んで、1ページ目でございます。
まず、「はじめに」というところが追加になっております。これはもともと、「おわりに」として、前回のワーキンググループで、委員の皆様から様々いただいた視点の高い御意見を書いた上で、特委に御報告させていただいていたところでございますけれども、特委において、これは重要な内容なので、「はじめに」にしたほうがよいのではないかという御意見もありまして、今回の最終案では、「はじめに」に書きつつ、そのエッセンス、特に重要なものを、また「おわりに」にも繰り返して書いているという構成となっております。
「はじめに」のところを御覧いただくと、1パラ目のところで、GIGAスクール構想によりまして、学びの保障や個々の才能を伸ばす観点で、1人1台端末環境は極めて有効に活用されるようになったと書いております。
その次のパラグラフでございますけれども、ICTを活用して、個人がそれぞれの興味・関心等に応じて自身ならではの活動をすることでありますとか、多様な他者と協働することは、社会の中では今や当然となっている。それゆえに、ICT環境を通じた個別最適な学びや協働的な学びの実現というのは、学校教育を時代に即したものにすることであるという認識を示しております。
その文脈でいきますと、その次のパラグラフでございますけれども、GIGAスクール構想は、学習観の変容を目指すものであって、整備する機器等は、そのツールにすぎない。このため、この取りまとめにおきましては、「円滑なクラウド活用を前提とした1人1台端末をはじめとする学校のICT環境は、これまでどおりの指導や学習を単に効率化するための付加的な整備ではなく、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図る上で必要不可欠な学習基盤である」、これを学校のICT環境整備の基本方針とすべきとしたと書いております。
そこで、前回、ワーキンググループでも特に御指摘のあったところですが、次のパラグラフですけれども、GIGAスクール構想が国主導で開始されたものであるとはいえ、忘れてならないのは、この構想が目指している「令和の日本型学校教育」を実現するためには、教育に関わるそれぞれの主体が自分事として、それぞれの権限と責任で、できる限りのことに最大限取り組まなければならないということを書かせていただきました。特に教育委員会においては、施設・設備担当のみが学校のICT環境に対応するのではなくて、教育指導や学務管理等の担当とともに取り組むことが不可欠。さらには、「令和の日本型学校教育」の実現に向けた各自治体の教育のビジョンの下で、教育委員会以外の部局とも一致団結して取り組むことが求められるとさせていただきました。
ここに書かせていただいた内容は、この次のパラグラフですけれども、ICT機器の整備の局面だけではなくて、活用の局面においても極めて重要であるとさせていただいております。
最後のパラグラフですけれども、重要なメッセージといたしまして、今回、この取りまとめを受けて、文部科学省が新たなICT環境整備方針でありますとか、これに基づく新しい整備計画を策定することになりますけれども、この方針や計画が、地方公共団体において、単に整備が求められる機器のリストのように捉えられるのではなくて、それぞれにとって最適なICT環境の整備とその適切な運用を確保して、ひいては令和の日本型学校教育の実現のための授業改善につなげていくための指針として位置づけられることを強く望むものであるとさせていただきました。
以上が「はじめに」でございます。
ここから先、主な修正点を説明させていただきますけれども、1ポツで、これまでの経緯のところですけれども、現行のICT環境整備方針が新学習指導要領の実施を見据えて策定されたものであるというところに、この学習指導要領の内容を脚注を含めて拡充して記載させていただいております。
次の4ページのところで、令和答申の流れなどもある中で、2つ目の「そして」から始まるパラグラフですけれども、初等中等教育分科会の下に、デジタル学習基盤特別委員会が設置されたことは非常に大きなことだと考えておりますので、この記載を追加させていただいております。
また、ページを移って、6ページから始まる2ポツの1人1台端末を学校に導入したことによる成果と課題のところで、7ページの最後のパラグラフですけれども、障害のある児童生徒の状況に応じた機能の活用ということで、これは非常に重要な視点だということで、特別委員会において、障害のある児童生徒へのICT環境の活用についての記載を拡充すべきではないかという御意見がありまして、この脚注のところなどで、実際の活用事例などを具体的に書くようにしたところでございます。
また、8ページの4ポツの1人1台端末の更新に向けて制度化された事項のところで、これは前回のこのワーキンググループで御指摘いただいたことを3つ目の「なお」のパラグラフで書いておりまして、要は、端末更新の基金の執行スキームについて正しい理解が必要であると。そういうことなので、文部科学省においては、様々なチャネルを通じて、執行スキームの周知、また、地方自治体への伴走支援を十分に行っていくことが引き続き求められるとしております。
続きましての修正点ですけれども、11ページから始まる個別の論点のところです。現行整備方針の改訂に当たって考慮すべき主な事項のところで、このうち、まず、5.1の学校のネットワークの整備の文脈におきまして、ページをめくっていただいて12ページですけれども、上から3つ目のパラグラフ、「「当面の推奨帯域」は」から始まるところですが、このネットワークの適切な整備というのが、同時双方向型の遠隔授業などによって外部の教育資産を有効に活用することが可能になることも非常に重要な視点だということで、これは特別委員会において指摘のあった事項でございまして、このことを記載しております。
また、次が14ページから始まる5.3の学習者用端末の利用環境のところで、15ページの最後のパラグラフですけれども、学習データの活用の重要性について、特別委員会において御指摘がありましたので、学習データの活用の趣旨を、もともとあった記載のところに最初に一文を追加しております。
また、15ページから始まる教員が使用する端末のところの記載ですけれども、16ページで、指導者用端末を運用上の工夫も行いながら多様な職員が利用可能となるようにすることが重要であるというところの脚注において、調達ガイドラインに記載している、学びを止めないために、予備機は、端末の故障時などにおいて児童生徒に速やかに配備される必要があるという、重要な前提のところをきちんと書くように修正いたしました。
次が5.6の次世代校務DX環境整備のところで、17ページの一番下の「なお」のパラグラフで、これは前回のワーキンググループで御指摘のあった、次世代公務DXの環境整備が段階的に進むとはいえ、今すぐできるようなことを何か遅らせる理由にはならないので、そこはきちんと明確に書くべきという御指摘がございました。その点を踏まえたパラグラフがこの「なお」のパラグラフでございます。
続きまして、18ページの5.7のセキュリティ対策ですけれども、セキュリティ対策につきましては、特別委員会において、セキュリティに関しての記載の一層の充実が必要ではないかという御指摘をいただきました。
これを踏まえまして、最後のパラグラフを追加しております。文科省はガイドラインで教育情報セキュリティポリシーを策定することを求めておりますけれども、これを策定していない自治体もまだ多くあるという状況です。このため、各教育委員会は、迅速かつ十分に議論を行いまして、教育情報セキュリティポリシーの策定・見直しを実施することが求められるとしております。
また、5.8のICT支援体制のところですけれども、脚注の54、18ページの一番最後の行の遠隔サポートに関連したところに脚注を打っておりまして、ここは特別委員会の委員から御意見があったものとして、遠隔のサポートなどでICT支援体制を効率的に行うことが行われておりますけれども、遠隔をサポートするに当たっては、支援を受ける側においても、チャットなどの文字ベースのやり取りに支障がないことが重要であって、この意味でも校務のDXの推進が非常に重要であるという御指摘がありましたので、その旨を反映させていただいております。
