令和6年6月24日(月曜日) 16時00分~18時00分
文部科学省
※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)
石井委員、小髙委員、片山委員、木田委員、柴田委員、高橋委員、中川委員、中村委員、堀田委員、水谷委員
寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー、神谷GIGAスクール基盤チームリーダー、小泉学校情報基盤・教材課課長補佐、松本学校情報基盤・教材課専門官
【高橋主査】 定刻になりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ(第5回)を開催いたします。本日は、御多忙の中、御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、対面とオンラインのハイブリッド方式にて開催します。会議の様子は、事前に御登録いただいた報道関係者及び一般の方々にも御覧いただいております。
議事進行に係る留意事項や進め方については、資料1のとおりでございます。
それでは、議題に入りたいと思います。議題1、「次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ取りまとめ(素案)」について、事務局より資料の御説明をお願いいたします。
【神谷GIGAスクール基盤チームリーダー】 事務局、GIGAスクール基盤チームリーダーを務めております神谷と申します。私から、資料2に基づきまして御説明をいたします。
これまでの本ワーキンググループでの御議論を踏まえまして、事務局にて取りまとめの素案という形で資料2をまとめさせていただきました。
ページをおめくりいただいて、目次を挟んで1ページですけれども、1ポツでまず、現行整備方針策定後の経緯を説明しております。一つ目のパラグラフですけれども、現行の整備方針は、平成29年度に新学習指導要領の実施を見据えて定められたものでございます。この方針に基づく計画に基づいて整備が進められている中で、途中でGIGAスクール構想の実現に向けた取組によって1人1台端末や高速ネットワーク等の整備が大幅に推進されました。こうした大きな環境変化が進行する中で、新たなICT環境整備方針を策定するためには、GIGAスクール構想を踏まえた成果や課題についての検証など検討すべき論点が多く存在するということで、令和6年度末までこの計画が2年間延長されたところでございまして、これに基づき、今、ICT環境の整備が進められているところでございます。
また、この現行の整備方針、整備計画が進んでいる中で、令和3年1月には中央教育審議会において、いわゆる令和答申が取りまとめられております。この令和答申の検討におきましては、新学習指導要領の全面実施、また、学校における働き方改革、そしてGIGAスクール構想が極めて重要な取組として進展しつつあるという認識が持たれながら検討が進められておりました。そして、20行目でございますけれども、2020年代を通じて実現を目指す学校教育を令和の日本型学校教育といたしまして、特に各学校においては個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実し、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善につなげていくことが必要であるとされたところでございます。
25行目ですけれども、令和答申は、令和の日本型学校教育の構築のためにICTは必要不可欠であるとしております。26行目最後のところですが、例えばICTの活用として、端末を日常的に活用するということとか、29行目ですけれども、不登校、病気療養、障害、あるいは日本語指導を要するなどにより特別な支援が必要な児童生徒に対するきめ細かな支援をするために、2ページ2行目ですけれども、ICTの持つ特性を最大限活用していくことが重要といった考え方が示されております。
また、3行目ですが、ICT環境整備の在り方に関しては、例えば、1人1台端末からネットワークにアクセスをし、クラウド上のデータや各種サービスを活用することが前提であるため、学校内のみならず、学校外とつなぐネットワークが高速大容量であることが必要である旨、また、ICTで校務を効率化することによる働き方改革の実現が重要である旨などが示されております。
8行目ですけれども、令和5年3月には、文科省の専門家会議におきまして、教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化に向けた次世代の校務DXの方向性が示されたところでございます。
13行目ですけれども、昨年6月には、いわゆる骨太の方針におきまして、国策として推進するGIGAスクール構想の1人1台端末について、公教育の必須ツールとして更新を着実に進めるとされました。25行目ですけれども、これを受けまして、GIGAスクール構想加速化基金を都道府県に造成するための経費が令和5年度補正予算に計上されまして、現在までに全ての都道府県においてこの基金が造成されまして、今、端末の整備・更新の手続が進められているところでございます。
28行目ですけれども、本年4月には、文部科学省は、教育DXに係る当面のKPIを設定しております。このKPI、いろいろなKPIが設定されておりますけれども、設定する際の切り口、アウトカムといたしまして、ここに掲げている四つの点、一つが個別最適・協働的な学びの充実、二つ目が情報活用能力の向上、三つ目が学びの保障、四つ目が働き方改革への寄与というところで設定されているところでございます。
3ページですけれども、このワーキンググループは、以上のような経緯の中で検討を行ってきたとさせていただいております。
2ポツですけれども、1人1台端末を学校に導入したことによる成果と課題についてまとめております。5行目ですが、現行整備方針に基づく整備期間の開始後、GIGAスクール構想による1人1台端末の整備などが大幅に前倒しをされました。これによって、学校におけるICT環境の整備が急速に進んだところでございます。このことも一つの背景として検討されたものとして令和答申がございまして、個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実により、主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善が目指され、急速に整備が進んだICT環境の下で授業改善の成果が出つつあるものと認識をしております。
15行目ですけれども、しかしながら、この授業改善は道半ばであるとしております。特に、地方公共団体間の格差が課題であるとさせていただきました。