内容としては以上になりまして、最後に「おわりに」のところで、重複でございますけれども、重要なところということで書かせていただいております。改めて、この取りまとめを受けて文部科学省が作成する方針と計画、これが単に機器整備のリストのように捉えられるのではなくて、「令和の日本型学校教育」を実現するに向けたICT環境整備とその適切な運用を確保していくための指針として位置づけられることを強く望みますと。また、最後の文章ですけれども、関係者一丸となった取組によって、ここは何回も強調するところでございますけれども、基本方針として設定している、これまでどおりの学習環境を単に効率化するための付加的な環境整備ではなくて、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図るための必要不可欠な学習基盤としてのICT環境が確実に実装されることを期待するとさせていただいております。
事務局からの説明は以上となります。
【高橋主査】 ありがとうございました。
ただいまの事務局の御説明に対して、特に今回追加等された部分への御意見、御質問等がございましたら頂戴したいと思います。御質問の際には、挙手ボタンを押していただければと思います。また、発言が終わりましたら、「手を下げる」のボタンを押し、挙手を取り下げていただきますよう、お願いいたします。それでは、よろしくお願いいたします。
それでは、まず石井委員、お願いいたします。
【石井委員】 石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
「おわりに」を「はじめに」に移行したことで、私たちが伝えたいと思っていたことがより明確に打ち出されたと感じております。特に終末の自治体間の横のつながり、また、自治体内の横のつながり等、今回の整備の中でキーワードとなってくる「つながり」というところも明確に打ち出せたのではないかなと思っております。
また、ネットワークの整備が重要であるというところを明確に打ち出したことが、デジタル学習基盤の会議の中でも委員の皆さん方から高く評価されておりました。
さらに、セキュリティ対策については、デジタル学習基盤の会議の中でも指摘されたように。さらに深掘りして書くことにより、各自治体にとって、参考になるものになったと感じております。今後の方針作成に向けて、充実したまとめとなったと思っております。これまで本当にありがとうございました。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは、小髙委員、お願いできますか。
【小髙委員】 小髙です。
御説明ありがとうございました。
ここまで議論されたことを、前回の素案に加えまして、また、さらに的確に、分かりやすくおまとめいただいた御担当の皆様に感謝いたします。ありがとうございます。
本当に感想になってしまうんですけれども、2点、お伝えさせてください。
まず、この取りまとめを読んで感じたことは、学校現場の管理職にも読んでいただきたいなと思ったことです。この取りまとめは、整備方針という枠で収まるものではなく、整備方針と活用方針という学びのビジョンからまとめられています。環境整備を担当する関係部署の方々のみが読むのではなくて、学校教育に携わっている方々に広く、特に学校現場の管理職にも読んでいただきたいと思いました。
「はじめに」と「おわりに」が付け加えられ、GIGAスクール構想の趣旨やファーストGIGAでの課題、そしてセカンドGIGAが目指すことが非常に伝わりやすくなりました。目指すゴールの姿が個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実という子供の学びの姿でイメージできまして、何のために次期ICT環境の整備を進めるのか、また、進めなければならないのかが非常に伝わってきます。ファーストGIGAにおいて、これまでどおりの指導や学習を単に効率化するためのICT活用にとどまっている、満足している学校現場や基礎自治体には、「はじめに」のところに記載されている「デジタルがあって初めて実現できる学び」という文言、また、「学校教育を時代に即したものにする」という文言、また、「GIGAスクール構想は学習観の変容を目指すもの」という文言は、深く受け止めていただきたいです。ちなみに、私は個人的には、学習観だけでなくて、子供は有能な学び手であるという児童生徒観の変容も重要なターニングポイントであるとは思っております。
また、2番の成果と課題に記載されておりますが、リスクのみを挙げて、いまだに端末の持ち帰りをしていない学校や自治体があるというのは聞いております。そのような方々には、「持ち帰りは災害時等の学びの継続に資するもの」という言葉を十分御理解いただきたいですし、7ページの脚注で具体的かつ丁寧に記載されている誰一人取り残さない学びの保障についての事項も深く捉えて、ICTの利活用を進めていただきたいと願うばかりです。整備をするのは自治体なのですが、活用するのは学校現場です。自治体の整備状況によって、できることが限られていることもあると思いますが、やれない理由とやらない理由を混在することなく、まずは、できることは全て100%やる、現状でできることはまず取りかかるという覚悟を学校現場の管理職の皆様が本取りまとめを読んで、持っていただきたいと思います。そして、学校現場からは、うちの学校はこんなことをやりたいから、この整備をしてほしい、強化してほしいと自治体行政にアップするぐらい、そのようになってほしいなと願っております。
長くなりまして、すみません。2点目は、訴求、見届けのお願いなのですが、この取りまとめが公開された後、全国の各種団体への行政説明と様々な手段で訴求に努められていくこととは思いますが、正直なところ、市町村教育委員会、学校現場に十分届いていくのかが懸念されます。現在進められています広域自治体のICT担当者会議では、話題は学習者用端末の更新に終始しているんですね。そもそも、端末が動くベースであるネットワークに目が向いていないというところにも懸念を感じています。当面の推奨帯域が示され、2割しか達していないという状況がマスコミ等で公開されていたり、また、今後、全国学調が全てCBTになりますという情報が流れたり、学習者用デジタル教科書の導入が進んでいたりするのにもかかわらず、このような状況ということで、もちろん緊急性のある端末の更新が注目されるのは理解していますが、重要性の高いネットワークの契約についての情報交換も大切であると思います。そのようなことも含めて、行政説明をしてもらったから終わりではなくて、都道府県教育委員会は、改めて魂を込め直し、さらに市町村教委の熱いメッセージなどを加えて学校現場に届けるべきであると思うとともに、今後の戦略的広報に期待しているところです。
また、教育は見届けが重要であると思いますので、届くべきところにも届くよう、インサイト、刺激する必要があります。今後はテクノロジーも駆使して、教育委員会等が情報を確実に受け取り、アクションを起こしているかなどを可視化、定量化していく見届けも進めていただけるとありがたいなと思っています。
以上です。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは、柴田委員、中村委員、水谷議員の順でお願いしたいと思います。
それでは柴田委員、よろしくお願いいたします。
【柴田委員】 まず、この取りまとめが非常にすっきりして読みやすい資料になって、ありがたいなと思っています。
今、小髙委員からも話がありましたように、これは学校現場でもたくさん読んでいただきたい資料になっていると思います。「行政の整備する担当者だけでなく」と書いてありますが、こういった環境を何のために整備するのかというのは学校にも周知徹底し、整備と活用が両輪で回っていく、さらなる次期の次期の整備にまたつながっていくのかなと思いますので、ぜひ、広く読まれるような発信の仕方をお願いしたいと思っております。
特に気に入っているところが「はじめに」の最後のところですが、学校現場には響くと思います。ひいては、令和の日本型学校教育の実現のために授業改善につなげていく、単なる整備で終わらないように学校は授業改善をしていくんだと、まさにここも学校も含めた一致団結した取組にすごくメッセージが、この「はじめに」にたくさん込められているなという印象を持ちました。
ただ、どうしてもこの指針全体は整備のほうに内容が寄ってしまうのは仕方ないことですが、そのためには、文部科学省として、今までいろいろな資料をつくってきていますので、そういった活用の資料に、リンクというか、つなげて、ハイパーリンクみたいな形で、参照する基を示すといいかなと思いました。例えば「教育の情報化に関する手引」、これも時期が大分たってしまっていますが、当初から1人1台端末を想定した活用例などがたくさん載っていますし、この整備をして、「教育の情報化に関する手引」にある授業改善の方向性を参照する、そういった今までの資料にリンクしていくと、より、現場の手がかりになる資料になるのではないかなと思います。
以上です。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは中村めぐみ委員、よろしくお願いいたします。
【中村委員】 みどりの学園義務教育学校教頭の中村です。ありがとうございます。
まず、この取りまとめを読んだときに、どの立場の人もメッセージを受け取れる内容だなと思いました。それは自治体の整備担当者、それから教育委員会、あとは学校もそうですし、学校管理職、それから、もちろん教諭だったり、いろいろな立場で読んでも、今何を目指す、例えば、子供がどんな学びを目指しているから、それによって必要なこのツールの整備をするんだよということが受け取れるものであるということで、私も皆さんに読んでほしいな、まさに、チーム自治体、チーム学校、チーム日本というような、国が強力に支援してくださるのが伝わるメッセージとなって、ありがたく思っているところです。
特に私なんかがすごくありがたく受け取っている言葉としては、2ページのところの「地域の実情に応じて、それぞれにとって最適なICT環境の整備とその適切な運用を確保し」、この一文ですけれども、特に私がいるつくばという自治体は、非常に特色ある教育をしております。そういった意味でも、一斉に一律の整備をするというメッセージではなく、今置かれている状況の下、また、今どんな学びを目指すので、どんな整備をしていくのかというような、自治体における個別最適というメッセージが込められているのかなと思って、私もここの部分、非常にありがたく思っているところです。
さらに一つ、私が自分の中の課題感として思っていた部分についても明確なメッセージをいただけたのが17ページですね。16、17の5.6の次世代校務DX環境整備についてですが、実は次世代の校務DXについては非常に難しい整備を迫られる、例えばクラウド化だったり、ゼロトラストだったりとか、ただし、それについては、県域でやろうとすると調整が必要だったり、また、そこにいろいろなメーカーさんの調整、さらにはヒアリングといったものが出てきてしまうので、実は目の前ですぐにできるようなことも、少し時間がかかってしまうような事情が出てきてしまうだろうと懸念していたところです。そこについても、今、御説明の中で、今すぐできることはやるというところがすごくありがたくて、ここは実は、私なんかはお願いベースになるんですけれども、この部分については、ぜひ事業者様にも一緒に知恵を絞っていただいて、例えば更新の年度が切りの悪い更新年度になってしまうと、もしくはクラウド化だったりが5年後になってしまうような自治体さんもあるのかもしれません。それを5年単位ではなくて、もっと短い契約ができるのか、または、こういうアイデアで、一気に進まなくとも、ステップアップの中間的な方策が取れますよというアイデアをいただけるのかというような意味で、ぜひ、学校とか自治体だけではなくて事業者様からもお知恵をいただいて、そこに進むステップアップの道筋をいただけたらいいなという、お願いベースの感想になります。
以上となります。ありがとうございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは水谷委員、よろしくお願いいたします。
【水谷委員】 水谷です。よろしくお願いいたします。
初めに、事務局の皆様、本当に、おまとめ、ありがとうございます。特に、一番後ろにあったことが前に来て、これにより、非常にメッセージ性が強くなって分かりやすくなりましたし、この「はじめに」だけでも、全ての教員――全ての教員と言うと言い過ぎですけど、校長たちに読んでもらえるようなものになったことは非常に大きなことかなと思います。また、いろいろなところの研修会に行って、アドバイザーをやらせていただいているときも、このようなことをお話しして、頑張ろうねということを伝えてきたのですが、この1枚を配って、さらに皆さんに読んでもらうということができるなと思いました。
ほかの部分、非常に具体的になっていますが、ファーストGIGAで活用が進んで、授業が変わり始めているところの共通点としては、まず、ネットワークがしっかりしていることと、いつでも使える環境ということで、予備機がきちんとあって子供が困らないということ、それから、先生たちも何がしかの端末を持っていて、子供たちの様子をクラウドで見とることができること、また、柔軟な考え方で、規制ばかりのがちがちのセキュリティポリシーではなくて、本当に活用できるような考え方をしているということ、もう一つは校務でできること、今、中村委員からありましたけど、できることからやって、先生たちが使っているというところ、さらに管理職のマネジメントというのが、おおよそ進んでいるところの共通点かなと感じています。ですので、このまとめについても、それぞれの項目が、今お話ししたような項目がきちんと書かれていて、そういうことが大事なんだなということが伝わるようになっていると思います。
整備担当者が読むことは当然ですが、先ほどお話ししたように、「はじめに」は皆さん読んでいただいて、残りの部分も、管理職が読むと、何のための環境で、それを使ってどうしなければいけないかということの入り口になるのではないかなと強く思いました。
ですので、先ほど柴田委員もお話しされましたが、いかにこれを周知するというか、どのように広げて皆さんに分かりやすく読んでいただけるかということがすごく大事かなと思いますし、自分もこの夏はいろいろなところで研修会を担当させていただきますので、紹介しながら、ここにこういうことが書いてあるので、また読んでくださいねとか、これは重要なメッセージですと伝えていきたいと思っております。
最後に、特別支援関係などいろいろな子供たちにとって、これまでよりも優しい環境であると活用してきて思っています。しかし、どうもICTというイメージから離れたところにあると思われる方も見えて、実は本当に優しくて、いろいろな子が助かっているということがこちらにも書かれていて、ありがたいなと思いました。
これを基に、また整備指針をつくっていただくことになりますが、私たちができることは、この精神を伝えていくことかなと思いましたので、さらに自分も理解を深めて、進めていきたいと思います。
ありがとうございました。以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは、木田委員、片山委員の順番でお願いします。
【木田委員】 よろしくお願いします。
まずは、本ワーキンググループにおきまして、このような形で取りまとめ(案)が、これまで実質1年ぐらいでしょうか――にわたる協議の上、まとめられたことを末席の委員の1人として、非常にうれしく思うところでございます。ありがとうございます。
その上で、取りまとめの案を今後どうしていくのかということについて、基礎自治体の担当者の1人として、1つだけお話をさせていただければと思います。
ほかの委員もおっしゃられたように、「はじめに」と「おわりに」のところに、重ねて「令和の日本型学校教育の実現のための授業改善につなげていくための指針と位置づけられることを強く望む」という文章がございました。これは第2期GIGAスクールの補助要件となっております各自治体で作成すべき4つの計画を策定する上で、非常に自治体自身が明確なビジョンを持って整備を行うということへの強いメッセージになろうかと思っております。