23行目ですけれども、この格差の中にある背景といたしまして、児童生徒が主体的・対話的な学びを進める場面での端末利活用が十分に進んでいない背景といたしましては、まず、通信環境が不十分であること、また、教育委員会や学校が端末利活用のルールによって、積極的な端末利活用に制限を掛けていることなどが挙げられるとさせていただきました。また、指導者用端末が十分に整備されていない地方公共団体や、故障したときの代替機が十分に用意されていないと考えられる地方公共団体があること、また、教師の指導力が、児童生徒が主体的・対話的な学びに端末を活用する授業に十分に転換されていないといった課題もあるとさせていただきました。
また、4行目からのパラグラフでは、働き方改革に関しまして、次世代の校務DXの環境整備は道半ばとさせていただきました。
11行目からのパラグラフでは、災害時等の対応の観点からも、GIGAスクールの環境が重要であること、また、誰一人取り残さない学びの保障の観点からも、GIGAスクールの環境が重要であるというところを記載させていただいております。
17行目からは、次のICT環境整備方針の基本的考え方、1と2を踏まえた基本的考え方を示しております。18行目ですけれども、まず、円滑なクラウド活用を前提とした1人1台端末をはじめとする学校のICT環境は、これまでどおりの指導や学習を単に効率化するための付加的な整備ではなくて、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実等を図る上で必要不可欠な学習基盤であるとさせていただいています。このことをICT環境整備の基本方針とすべきと記載いたしました。
23行目ですけれども、次のICT環境整備方針においても、学習指導要領は現行のものが前提となる見込みでございます。このため、次のICT環境整備方針は、現行の方針の骨格は維持するものと考えておりますけれども、他方で1人1台端末の整備をはじめとした現行整備方針下で急速に進んだICT環境の進展によりまして顕在化した課題に十分に対応するために、GIGA1期の中間的な課題や成果のまとめ、また、外部環境の変化を十分に踏まえた改訂とすることが適当であるとさせていただきました。
4行目ですけれども、令和答申においては、新学習指導要領に基づいて、一人一人の子供を主語にする学校教育の目指すべき姿を具体的に描いているところでございます。そのため、次のICT環境整備方針の策定に当たりましては、令和答申が示す方向性を前提にしながら、GIGAスクール構想の1期の中間的な課題・成果や外部環境の変化を踏まえることとなりますけれども、その際、教育DXに係る当面のKPIでアウトカム、切り口として示していた四つの観点での環境整備を優先すべきであると記載させていただきました。
4ポツは、次のICT環境整備方針を検討するに当たりまして、端末の基金の執行スキームで決定されていることが検討の前提となりますので、そのために、端末の更新に係る基金のスキームについて概観するものでございます。
まず、23行目の端末のスペックですけれども、これにつきましては、28行目のところに、最低限必要となるスペックを最低スペック基準として文科省が示しております。このスペックを満たす端末を整備することが、基金からの補助を受けるための要件となっております。
ページをめくっていただいて6ページ、共同調達等についてですけれども、こちらも原則として都道府県単位での共同調達によることが補助を受けるための要件となっております。
12行目、指導者用端末ですけれども、こちらは教員数分の指導者用端末を整備することが補助を受けるための要件となっております。
16行目、Webフィルタリングですけれども、Webフィルタリング機能を備えることが補助を受けるための要件となっております。
20行目、端末の故障時等への対応につきましては、この基金におきまして、端末の故障時等への対応として、日常的な端末活用を行っている地方公共団体の故障率を踏まえて、予備機15%の整備も補助の対象としております。このため、まず予備機の整備が重要であるとされております。その旨を記載させていただいております。
8行目、付属物品等でございます。例えばですけれども、整備必須とされているものとしてタッチペンがあり、また、整備は任意ですが、端末本体のカバーとか画面保護フィルムも補助対象となっております。17行目以下には、そのほか、少しソフトウェア的なものとして端末と一体的に買い切りで整備されるもので補助対象になるものがある旨などを記載しております。
24行目、その他地方公共団体の責任において確実に実施すべき事柄についてに関しましては、基金からの補助を受けるための要件といたしまして、地方公共団体において各種の計画等を策定し公表することが必要となっております。具体的には、ページおめくりいただいて8ページの8行目からですけれども、端末整備・更新計画、これにはリユース、リサイクル、処分に関する計画も含みますけれども、また、ネットワーク整備計画、校務DX計画、1人1台端末の利活用に係る計画の策定・公表を求めているところでございます。また、これらの計画の策定に当たっては、教育DXに係る当面のKPIの達成のために各種計画へ盛り込むべき観点を文部科学省が示しておりまして、この観点を踏まえて各種計画を策定いただくことを求めているところでございます。
以上の1から4を踏まえまして、5ポツで、現行整備方針の改訂に当たって考慮すべき主な事項といたしまして具体的に述べております。
まず、5.1、学校のネットワーク整備でございます。これは前回会合でも御議論いただきましたけれども、26行目ですが、まず、教育DXに係る当面のKPIとして、必要なネットワーク速度を確保済みの学校を令和7年度に100%にするとの目標を設定しております。また、28行目ですが、文部科学省では、学校規模ごとに1校当たりの帯域の目安を当面の推奨帯域として設定いたしました。各学校に悉皆で実施した簡易な帯域測定の結果を一定の仮定の下で推計いたしますと、当面の推奨帯域を満たす学校が2割程度にとどまるということを文科省は公表しているところでございます。
7行目ですけれども、こういったように大半の学校で必要なネットワーク帯域が確保されていないという状況では、1人1台端末を有効に活用できず、ひいては、GIGAスクール構想が目指す個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実などが実現できないこととなるため、学校のネットワークの改善が急務であるとしております。改善のためには、11行目ですけれども、まず、ネットワークアセスメントを実施し、不具合の原因特定を行うことが必要となります。12行目ですけれども、必要な帯域を満たすことができる通信契約が締結されていることが前提になりますため、必要に応じた通信契約の見直しも不可欠になります。併せて、必要に応じた校内LAN環境の改善も求められるところでございます。