そこで私が望みますのは、本取りまとめを基に、文部科学省で、今後、整備方針を策定されるだろうと思います。そうした場合に、恐らく公表の際に、ある程度分かりやすくするために、シンプル化されて、ある面、リスト化されたものが公表される形になるのかもしれませんが、例えば、今回の場合、充電保管庫の件ですとか、指導者用端末の一体化とか、あるいはその他の学習ツール等、いろいろ利用環境等の変化ですとか、それぞれの自治体の明確なビジョンに基づいて、当然ながら、整備は一様ではなくなると考えています。ただ、この整備方針がリスト化されることによって、本取りまとめの趣旨に反して、各自治体の整備が不必要に拘泥されるのではないかということを心配しておりますので、誤った受け取り方がされないように、整備リストのみではなくて、今回の取りまとめに示された考え方も、できる限り一緒にお示しできることが必要なのではないかなと考えているところでございます。あくまでも整備の主体は自治体と考えますと、自治体それぞれが、なぜその整備を行うのかということを自治体自身が主体的に考えるようにしていく必要があると考えています。
ただ、今回の整備は、ネットワークの一体化もありますし、指導者用端末もありますし、DXもあります。整備が多岐にわたって、小さい自治体にしてみると、そのハードルは決して低いものではないと考えております。ですので、各自治体において、ノウハウやナレッジみたいなものを得るために、今回、学習者用の端末を共同調達で都道府県等で調達するというスキームができておりますので、これをうまく使いながら、各自治体が連携しながら、ノウハウやナレッジを身につけていくようにするような形でできればいいのではないかなと思っています。
あともう1点、8ページに示されておりますように、「執行スキームの周知」、それから「地方自治体への伴走支援」という言葉も書いてございますので、ぜひ、ここについては積極的に推進していただきたいなと思っているところでございます。
これによって、多分、GIGAスクールの当初の目的であった自治体間格差というものの解消に向かっていくのではないかなということを期待しているところでございます。
私からは以上でございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは片山委員、お願いいたします。
【片山委員】 はい、お願いいたします。
本当にすばらしい取りまとめができたなと思っております。ありがとうございました。
皆さんがおっしゃったこととほとんど重なるんですが、「はじめに」が本当にすばらしく書けているなと思ったところです。
特に3番目のパラグラフのところの「GIGAスクール構想は、学習観の変容を目指すものであり、整備する機器等はそのためのツールにすぎない」と言い切っていることとか、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を図る上で必要不可欠な学習基盤である」ということをしっかり強く言っているところ、これが先ほどから、どの委員からも出てくる管理職まできちんと分かるということが本当に大事だなと、今、校長をしている立場として思っているところです。
内容はとてもよくできているので、整備担当者は、これに沿って、今回、とてもいい整備をしてくれるだろうと行政にはとても期待しているところですので、それを受け取る側の学校現場の管理職をはじめ職員たちが、ここの理念をしっかり分かった上で使っていけるようにしていきたい。そのためには、先ほど水谷先生がおっしゃったように、この「はじめに」だけでも、とにかくあちこちで配るかと、私もそれも考えて、あとは、最近、ユーチューブの視聴が非常に多いので、ここのところを中心としたものだけでも、例えば3分から5分の動画に落とし込んだ形でつくっていただくと、あちこち行くたびに、これだけは見るという形で伝えられるかなということで、ネクストGIGAが向かうところが学習観の変容なんだというところは、まだ、あまり現場で落ちているとは言い切れない。リーディングの言っているところは分かるんですけど、それがどの学校にもとなると、実は結構、ハードルが大きいと思っています。そこを埋めていくのが、多分、次、ここから大事で、そのためにも役に立つ、とてもすばらしい取りまとめになったなと感謝をお伝えしたいところです。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。
中川委員はよろしいですか、いかがですか。
【中川委員】 ありがとうございます。では、一言だけ。
中川です。よろしくお願いします。
16ページの注で、47番だったかな、予備機の取扱いについて、すごく分かりやすく、丁寧にコメントをいただいて、今回、予備機をたくさん御用意いただいたことで、教育委員会によっては、倉庫に大量の予備機をストックするかと考えていらっしゃるところもあったりして、いや、それ、倉庫に入れてしまったら、電源がすぐ使える状態になっていなかったり、OS、最新のセキュリティーパッチを当てていないとすぐ使えないとか、いろいろな問題があるところを、そういった部分をしっかり、何なら、ふだん使いから、すぐに子供に手渡しできるようにと、読み方によっては、言い過ぎて、また後で怒られるかもしれないんですけれども、講師の先生とか、外部の方とか、いろいろな方に予備機として適切に使っていただいて、必要なときに子供にすぐ渡せるようにということが、誰が読んでも分かりやすくまとめていただいたことがすごく、これ、私もコメントさせていただいたところだったんですけれども、ありがたいなというところです。
全体に関しては、皆さんが「はじめに」をすごく絶賛されていて、私も同じように思っていて、1つだけコメントすると、私は第2パラグラフがとても重要だなと、民間企業、産業界にも身を置き、教育行政にも身を置き、教育にも携わっている人間として、社会と教育が断絶することはとてもよくないなと思って、今、社会のありようが、一般の生活と企業での営みと学校だけ全然違うということがないようにということを言っていただいていることに私はすごく感銘を受けていまして、中央教育審議会の末端の部会だと認識しておりまして、ぜひ、座長の先生方、文部科学省の皆さんに、メインストリームって何がメインストリームと定義されるのかよく分からないんですけれども、初等中等分科会の学習指導要領を考えられるようなところに、この大事なメッセージをぜひ伝えていただきたいなと思いながら読んでおりました。
ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは堀田主査代理、いかがでしょうか。
【堀田主査代理】 堀田です。
私は、デジタル学習基盤の特別委員会、このワーキングの親委員会の座長として、このワーキングのレポートを審議して、たくさん御意見が出まして、場合によっては、今さら入れるのが難しいような御意見もあったかと思うんですけど、それを上手に入れていただき、よりよいものにしていただいたことに対して、まずは御礼申し上げたいと思います。
私も何度も読んで、本当にぎりぎりまで、ここをこうしたほうがいいのではないの、ああしたほうがいいのではないのと言ったほうなんですけど、それでも今日読んでみて感じることが1個あったので、言っていいでしょうか。
それは何かというと、「はじめに」です。「はじめに」が一番読まれるのではないかと、思いました。「おわりに」から「はじめに」に持ってきたことはとてもいいことだと思うし、ある意味、成功する予感がします。
2ページ目の2つ目のパラグラフになるのかな、「このことは」というパラグラフに、整備において自治体ごとの格差が結構大きいんだという話があって、それはなぜかというと、教育委員会レベルで阻むルールをつくってしまっているのではないかという話がここにあります。僕は、これはルールだけなのかなと今、改めて読んで思ったということです。ルールだけれども制限みたいなのを結構しているのではないか、ルールと制限が微妙に違うのではないかと思いました。利用制限と言ったほうがはっきりするかもしれません。こういうアプリは使ったらいけないとか、それが恒久的に使ってはいけないみたいになってしまっていて、初期の段階では使わせないようにしているけれども、だんだん慣れていけばそれを利用可能にしていくみたいな、そういう柔軟性が若干ないかもしれないということです。
なので、ルールと書いてあるところは、利用制限や利用のルールとか、言い方が難しいんですけれども、何かそういうことに変えていただいたほうがいいかなと思ったのと、その段落の最後が「適用範囲や規律の強度」、規律でいいのかなと。規律だとしたらそれはルールのことで、適用範囲というのは、これはもしかしたら利用制限のことかなとも思ったので、このルールだけではなくて、利用制限と書いたほうが、むやみに制限してしまって、クラウドのよさを全然使えなくしてしまって、その結果、現場が使いにくいと言って使わなくなって、利用頻度が上がらなくて、その結果、情報活用能力が身につかなくて学習が変わらないみたいな、そういう後ろ向きのサイクルみたいなことを阻む一つの理由にできるかもしれないので、もし可能なら、そこの用語を見直せるといいなと思いました。
最後の最後にこんなことを申し上げて申し訳ございません。以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。
あと、ほかに委員の皆様、言い忘れたこととかはございますか。大丈夫ですか。
私からも一言申し上げますと、先ほどの御説明から、これは単なる機器のリストではないというお話はあったと思います。それらに加えて、この手の話は単なるデジタル化、紙をデジタルに置き換えるのではなくて、デジタルトランスフォーメーションなんだ、そこを目指していくんだということがいろいろ強調されてきたかと思います。
このことを捉えると、第1章に理念みたいなことがたくさん書かれているということが非常に重要になると思いますし、そのことについて、委員の皆様から非常に大きな御指摘をいただいたと。そこの理念が非常に重要なんだと思います。そこからひもといていく必要があるかと思っております。
この取りまとめ案は、特に1人1台の学習者用端末の更新に向けて制度化された実行を受けて話が進んでいるわけなのですが、考えてみれば、GIGAスクール構想の1人1台端末の、特にソフトウエアのところに着目すると、汎用的なクラウドツールをフル活用していくんだというふうになっていると思います。これまでは学習には学習者用ツール、校務は校務用ツール、連絡は連絡用ツールと非常に縦割りだったものが、なるべく汎用的なツールを使うことでそういった壁を打ち破っていこうと。こういうことを考えていくこと自体がデジタルトランスフォーメーションにつながりやすい、つなげて考えられるし、イメージができるということかと思っています。
それを受けまして、このワーキンググループで様々な検討をしてきたということですので、まさに機器のリストのように部分的に整備されてしまうと、ここに書かれていたことが壊れてしまうというか、非常にもったいないことになりますので、冒頭の1ページ、2ページ、3ページあたりをしっかり理念を踏まえながら、整備が進んでいくということを期待したいと思っております。まだまだ議論を通して考えると、特にネットワークの環境とか、校務のICT環境の整備とか、今、堀田先生からもありましたけれども、ルールや利用制限の部分とか、学習者用の1人1台端末のほうはかなり検討が進んでいると思いますが、まだまだレベルアップしていかなければいけない部分があるかと思っております。
こういったところの整備も同時に進んでいくといいと思いますし、そういったことが伝わるためには動画がいいのではないかとか、昔はイラストみたいなのもありましたけれども、そういった声もありましたが、何かのときにこういったものが伝わりやすい媒体で伝わっていくことが大事かと思っております。
おおよそ、この取りまとめ案については委員の先生方からコメントをいただきましたが、事務局から何かありますか。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 それでは、今までいただいた意見について少しコメントさせていただきます。
多くの委員の先生方から、「はじめに」と「おわりに」のところに言及していただきました。役所で書いているとどうしても中身のところばかりになってしまって、「はじめに」とか「おわりに」はなかなか書きにくいんですけれども、このワーキンググループにずっと参加しておりまして、「はじめに」と「おわりに」に書いてあるところにこそ、先生方の思いと意見がたくさんあったなということを大変受け止めました。事務局としても、「はじめに」と「おわりに」のところを少し提案させていただいて、ここにも非常に多くの意見をいただいて今の形になっているところでありますけれども、今の先生方の意見を聞いて、事務局として少しでも先生方の思いに応えられるような案を提示できたのかなと思って、少し安堵しているところでございます。
ただ一方で、ここに書いただけでは何も起こりませんので、今、様々な委員の先生からあったように、これをどういうふうに周知していくか、そして整備担当者だけではなくて、管理職を含めて学校現場の先生方にもどうやって理解していただくか、ここが最大のポイントであろうと思いますので、いろいろヒントもいただきましたので、この周知についてもこれからしっかりと取り組んでいきたいと思っております。
そして、この取りまとめ自体はもともと前提にしておりましたように、これを受けて私どもで方針を定め、そして計画にしていくということがこれからの作業でありますけれども、まさに「はじめに」のところに書いてありましたように、教育に関わるそれぞれの主体がオーナーシップを持って、自分事としてそれぞれの権限と責任によって、できる限り最大限のことに取り組んだというふうに書いてありますので、これから私たちにできることを最大限やっていくということのフェーズに移っていくのかと思っております。
これから方針あるいは計画をつくっていくのは、これに関して言うと、当面私たちの仕事になるわけでございますので、今の取りまとめをしっかりと受けて、方針・計画ということに我々の権限と責任を最大限、責任を果たしていきたいと思っているところでございます。
この後、最後の取りまとめのところもあると思いますけれども、まず今回までの取りまとめ、そして今日いただいた御意見に対して感謝を申し上げるとともに、これから私たちもしっかりやっていかなくてはいけないと受け止めさせていただくということで、まずはコメントとしたいと思います。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。神谷さん。
【神谷GIGAスクール基盤チームリーダー】 今、寺島から申し上げたとおりでございまして、このワーキンググループで実態に即した御意見をいただいていく中で、「はじめに」といったものを取りまとめることができたのは意義あることだと思っております。この周知にも努めてまいりたいと思います。
様々に御意見をいただきまして、ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。ほか委員の皆様、よろしいでしょうか。
それでは、本日皆様からいただいた御意見につきましては、取りまとめへの反映を検討していきたいと思います。今後、事務局と最終的な文言の調整等を行いまして、本ワーキンググループの取りまとめとしたいと思っておりますが、私に一任させていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【高橋主査】 ありがとうございました。それでは、そのようにさせていただきたいと思います。
委員の皆様におかれましては、これまでの間御議論いただきまして、誠にありがとうございました。一旦取りまとめとなりますので、委員の皆様から最後に一言頂戴できればと思います。これは名簿の順になると石井委員からになって、突然ですけれども石井委員、大丈夫でしょうか。いつも先頭を切って発言いただいたので、きっと大丈夫なのではないかと思っていますが、石井委員、よろしくお願いいたします。
【石井委員】 ありがとうございます。本日はそちらにお伺いして、皆さんとお話ししたい、そしてしっかり検討していきたいと思いましたけれども、それもかなわず大変残念です。私がこのワーキンググループで大事にしてきたこと、それはつなげる、つながるということでした。これまでこのワーキンググループを通して議論してきたことを、ファーストGIGAからネクストGIGAヘしっかりつなげていきたいと考えております。そのために今回作った取りまとめをしっかり活用して、全国の皆さんに届けられる、そういう仕事がこれからもできればいいなと考えております。