16行目からですけれども、これらだけでなく、文科省においては、通信事業者への働き掛けも含めまして、学校のネットワークの改善に向けてあらゆる手段を講じることが求められるとしております。20行目の辺りでございます。また、このネットワークの整備・改善には、技術的専門性が求められる場面も多いところでございますけれども、地方公共団体においては、この点を現状維持の理由としてはならず、また、文部科学省は伴走的支援を徹底していく必要があるとしております。以上がネットワークの関係でございます。
5.2が学習者用端末の関係でございます。10ページ5行目ですけれども、学習者用端末については、現行の整備計画に基づきまして、初等中等教育段階を通じて3クラスに1クラス分の整備を進めていたところでございまして、この計画期間の途中でGIGAスクール構想に基づく1人1台端末の整備が開始されたところでございます。このため、次期整備方針では、このような1人1台端末環境を前提にすることになると考えております。
9行目から、まず、義務教育段階について述べております。こちらにつきましては、GIGAスクール構想加速化基金によりまして、15%の予備機を含めて、端末整備・更新に係る経費に対する3分の2の国費支援がなされます。この際、地方負担分の残りの3分の1につきましては、令和6年度地方交付税措置が講じられているところでございます。このような形での端末の整備・更新が進められることが、次期整備方針におけるICT環境整備の前提になると考えております。
17行目から、高等学校段階について記載をしております。高等学校段階につきましては、義務教育段階で1人1台端末環境を経験した生徒が進学することを踏まえますと、1人1台端末環境が求められることから、学校設置者におきまして、普通科、専門学科や総合学科など多様な教育内容に応じて必要なスペックを踏まえ、3クラスに1クラス分の端末についての地方財政措置が講じられる中で、保護者の理解も求めながら、令和6年度内に1人1台環境が実現されるような整備が進められているところでございます。今後も1人1台環境を前提として各学校の実態に応じた整備が求められるとさせていただきました。
5.3が学習者用端末の利用環境についてです。まず、24行目から書いておりますのは、いわゆる学習用ツールと呼ばれるものでございます。ここに掲げた学習用ツールにつきましては、27行目ですけれども、最低スペック基準を満たす端末の整備によって1人1台端末に標準実装されることになります。こうしたツールは、クラウドを介して利用されることで、教師による児童生徒の学びの進捗把握、また、児童生徒がほかの児童生徒の考え方を参照して学ぶことなどによりまして、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に資するものとしております。32行目ですけれども、こうしたクラウドツールの特徴も踏まえまして、現在、文部科学省では、リーディングDXスクール事業におきまして、1人1台端末に標準実装されている汎用のクラウドツールの利用を中心とした実践事例を創出している段階でございます。こうした状況も踏まえまして、11ページ3行目、4行目ですけれども、学習用ツールについては、標準実装の機能の利用を中心に考えるべきとさせていただきました。
5行目ですけれども、他方でクラウド利用が過度に制限されることで、学習観の変容がスムーズに進まない事例が見られると考えております。文部科学省においては、こうしたクラウド利用を過度に制限するような方針が見直されるよう、引き続き教育委員会への働き掛けなどの取組を講じていく必要があるといたしました。また、繰り返しになるところでございますけれども、クラウド利用を前提とするためにも、ネットワークの改善は急務であると考えております。
11行目、教材等につきましてですけれども、まず、教材等のデジタル化が進み、デジタル教科書の実証や、全国学力・学習状況調査もCBTへの移行が進んでいる状況にございます。地方公共団体においても、デジタル教材が活用されておりますけれども、その種類や性質が様々でございます。また、費用負担も公費負担、保護者負担など、実態も地方公共団体ごとに異なるところでございます。こういったことも踏まえまして、今後の教育課程や学習指導の在り方を踏まえて、文部科学省が別途作成している教材整備指針との関係等にも留意しつつ、必要な検討が今後行われるべきものと考えられるとさせていただきました。
また、20行目ですけれども、現行の整備方針では、児童生徒の学習データの保存領域として学習サーバの整備が盛り込まれておりますけれども、こちらは1人1台端末の整備に伴いまして、クラウドストレージが追加費用なしに活用できることを前提といたしますと、特段の整備は不要であると考えております。
23行目ですけれども、学習データの活用に関しましては、文科省が示す基金の執行に係る調達ガイドラインや最低スペック基準において、端末の稼働状況を把握できる機能の整備を求めていたり、OSメーカーの学習ツールやクラウドアカウントのログを取得、可視化・分析する機能を補助対象としていることもあり、まずはこれらの機能の活用が想定されるとさせていただきました。
5.4、周辺機器でございますけれども、大型提示装置や実物投影装置は、1人1台環境において有効に活用されておりますため、引き続きの整備が求められるとさせていただきました。また、充電装置につきましては、現行の整備方針では充電保管庫の整備が盛り込まれておりますけれども、端末の持ち帰り学習が進んでいることなども踏まえた、実態を踏まえた充電装置の整備が求められるとさせていただきました。
5.5、教師が使用する端末でございます。まず、11行目からは指導者用端末について述べております。こちらも先に基金のスキームのところで御説明いたしましたけれども、14行目ですけれども、教員数分の指導者用端末の整備がGIGAスクール構想加速化基金からの補助を受けるための要件となっておりますので、次のICT環境整備方針ではこのことを前提とすべきと考えております。
16行目からですけれども、指導者端末ですけれども、運用上の工夫も行いながら、指導主事をはじめといたしまして、子供の指導に関わる多様な職員が利用可能となるようにすることが重要であるとさせていただきました。
また、19行目ですけれども、校務用端末については、必要な教職員が必要な場面で端末を利用できる環境とすることが求められるとさせていただきました。