すばらしい会議に参加させていただいて、大変感謝しております。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。小髙委員、よろしくお願いします。
【小髙委員】 本日、一つの区切りを迎えることができたことに安堵しております。本ワーキンググループにて貴重な学びをさせていただきましたことに深く感謝を申し上げます。ありがとうございます。
本ワーキングでは、端末を文房具的に使っていくということを前提とした、また、日本中全ての学校で活用してほしいという旨の議論を進めたわけですけれども、光が当たれば当たるほど陰が濃くなると言われていますように、ICTの活用は進めば進むほど、また別のフェーズの陰、課題が出てくることを今、感じています。現在、積極的に活用が進んでいる学校からは、1人1台端末では対応できないというか、満足できないということが本当に上がっておりまして、1人2台端末、そんなことは絶対不可能だから、それが厳しいのなら2画面になる分離機能があったらいいのではないかという、本当にとんでもない要望が上がってきて、それはどちらかというと、陰のように感じているところです。ただ、教師も今、2画面対応の電子黒板で日々授業をしていますし、大人も仕事を進める上では2画面、3画面対応をしているのが通常なので、学校教育を時代に即したものにすると考えていれば、その気持ちも理解できないことはないのですが、学びの質を変えることを目的としたICT活用が進めば進むほど、次の陰が上がってくるんだなということを実感しているところです。
GIGAスクール構想はゴールがない、To be continued、ずっと続いて続いて、続き、走り続けるんだなと感じています。そのために私たちは常に現状を見て、現場を見て、一歩、二歩も先を見通した目を持って考え続けていく、それが日本の学校教育の未来をつくることだなと、改めて今、感じているところです。
このような学びをさせていただきましたことに、本当に深く感謝を申し上げます。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。特に今、教員の端末と仮に考えたとしたら、働き方の観点から、適切な表示領域を確保してというふうに5.5に書かれていますので、こういったことが実現することがあればいいなと思いました。ありがとうございました。
それでは、片山委員、よろしくお願いいたします。
【片山委員】 ありがとうございました。学校現場の先生方は、いい環境があればある程度使うと僕は思っていて、それはファーストGIGAでも環境整備がうまくいっている自治体、あるいは制限が少ない自治体は、先生方がどんどん使っていくようになっていくかなと思っています。途中でネットワークも少しずつ改善していって、よくなっていった。それが今回、次の第2期の整備のところで、これだけより全体がよくなるというような形で書かれましたので、これに沿って日本中の教育委員会が頑張って、いい整備をしてくれるだろうと確信しておりますし、その上に乗ったところで言えば、先生方がまた次のステージに向かって、使って、子供たちといい授業をしてくれるだろうと思っています。
とても価値のある大事な会議だったと思っております。参加させていただいて光栄でした。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。それでは、木田委員、お願いいたします。
【木田委員】 私も自治体の一担当者として、約1年にわたって様々な委員の方々の御意見を聞く中で、非常に見識を広めることもできましたし、自分の自治体の整備の方向性を考える上でも非常に役に立ったなと感じております。まずはお礼を申し上げたいと思います。
一方で私ども、この委員の方々の多くもそうであるように、学校DX戦略アドバイザーをさせていただきながら、いろいろな自治体の方々の相談を受けることが県内外を含めてありますけれども、多くの自治体の皆さんはいい整備がしたい、もちろん理念に沿った、ビジョンに沿ったいい整備がしたいんだけれども、どうしていいかが分からないんだと、やりたいんだけれども方法が分からないというふうな声をたくさん聞きました。その中で今回の、例えば第2期のGIGAスクールの枠組みが共同調達を基本とするということは非常に意味があることだと考えておりまして、県が主導して、都道府県が指導していきながら、各自治体の状況を把握して、そして進めていくというこの枠組み、スキームは、例えば今後、校務システムとかネットワークの共同調達、DXの進め方みたいなことにも波及していくだろうと思っております。
実際にそういうふうな動きがある都道府県もあると、本県も含めて聞いておりますので、こういった形で全ての自治体にとって望ましい整備、ビジョンに基づいた望ましい整備をする上で、こうやって広域に連携していくということは非常に意味があることだと思っておりますので、このような、今回は次期ICT整備、環境ということですけれども、これを含めて全ての環境において、各自治体が一歩でも二歩でも前に進めるようなことが期待できるなと思うところでございました。
本当にありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。柴田委員、お願いいたします。
【柴田委員】 大変お世話になりました。本ワーキンググループの中では、私は高校の立場ということで、常にその視点を持って発言させていただきました。また、校長という立場で、現場の切実感とか課題を伝える役割をやってきましたが、このような形にまとまって、そこに関われて大変ありがたかったと思っています。
高校は義務教育とは少し異なるところがありまして、また、初等・中等教育のまとめの段階ということもあり、何のためのGIGAスクールなのか、それによってどんな姿になっていくのかというのを高校は具体的に示していかなくてはいけないのかなと思いながら、常にそういったことを考えながら発言してきました。最終的には新たな価値を創り出せるような人材、そういったところを高校ではつくり上げていくところなのかと思います。それから、授業と整備のサイクル、整備をして授業改善をする、その結果、また新たな整備が必要になっていくという、このサイクルの一つを経験させてもらって、これからもサイクルがずっと続いていくのかと期待しています。
大変貴重な機会をいただいてありがたく思っています。お世話になりました。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは、中川委員、一言お願いいたします。
【中川委員】 中川です。ありがとうございます。
今回の会議は次期ICT環境整備方針の在り方ワーキングだったので、在り方について議論してきたんですけれども、在り方を考える上で、ファーストGIGAでたくさんあった失敗を、我々は具体的な失敗としては言わないで、失敗というか、改善すべき課題を基に在り方を議論してきたわけなのですが、失敗から学ぶという観点を考えると、してきた失敗がどのようなものだったのかを棚卸ししておくというのが大事なのかと思っています。
この会議では細かいことを求められていないと認識していましたので、細かいことは言わないように気をつけていましたが、例えばプロセスを、エージェントがずっとOSの挙動を監視しているような類いのものを入れてしまって、夜中にずっとそのエージェントが動いて、充電を差しっ放しにしないと、朝になったら充電バッテリーが切れていて、学校に来たら、あ、何か昨日の夜、充電が90%だったから大丈夫だったのになと思ったら、子供が学校に来たら3%ぐらいになっているみたいなことがあって、突き詰めてみると、夜中に、とあるエージェントが悪さをしていたみたいなことはいっぱいあるんです。
多分、現場の皆さんはそういった細かい失敗の轍を踏まないようにということを求めていらっしゃるのかと思っていまして、この会議は在り方会議でしたので、在り方を議論してきたわけなのですが、何かの機会で、回避可能な失敗はこういう失敗で、こうやれば回避できますよということをまとめることもしてみたいなと思いながら聞いていました。失敗から学ぶということです。
あと、小髙委員が光と陰のお話をされて、光が強くなったゆえの陰のお話をされたのですが、そもそも存在する強い陰というのも私は感じていまして、環境がよくなっても、なかなか指導のスタイルは変わらずに、先生が40分間しゃべり続けるような授業を何度も見てきました。今、月曜日から金曜日まで1限から6限までやられたら、多分、座っていられないなと思うような、そうもお伝えするんですけれども、環境があるにもかかわらずなかなか変わらないという実態もあるとすると、こういった部分をどのように改善していくのか。
これは高橋先生や堀田先生が常々議論、検討されているところだと思うのですが、追加でもう1点だけ私が感じているところを言うと、子供たちの特性が様々で、ノイズに影響を受けやすい子供たちがいるのかなと思っています。割と指導がきっちりと行き渡って、しっかり子供たちにICTのよさを受け取ってもらえるタイプの子供と、どうしてもノイズのほうをたくさん増幅させてしまう子供がいたときに、そういった子供を目の前にした先生は、クラスがめちゃくちゃにならないように、端末を一旦閉じましょうとか、使わせないようにといったような行動がどうしても見られて、そういった部分でどのように子供たちを誘導していき、社会で行われているような共同的なノイズを自分で自己調整しながら学びを進めていけるのかみたいなところも、これはGIGAで分かったいろいろなことを踏まえて、もっともっと議論していける場があるといいなと。
繰り返しになりますが、今回は次期ICT環境整備の在り方でしたので、こういった話はしませんでしたけれども、最後に感想ということで発言のチャンスをいただきましたので、少しお話しさせていただきました。
ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。GIGAスクール構想全体を通して、世界から見ても前例がない取組だと思いますので、大胆で積極的な試行錯誤がたくさん行われてきて、それは失敗というのかという部分はすごくあるなと思っています。試行錯誤があってこその今だというふうに思いますので、今後も大胆に、大きな目的に向かって進んでいくということが大事かと思ったところでございます。
それでは、中村委員、よろしくお願いいたします。
【中村委員】 中村です。私は今回、自分は教頭という立場であったり、あとは行政経験者、整備担当をしてきた行政経験者、そしてDX戦略アドバイザーというのもいただきながら、参加させていただいたところです。
一番気をつけてきたところは、先ほど高橋主査からもありましたように、ファーストGIGAのときに、本当に教育の転換点という大きなフェーズが変わるときに、大きくリーダーシップを持ってやってくださった大きな施策というものが、先生たちの中でしっかりと腹落ちをしてほしいと思いました。先生方というのは、納得したり理解して、あ、それはいいねと思ったり、子供が変わっていく様子を見ると、あ、これはやってみたいというふうに、本当に積極的に関わってくださいます。そういったところの先生方の温度感と、国が目指すビジョンのギャップをどうやって埋めていこう、何を伝えていったらいいのかというものに気をつけながら参加させていただいたところです。
それで今回、このような取りまとめの中で、先生方が読んでも、それから誰が読んでも、今、私たちは子供たちのために、こういう世界に活躍できるスキルを身につけさせていくような教育をしていかなくてはいけないんだというメッセージとともに、自分たちのやるべき責任を受け取ったような思いでおります。これであれば先生方にも、これから先生方が今、子供たちと向き合って、子供たちにどんな力をつけなくてはいけないのかというものが本当に説明できる、一番いい形で終えられることをありがたく思っております。
ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。水谷委員、よろしくお願いいたします。
【水谷委員】 ありがとうございました。自分は何年か前の現行のICT整備指針の会議にも出させていただいて、そのときに現在の学習指導要領はこういう考え方で検討が進んでいるからというお話を聞きながら、もう素手では不可能な部分に入ってきたということをそのときに感じて、自分の自治体では何とかしようということを進めてきました。
どちらかというと、今までのICT環境整備は、言い方は悪いですが、あれば便利といった付け足しの部分が強く、素手でやるのが教師として優秀だということが言われるような感じで、今でもそういう方も見えないわけではないのですが、そうだったのが、今日の「はじめに」もあるように、基盤としての環境で、これがないと今の学びはできないのだというところに変わってきたのですが、このことがまだまだ伝わり切れていない、伝え切れていないと思います。自分の立場としても、学校経営をしていたときも伝え切れていなかったと思いながら、これからやれることは、時間は僅かに残されているところで、これをさらに浸透させることが、せっかくこの会議に出させていただいていろいろなことを聞きながら、あ、そういう考えもあったんだということを知ったので、これで会議が終わりだから終わりではなくて、別にアドバイザーの役目もいただいていますので、このようなことをいろいろなところで伝えていくことが今後大事だなと今日も改めて思いました。
今日は、この取りまとめが議題ですが、これまでの会議の中ではセカンドGIGAに向けてのいろいろなことをどう整備するかとかいうような議論が行われ、それが現在、各自治体が4つの計画をつくって公表するというところにつながっています。それぞれの自治体は非常に困ってみえるのですが、今まで取り組んできたところはさらさらっと書けるし、何を目指さなくてはいけないか、そして自分の自治体はこういうことがまだできていないからというところは、それをさっと書くような感じと思いますが、それぞれの自治体だけではなくて、県の中でそれを協議しながら進めていくという枠組みができたことはすごくいいことだと思いました。そういうことに関わらせていただいたので、自分の県でもいろいろなことに関わることになって、全体が進むことに協力できることはありがたいことだと思っています。
いずれにしましても、いきなり全てをやろうということは無理が生じるわけで、今日のまとめの中にもいろいろな項目がありますが、どこからかというところをちゃんと見極めて、スモールステップでチャレンジしていくしかないと思っているところです。なかなか進まないので焦って進めようとするところもあるのですが、そうではなく、1つずつということで、また数年間のスパンでやることが大事だということも、この会を通して学ばせていただいた部分でもあります。ここでの経験をこれからまたいろいろなところで伝えていきたいと思っております。
どうもありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは、堀田主査代理、お願いいたします。
【堀田主査代理】 2つお話ししようと思います。まず1つは、皆さんのおかげで、また事務局の取りまとめの御努力のおかげでワーキンググループとしてのまとめができて、これはとてもよかったことだと思いますし、この議論のプロセスで出てきたいろいろな現場の苦悩みたいなことが、この仕様に反映されるみたいなこともあれば、考え方として文部科学省と共有できたということはいいことだと思います。私はこの上のデジタル学習基盤特別委員会の委員長もやっているし、その上の初等中等教育分科会にも関わっていますし、その上の中教審の総会にも関わっているので、上に上がっていくと、だんだんこういう話が伝わらなくなっていきます。そこに上手に伝えていくのが私の仕事だと思いながら、今日、最後の日を迎えたということです。これが1つ目。
2つ目は、これからの時代はと言うと大きな話になりますけれども、自治体の設置者の主体性というのがこれからもっと大事になるし、重要になると思います。そう考えたときに、セカンドGIGAの端末の最低スペックはもう出されているわけで、これは最低ですから、それを踏まえて各自治体がビジョンを持って、例えば何を付け加えていくかみたいなことは、予算の範囲ですけれども各自治体の考え方でやることだと思うし、ましてや今回整理したこの資料、ワーキングの取りまとめは、むしろ国としては交付税交付金の積算に当たるところに、こういう考え方でこういうふうにやってはどうかということを私たちは審議したわけですけれども、実際に予算が措置されて、それが各自治体でどのように使われるかは各自治体の主体性だと思うんです。