さらに、指導者用端末と校務用端末に関しましては、13ページの1行目からですけれども、今後、学習系・校務系のネットワークの統合が段階的に進むことを踏まえる必要があるとさせていただきました。具体的には、指導者用端末と校務用端末が一台化されることが想定されるわけでございますけれども、他方で一台化が必ずしも直ちには実現しない場合があると考えられるなど、これは前回の会合におきましても両面の御意見があったと認識しておりますけれども、こうしたことを踏まえまして、整備には多様な形態があり得る点に留意が必要であるとさせていただきました。
また、7、8行目には、働き方改革の観点から、教員が利用する端末の環境については、適切な表示領域を確保して業務の効率化を図ることにも留意する必要があるとさせていただきました。
5.6、次世代校務DX環境整備でございます。こちらも1ポツに記載させていただいたとおり、昨年の3月に文部科学省の専門家会議において、教職員の働きやすさと教育活動の一層の高度化に向けた次世代校務DXの方向性が示されているところでございます。
27行目におきまして、文部科学省は、この次世代校務DXの実証事業を今、実施しておりまして、これを通じてモデルケースの創出や好事例の展開を進めることとしております。
このように次世代の校務DX環境整備は、こうした取組の成果も活用しながら段階的に進むことになると考えております。そういったこともありまして、14ページ目1行目ですけれども、KPIでは令和11年度をターゲットにしているといった状況でございます。
3行目からですけれども、このように次世代の校務DX環境整備が段階的に進むことを踏まえますと、①から③に記載した事項を考慮する必要があるとさせていただきました。一つ目は、クラウド対応の校務支援システムの整備が進むとともに、校務用サーバがクラウド環境に移行するということ。②ですけれども、これは再掲になりますけれども、指導者用端末・校務用端末の在り方が多様になること。また、③ですが、多要素認証など強固なアクセス制御に基づくセキュリティ対策が必要になるということも考慮する必要があるとさせていただきました。
5.7、セキュリティ対策ですけれども、まず、マルウェアを防ぐ機能については、OS標準で備わっている機能の利用を前提とすることができるとさせていただきました。
14行目、フィルタリングにつきましては、Webフィルタリング機能を整備することが基金からの補助を受けるための要件とされておりますので、このことを前提にすべきとさせていただきました。
5.8のICT支援体制ですけれども、まず、21行目のICT支援員につきまして、4校に1人程度を目標に掲げて配置を促進してきておりますが、この目標水準がまだ未達成の状況であると承知しております。
15ページ目ですけれども、6行目、こういったことも踏まえまして、引き続き4校に1人の目標水準を目指して配置を促進しつつ、地方公共団体及び学校のニーズや実情に応じたICT支援体制の構築を推進していく必要があるとさせていただきました。
また、8行目からですけれども、支援の形態といたしましては、学校を巡回しての支援とか、集中・集約された支援拠点からの遠隔対応も含めた支援、これらを組み合わせた支援などがあり、支援の内容につきましても、ICTの利活用が定着するに従いまして、授業関連の支援から校務関連や環境整備関連の支援が多くなるといった指摘もあったところでございます。このように、学校現場の実態を踏まえまして、支援の形態や内容、また、そのために必要とされる事項や望ましい事例などを文部科学省が地方公共団体に示していくことが求められるとさせていただきました。
最後に、5.9、その他でございますけれども、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実や学びの保障の観点から、学校現場におきましては、1人1台端末に標準実装された学習ツールのほかにも、多様なツールが活用されておりまして、実績を積み重ねてきているところであると承知をしております。また、今後、技術の進展によって活用されるツールも変容していくことが想定されるところでございます。
20行目で、このような状況を踏まえまして、一人一人の児童生徒が、それぞれの様々な状況に応じ、誰一人取り残されず、多様な他者と協働した学びを可能とする観点から、こうした多様なツールの整備の必要性について、文部科学省において継続的に検討することが求められるとさせていただきました。
駆け足でしたけれども、事務局からの素案の説明は以上となります。
【高橋主査】 ありがとうございました。ただいまの事務局の説明に対して、御意見、御質問等ございましたら頂戴したく思います。御質問の際には、挙手ボタンを押してください。また、御発言が終わりましたら、手を下げるボタンを押し、挙手を下げていただければと思います。御協力よろしくお願いいたします。それでは、お願いいたします。
では、柴田委員、お願いできますか。
【柴田委員】 上鶴間高校、柴田です。このような、今までのワーキンググループの取りまとめをしていただいて、大変ありがたく思っております。
このまとめを使って各自治体で、予算の獲得とか保護者に説明とか、そういったものの素材になっていくのかなと思っています。そうした中で少し気になっているのは、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実というのが、GIGAスクール構想における、1人1台端末の整備の一つの学習の姿と説明をしていくところなんですけれども、このまとめが保護者とか、それから、各自治体の予算担当者に具体的なイメージが届くかどうかというのが少し心配です。やはり授業のイメージができるような表現を加えていくといいのかなと。例えば、3ページの18行目には幾つか例がありますが、自分の考えをまとめ、発表・表現する場面、こういった具体的なイメージがあると、確かに端末が必要だなというのが保護者も分かるし、自治体の予算担当者もイメージできるのかなと思いますので、そういった、何のためのGIGAスクール構想なのかというのを、具体的な学習活動のイメージを少し盛り込むとよいのかなと思いました。
あと、高校についての記述を特に書いていただいた10ページの17行目、これも大変ありがたいところなんですが、高校の場合は、3クラスに1クラス分が地方財政措置で、残りの3分の2の整備は保護者負担であったり、自治体負担であったり、対応が分かれているところです。こうした中で、やはり何のための1人1台端末なのかというのは、保護者、自治体によく理解してもらい、整備をきちんと進めていくのが必要かなと思っています。それから、3クラスに1クラス分の端末というのが、経済的に保護者負担で用意できない方に行き渡るための措置として今後は活用していくことになるのかなと思っています。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。これは事務局から何かありますか。特にいいですか。