この最後のあたりに、各自治体がどういうふうに柔軟にやっていくかと。5.9のその他のところに、そういうことを踏まえて文部科学省もちゃんとこれから検討していくということが書いてありますけれども、国が何かを決めてそれを各自治体がやるという構図は恐らくここまでで、ここから先は各自治体がどうやっていくのかということをもっとしっかり考えていただく、そういうフェーズに入る、バトンが渡るタイミングなのかなと私は思いながら今日は聞いていました。そうなんですよということをうまく伝えることがこれからのアピールとして大事なのかと思ったところです。
いずれにしても、長い間お疲れさまでした。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。私からもと思いますが、委員の先生方、事務局の皆様、本当にありがとうございました。すばらしいまとめができたかと思っております。
前提として、堀田主査代理もおっしゃっていたとおりで、大きな流れの中から考えていきますと、学校において、従来程度の資質能力を育成するとか、従来の校務を少し効率化する程度であれば、ある意味、紙をもうちょっと工夫すればいいわけで、それよりもデジタルトランスフォーメーションをもっと大胆に大きく前進させていくんだというようなことを前提に、我々は話し合ってきたかと思っております。
多くの委員の先生方も触れているように、DX、デジタルトランスフォーメーション時代のICT環境整備というのは、前例がないことが非常に多いなと思っております。なので、先ほど申し上げたとおり、「はじめに」にあるような理念とか信念、物の考え方が非常に重要で、それらに基づいて地域の実情とか様々なことを勘案しながら、各地で整備を進めていくのかと思います。そのためには各地で様々な工夫や努力が必要で、また、私も申し上げているとおり、勉強も必要になるところが非常に多いなと思います。今回、GIGAスクール構想の機器整備のところで、県域で議論する会議体ができていると。こういったネットワークも活用しながら、本当に胆力を持ってというか、信念とか理念、胆力と言うと精神論的ですが、胆力を持って整備を進めてほしいなと本当に願っているところです。
大胆に予想すると、いずれ電気や水道のように、ネットワークやICT環境が整備されて当たり前みたいな時代になって、壊れたら自然に直ると。今の水道も自然と直ってはいないんですけれども、出なかったら自然と直るということもないんだけれども、直って当然、水がジャージャー出て当たり前みたいな、力を込めなくても自然体にICT環境が整うみたいな、そういった時代が来てほしいと思います。そうなってくると、未来はこの委員会が不要になるということで我々も仕事が上がったりかもしれませんが、実はそのような時代が来ることが、本当の、この委員会の最後の姿なのかと思ったところです。
様々な御協力をいただきまして、本当にありがとうございました。
最後に、事務局から一言お願いしたいと思います。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 ありがとうございました。本日の御議論も含めまして、このワーキンググループは6回にわたって御議論いただきました。まず、これまでの先生方の御尽力に感謝を申し上げたいと思います。
第1回を振り返りますと、第1回は去年の春ぐらいでしたので、もう1年以上にわたって、先生方には大変精力的に御議論いただいたということになります。今日、先ほど座長に、最終的な取りまとめは一任するということでいただきましたので、いよいよ最終的な段階に来たということで、1年以上にわたる御議論にまずは感謝を申し上げたいと思っております。
もともとこのワーキンググループの射程は、次期ICT環境整備方針の計画の基となる考え方を整理していただくという、このワーキングの位置づけであったわけでありますけれども、今日の御議論でもありましたように、「はじめに」と「おわりに」に表れている、そこにとどまらない大変重要な示唆もたくさんいただきましたし、私たち行政担当者としてもこの方針や計画にとらわれて議論してはないんだということを、大変示唆をいただいたと思っております。そういった意味では、私どもの視点を広げていただいたということもありますし、それから、このワーキングだけでは議論し切れない視点もたくさんいただいたと思いますけれども、それは堀田先生の特別委員会をはじめ、また様々な場面でいろいろ議論する機会がありますので、そういったところにも反映していきたいと思っているところでございます。
そういった意味では、非常に視野の広い御議論をいただいたわけでありますけれども、この中心的な内容はICT環境整備方針の計画ということでありますので、それに関連して一言だけ申し上げさせていただきますと、このワーキングの中でも、例えばこの取りまとめの中でも個別のところで出てくる、最初の項目はネットワークのところでございます。ネットワークはこのワーキングでも様々御議論いただきましたし、現場の状況を様々御議論いただきました。ネットワークというのはもう最低限のインフラであります。この上に立っていろいろなものが動いていくということでありますので、これがないと、せっかくの端末も全く動かないということになります。
そういったことを考えますと、ネットワークは自治体によっていろいろな状況がある、財政的にいろいろな状況があるんだと思うんですけれども、子供にとってみれば、あまりそれは関係ない。子供には何の責任もないと思うんです。ネットワークが遅いことというのは、学んでいる子供たち、何も子供たちに責めるべき点はないのに、にもかかわらず学びが制限されるというのは、これは私たちの立場からすると全くあってはならないと思いますし、ある意味では、言葉は強いかもしれませんけれども、私たち大人の責任放棄とか、あるいは行政担当者、我々も含めて、子供から見れば、それを怠慢と言われても仕方がないというような状況ではないかと思っております。
そういった意味では、非常に強い危機感を持って我々も取り組んでいるわけでありますけれども、議論を通じて、全国の担当者とか関係者とこういった状況を共有したいなという思いも私はあって、この議論に参加させていただいたところであります。そういった意味では、こういった議論をずっとオープンの場でやってきましたので、最終的な取りまとめの文章だけではなくて、この議論の過程そのものでこういった認識もみんなで共有しながらやっていければいいのかなと。そういったところが「はじめに」や「おわりに」のところで、一丸となってというような表現に表れていると思いますけれども、こういうところで共有していきたいと思っております。
先ほど申し上げましたけれども、それぞれの立場で権限と責任においてできることをやっていこうということでいきますと、この取りまとめを受けて、我々が方針をつくり、計画をつくり、そして具体的な地方財政措置につなげていくというのが、このワーキンググループの流れの中では進んでいくわけでありますので、我々にできる責任をしっかりと果たしていきたいと思っておりますし、その前提には、今ここで様々御議論いただいてきたような、一体誰のために、何のためにこれをやっているのか、どんなふうになってほしいのかということをしっかりとまた胸に刻みながら、これからの私たちの責任を果たしていきたいと思っております。
いずれにいたしましても、非常に長い期間にわたりまして大変多くの御議論をいただきましたし、多くの御示唆をいただきました。また、この6回の会議だけではなくて、いろいろなメールでのやり取りとか、いろいろな場面で大変大きな御示唆もいただきましたので、そういったことを踏まえて、我々のできることをやっていきたいと思っております。
まずは、一旦は今回のワーキンググループは今回が一区切りということで、これまでの先生方の御協力に感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。
それでは、予定した議事は全て終了いたしましたので、これで閉会とさせていただきたいと思います。長い間、大変ありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局学校情報基盤・教材課