【神谷GIGAスクール基盤チームリーダー】 御意見ありがとうございました。学習のイメージ等を分かりやすく、より具体的な記載などについて検討させていただければと思います。高校のことにつきましても、御意見ありがとうございます。いただいた御意見も踏まえながら具体の今後の計画、この方針が策定された場合にはそういったところも踏まえて計画に落とし込んでいくことが必要と認識をしております。
【柴田委員】 ありがとうございます。
【高橋主査】 私からも少しコメントさせていただきますと、具体的にどういう活用イメージなのかということは、特に私は、1ページの例えば28行目、29行目以降ぐらいに、ICTにより現実の社会で行われているような方法で児童生徒も学ぶとか、学校教育の現代化とか、不登校、病気療養、障害をお持ちの方、日本語指導を要する方とか、様々な特別な支援を要する方への学びの保障とか、個々の才能を伸ばすとか、こういったことも一つの具体的な例というふうに示されているかなと思います。それを包括的に言うと個別最適で協働的な学びとなると思うんですけれども、この辺りの連続の辺りがよく理解されるといいのかなと感じたところです。ありがとうございました。
それでは、小髙委員、石井委員、まずお願いいたします。
【小髙委員】 小髙です。御説明ありがとうございました。本ワーキングにて議論されたことを非常に端的に分かりやすくまとめいただいた御担当の皆様の御尽力に敬意を表し、感謝申し上げます。ありがとうございます。21日に閣議決定されたいわゆる骨太の方針におきましても、教育DXについて力強く触れられており、今回も国が強く後押しをしてくださっているということに大変うれしく感じております。その上で、今回このような場をいただきましたので、感じたことを2点お伝えさせていただきたいと思います。
これを踏まえてこれから実現していくという意味で、まず1点目は、各立場がオーナーシップを持つということです。今回、GIGAスクール構想のセカンドステージに向けまして取組が進んでいるわけですが、そもそも様々な教育施策を実働させていくためには、やはり国が先頭に立つだけではなくて、都道府県、市町村、そして学校現場においては、教育に関わる権限を有する者それぞれが主体者であるという自覚を持って、国や他者任せにせず、それぞれの裁量を精一杯生かすことが重要であると思っています。
GIGAスクール構想の目的は、令和の日本型学校教育の実現、授業改善です。ファーストGIGAでその成果は出つつありながら、いまだ道半ばであり、今回様々なきめ細やかな調査により、課題が顕在化されました。そして、その課題解決を重点に置いた方針や具体的方策が示され、予算措置が進められようとしています。国がここまで進めてくださっていることに感謝し、あとは都道府県、市町村、そして学校も、自分事として自分たちの権限と裁量でできることを最大限取り組まなければならないと強く感じている次第です。
国策であるGIGAスクール構想の実働を教育委員会事務局の施設・設備担当のみで対応することのないように、また、教育指導担当や学務管理担当、教育委員会にはそういう立場がありますが、また、さらには市町村の役所の中には、教育委員会のみならず、関係部署が様々あります。そこにきちんと伝え、また、学校にも届けるということが大事なのかなと思っています。
自治体格差という言葉もありましたが、困った自治体・学校は、実は困っている状況に気付いていないとか、困っていないのかもしれません。学びの改革は、学校現場、内側からしか進まないと思っています。このまとめの実働に向けては、トップダウンに頼るのではなくて、それぞれの主体がオーナーシップを持って取り組み、特に学校現場もオーナーシップを持つこと、そして、各課とチームを組んで一致団結して進むべき状況であると非常に強く思っています。以上1点目です。すみません、長くなりまして。
2点目は、先を見通して、段階的に進めるという大切さです。教員が使用する端末の整備や次世代校務DX環境整備については、5.5や5.6でその進め方について今回具体的に示されています。これを見ても分かるように、教育委員会事務局内だけで進められることではなくて、また、基礎自治体の状況も違いますので、市町村役所内の各課との連携、相談・調整を繰り返しながら、さらに学校現場の教職員の意向も受け取りながら、その自治体に合った最適な形を作り上げていくことが重要だと考えます。
また、タイムスケジュールにおきましても、機器の更新時期と直結するもので、即日、一律に進められることではありません。戸田市におきましても、次世代型校務DX環境整備計画につきましては、2018年頃から検討が始まりまして、また、今後10年先、20年先を見据えた中で関係各課との調整を進めながら実現してきた経緯がございます。是非各基礎自治体では、5年先、10年先を見通しながら、庁舎内関係各課や学校現場との議論を進めながら実現に向けて動いていただきたいなとは思っています。
教員のICT環境整備や次世代型校務DX環境整備を実現することは、教職員の働き方改革にも寄与と言われていますが、ここにとどまるものではないと思っています。教室の学びの改革、いわゆる令和の授業改善の実現と同義であると強く思っておりますので、是非このように捉えていただけるとありがたいなと思っています。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。それでは、石井委員、よろしくお願いいたします。
【石井委員】 石井でございます。どうぞよろしくお願いいたします。これまでの議論を非常に分かりやすくまとめていただいたことに感謝いたします。今後の整備について、まずこれを読んでいただければ今後どうしていけばいいのかということが明確になる非常によくまとまっている資料になったと思っております。
また、5.1のところで一番最初にネットワークが書かれてあることで、重要だということが捉えやすく表記されております。5.2、5.3については、端末の補助要件について4で詳細に明記し、ここでは、クラウドの利用をどのようにしていけばよいのかということが明確に示されております。しかし、まだ補助要件というところと、これから補助のために必要な計画策定というところについては、各自治体にまだまだ伝達していく必要があると思っております。その作成についてもサポートしていく必要があると思います。その役割が学校DX戦略アドバイザーなのかなと思っておりますので、この中にもアドバイザーを利用していけば作成の助けにはなるということを表記できればいいと思います。
5.4の大型提示装置のところですが、こちらはやはり大型のディスプレイで皆で映して考えを共有するために必要でありますが、まだまだ整備に至っていないという自治体があるということも聞いております。また、デジタル教科書をどんどん使っている自治体さんは、ただのディスプレイではなく、電子黒板の方がはるかに授業にはフィットしているというところも分かってきていると思いますので、各自治体の活用の段階に合わせて整備していく必要があると思っております。
5.6のところでは、次世代校務DXと校務支援システムとを別々に表記するのではなくて、校務支援システムを中心として、どのように校務DXをこれから進めていけばいいのかが分かるような表現になっております。
5.8では、ICT支援員というくくりではなく、ICT支援体制というタイトルとしてまとめてあることで、4人に1人という目標は目指しながらも、まず各自治体で支援体制を整えていくことが必要であるということが伝わるようになっていると思います。ただ、欲を言えば、ICT支援体制を支えているGIGAスクール運営支援センターへの補助が少しでも付いていくと、今後も継続した支援につながっていくのではないかなと思っておりました。
まとめ、大変ありがとうございました。以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。ここまでお二人ですけれども、何かコメントありますか。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 ありがとうございます。まず、小髙委員からは、少し総論的なお話がございました。この取りまとめには、いわゆる「はじめに」とか「おわりに」という部分がないんですけれども、もし小髙委員の今の御意見を踏まえるとすれば、そういったところですね。具体のところは今ここに書いてあるんですけれども、まさにこういった具体的なところを実現していくために、やっぱりそれぞれの立場がそれぞれの自分事としてそれぞれの役割を果たしていくんだというようなこととして受け止めました。これまでのワーキングでも各委員からそういったような意見がたくさん出てきていると思いますけれども、今のような意見を受け止めて、「はじめに」とか「おわりに」にというようなところで、今のような委員の思いを少し表現できればいいのかなということで受け止めをいたしました。
また、二つ目の話で校務DXのところも少し例示に出していただきながら、段階的に先を見越してということの御意見もいただきました。まさにこの取りまとめ自体は基本的な方針を示すものであって、それを我々が受けて、具体的な計画を今後策定していく。そして、その計画の下に様々な財政措置がなされて、そして、自治体がその財源を使って、どういうふうに自分たちの形に合った形で整備をしていくか、こういった流れになるわけでございますので、基本的にはこの方針はやはり基本的な方針を書き、それを踏まえた上で各自治体の状況に合わせて整備をしていくと、こういった形になるのではないかなと思います。
石井委員から、個別にいろいろ御指摘をいただきまして、我々としても一番最初にネットワークということを持ってきたというところは、やはりこの重要性をしっかりと伝えたいと思ったところでございますので、石井委員に御指摘いただきましたように、これを読んで、自治体の担当者の方、そしてまた関係者の方に、こういったところを整備しなきゃいけないんだなというところが伝わるといいなと思います。また、今日の御議論を踏まえてまたより伝わるような表現、一番最後のところで、運営支援センターとか、あるいはDXアドバイザーなんていうところにも具体的に言及があった方がいいのではないかという御意見もいただきましたので、より伝わるような表現も少しまた今日の御議論を踏まえながら考えていきたいと思っております。
まずはお二方の委員の先生方に対してのコメントは以上でございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。それでは、片山委員、木田委員の順番でコメントをいただきたいと思います。片山委員、よろしくお願いします。
【片山委員】 お願いいたします。非常に柔軟で骨太なすばらしい内容にまとまったなと感じております。お礼を申し上げます。私から4点述べたいと思います。
一つ目ですが、12ページの5.5の教員が使用する端末についてです。注釈38で、校長、副校長、教頭においても教員ということで調達ガイドラインに述べたことをここで改めて確認したことは有意義だと思います。やはりマネジメントをしていく校長や教頭が活用してこそ、教育DX、それから、授業改革のリーダーシップを取っていくことができますので、是非この整備が確実に進むように強調するか、あるいは他の形で働き掛けをしていくということをお願いできればと思ったところです。
2点目です。13ページ6行目のところ、OS等の環境によって一台化が必ずしも直ちには実現しない、多様な形態があり得る点に留意する必要がある、ここも非常に柔軟でありがたいなと思います。この注40のところ、ここに書かれてあるほかにも、例えば特別支援用のアプリケーションの中には、大変有用で日常使いをしており、クラウドも使っているものの、マルチOS対応が進んでないものも多くあることから、指導者用と学習者用のOSが違うことに困り感が生じるという点もあるということをここで指摘をしておきたいと思います。
それから、3点目です。5.8のICT支援体制、ここはもう本当に石井委員のおっしゃったとおりと思っています。15ページの6行目から、実情に応じた支援体制の構築、特に遠隔対応も含めた支援等について触れていただいたことがとてもよいと思いました。ただ、4校に1人というのは当然これからもなんですけれども、石井委員と同じで、GIGAセンターの補助についてのところが、難しいのは分かるんですけれども、そこの予算がやはり今後も必要かなということは、これまで活用してきて思っているところです。
最後です。その他のところ、17行目、標準実装された学習用ツールのほか、多様なツールが活用され、実績が積み重ねられてきている、また、今後技術の進展によって活用されるツールも変容していくことが想定される。文科省としても継続的に検討することが求められるというふうに、これらの成果を基に今後も検討していくという文科省の姿勢がここに明確に示されているということが非常にすばらしいなと思っています。常に変わりゆく中で、最善を求めて、国と地方が協力しながら柔軟に見直していくことができるというところが描かれている点、このメッセージが皆さんに伝わるといいなと思っているところです。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。それでは、木田委員、よろしくお願いいたします。
【木田委員】 木田でございます。よろしくお願いいたします。私からは3点申し上げたいと思います。
まず、4ページの18行目以降に示されております基本方針のことについてなんですが、「1人1台端末をはじめとする学校のICT環境は、これまでどおりの指導や学習を単に効率化するための付加的な整備ではなく、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実等を図る上で必要不可欠な学習基盤である」というふうな基本方針が示されております。ここが本ワーキンググループ内で協議をしてきたわけですけれども、非常にこれを明確にしたことが大変重要だと考えております。
例えばもし効率化の付加的な整備となりますと、考え方によっては、ICTじゃなくてもこちらの方が便利だし使いやすいからというふうな考えも成り立つわけです。そうなりますと、新たな環境整備に即した指導観や学習観に向けたマインドチェンジには、子供たちも先生方も学校現場もつながらないと思うわけでございます。
特に3ページから4ページにかけて、地域差の背景として示されております、「教師の指導力が児童生徒が主体的・対話的な学びに端末を活用する授業に十分転換されていない」というふうな課題については、その解決に向けて、この点において個別最適な学びと協働的な学びのためには必要不可欠であるといったようなことを、やはり素案において基本方針のほかにも随所に入れて強調すべきだろうとして考えております。
2点目に、14ページの5.8のICT支援に関してなんですけれども、ここに関してはもう先ほど多くの委員の方々がお話し申し上げましたのは、量的な支援の充実だけではなく、GIGAスクールが始まって既に5年目を迎えている学校や教職員の現状に加えて、書いてありますように、遠隔支援のツールの活用や様々な問題について触れている点というのは、各自治体における多様な支援方法を認めてもらえるとともに、現状に合った工夫を行う余地を残していただいたというふうなことを理解しております。
この項の最後、このICTの項の最後になんですが、望ましい事例等を文科省が示すとされておりますが、ここにICT支援員の支援の質の向上に向けた取組例、これは今申し上げたように、校務はともかく子供たちの学びに関しては、効率化のためのICT活用だということではなく、基本的には先ほど申し上げた個別最適な学びと協働的な学びのための活用だというふうなことを、ICT支援員あるいは自治体等が理解して支援に当たることができるよう、広域での研修等の望ましい事例、取組を示していくことが重要だろうと考えております。
3点目としましては、最後に、5.9のその他の件についてです。前回の会議でお話をいたしましたけれども、教育DXに係るKPIの方向性に示された学びの保障、これを実現するためには、希望する不登校児童生徒への授業配信等を学校側の負担を極力軽減し、なおかつ見る側も視聴しやすい、分かりやすい、そういったようなオンライン配信を実現するための機器が必要になってくるだろうと考えております。今学校にある機器を使ってもできないわけではありませんけれども、どうしても学校の負担が大きくなるのと、正直見にくいという部分がありますので、そういったことを考えて専用の機器をここの5.9のその他の中に対象として入れていただく、あるいはそれに関するツール等も入れていただくということも検討していただければと思うところでございます。
私からは以上でございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。お二人を通して何か事務局からありますか。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 では、私の方から総論的にコメントをしておきます。先ほど小髙委員からの御指摘にもあったところに通ずると思うんですけれども、やはりこれは基本的な方針でありますので、実際にそれをどういうふうに実現をしていくかというところは、こういう方針や基本的な考え方を受けた自治体がそれぞれの実情に応じてやっていくということでありますので、片山委員からも具体的に御指摘をいただいたように、例えば、これも前回議論ありましたけれども、次世代校務、あるいは校務系と学習系のネットワークを統合したとしても、それが一台化になる自治体もあれば、ならない自治体もあるというのはまさにそのとおりだと思いますので、こういったところはやはり基本的な考え方を示しつつ、一番最適なやり方はどういうところなのかというところを自治体で実現していただくというのが基本的な考え方なのかなと思っております。
それから、木田委員に一番最初に御指摘をいただいた4ページ目の20行目、22行目辺りのところでありますけれども、まさにここがこのワーキングの御議論の先生方の一番の思いというかポイントだったのではないかと私たちなりに理解をしておりますので、こういったところはしっかりと表現をさせていただいたつもりでございます。
それから、片山委員、木田委員からも、一番最後のその他のツールのところにもそれぞれ御指摘をいただきました。まさに木田委員からは、具体的な提案というか、具体的にこういったものを整備するのがよいのではないかというようなお話もございましたけれども、この一番最後に書きましたように、今、様々な自治体でいろいろな活用というものが進められておりますので、そしてまた非常に進化も速い分野でございますので、こういった点も踏まえて、また引き続き検討していく必要があるなと改めて感じた次第でございます。
以上でございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。それでは、中村委員、水谷委員、中川委員の順番でお願いいたします。中村委員、よろしくお願いします。
【中村委員】 中村です。よろしくお願いいたします。本当にこのように具体的に次の整備をする方針、それから、これからの学びのイメージというものが明確に出されることによって、学校現場、私も学校現場の教頭をしておりますけれども、どういった学びを進めなくちゃいけないのかという示唆を得られるような気がしておりまして、大変ありがたいなと思っております。
その上で私は、柴田委員の、具体的な授業の様子を文章に盛り込んでほしいという点と同様の視点になるかと思うんですが、特に協働的な学びについてもう少し印象を濃くするような表現があるといいなと思ったところです。なぜなら、このところ私もよく各自治体の支援に行かせていただいているんですけれども、ファーストGIGAにおける個別最適という言葉は非常に強く印象に残っております。私も、最初、ファーストGIGAのときは、1人1台端末、1人1台というメッセージとともに個別最適という印象がとても発信されたように思っております。
それで、学びが個別最適化されて、端末の活用の意義とか、持っていることのよさということが広まったと思うんですが、次のネクストGIGAのところに入るに当たっては、本当に先進自治体、特に水谷委員のところなんかもそうだと思うんですけれども、協働学習、つまり、クラウドのところで情報の共有だったり、交流だったり、それから、編集、再構築、それから、クリエイティブに作り直すというような具体的なこういう学習活動が行われることのよさが、クラウド・バイ・デフォルトというところにつながるんだということを本当に先進自治体がそれを証明してくれているなと感じています。
なかなかやっぱりクラウド活用のイメージがつかない自治体さんや学校は、そういった活用のよさをまだ感じられてないので、クラウド・バイ・デフォルトが何で必要なのか、クラウド活用のよさは何なのかとか、どうしても協働的な学びというのは昔からある言葉なので、どちらかというと対話とかそういうグループの形態とかという印象を持ってしまうのではないかと、ここは私の推察なんですけれども、思ってしまうところです。
いわゆるネクストGIGAにおける協働的な学びというのは、クラウド上における活発な対話という、本当に情報のやり取りということを目指すのであれば、そのイメージが伝わるような表現がこの中に盛り込まれていくと、なるほど、だから、クラウドなんだな、だから、ネットワークなんだなというところに一体的につながっていくのかなと感じたところです。
もちろんこの中にたくさん盛り込まれているのは分かっているんですね。例えば10ページだったり、15ページのその他の表現にも書かれているのはよく分かるところなんですが、この言葉で理解のできる人たちと、まだまだ違うイメージを持ってしまう方々とがいらっしゃるのではないかなと思ったので、もしより強く、次のネクストGIGAでは、クラウド・バイ・デフォルト、そして活発なクラウドを使った情報共有とかに強く印象が持っていけるような表現があるといいなと思ったのが1点です。
あと、二つ目です。予備機の部分のところは大変ありがたいです。予備機と具体的に書いていただいたところは大変ありがたかったなと思うところです。ここは今回この整備で本当にいいなと思うところなんですけれども、なかなか申し上げにくいところがあって、一応現状として事実をお伝えすると、つくば市は、流入してくるお子さんたちだけでも実は本当にもう15%を超えてきているんです。だから、端末の予備機を転入者用として15%整備してしまうと、それがもうあっという間になくなってしまうという状況にあります。
そういった意味でも、それだけでも整備ができることはとてもありがたいなと思うところなんですが、先ほど木田委員がおっしゃっていたような、例えば不登校児童生徒の遠隔用であったり、あと、つくば市なんかは今度、コードプログラミングとか高度な技術を要する学びをする端末というふうにもう1台別に必要な場合といったところの場面で端末はどうしていったらいいかなというようなことを少し考えたところです。
長くなりました。以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。ここで一つ回答しますか。大丈夫ですか。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 では、一つだけ、一つ目のところに少しコメントしますと、個別最適、そして協働的な学びの部分のところをもう少し強く出した方がいいんじゃないかということとして受け止めました。これは前回のネットワークの議論のときも申し上げましたかもしれませんけれども、確かにGIGAスクール構想のインフラ面でいうと、1人1台端末の方がイメージが先行するんですけれども、やっぱりGIGAスクール構想のインフラ面での肝は1人1台端末と高速ネットワーク通信、これがあって初めてGIGAスクールは完成するわけでありますけれども、それがなぜ必要かというと、今、中村委員が言われたように、それを使って個別最適かつ協働的な学びを同時に進めるんだと。これのためのインフラが1人1台と高速ネットワーク通信だということ、だからこそネットワークが大事だということを今回も書いているわけでありますけれども、今のようなところで、協働的な学びのイメージ、あるいはそういったところの重要性をもう少し出せれば、この方針全体を貫く考え方が表現できるのではないかなと聞いておりましたので、御意見を受け止めたいと思います。ありがとうございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。それでは、水谷委員、中川委員の順でお願いいたします。
【水谷委員】 水谷です。よろしくお願いいたします。基本的にはこれまで発言された委員の皆さんと変わりはないですが、4点、自分の考えをお話ししたいと思います。
GIGA以前のICT整備が違う状況で端末が入り、慌てて端末整備をした自治体と、段階的に進めてきて、先ほど話があったような拡大提示装置とかそういう時代からやってきたところでは、やはり学びが随分変わっています。当然、前の学びと今の学びの姿は違うのですけれども、やはり経験が随分生きているなと思っています。こういうものが出たときにどう読むか、まずその前提が随分違うと、受け止め方も違うと思います。
本県でも、第2期に向けて共同調達の関係で意識をそろえようということで協議会が始まっております。やはりこういう基本方針を説明するのですが、なかなか伝わりにくく、どうしても何を入れるかの議論の方に行ってしまいがちです。現場レベルでもそちらの方にやはり行きがちで、やはりこの基本方針をいかに伝えるかというところがすごく重要だと感じて、繰り返し繰り返し伝えるしかないなということで、それはもう県教委の担当者とそのような話をしながら進めているところです。
どうしても何を入れるかになってしまうので、ネットワークが最重要であるという部分がこれまたスルーされがちで、ネットワークがあって、そしてクラウド活用しないと、この基本方針の目指している学びができないというところが今すごく心配をしているところです。
こちらにはネットワークが最重要でいろいろ書いていただいています。クラウドの活用が大前提であるということなのですが、11ページの5行目から10行目にあるように、やはり規制を非常にされていたり、クラウドに対するイメージが随分違うところがあったりで、クラウド活用が重要だと言っても、そういうクラウド活用は駄目じゃないかというような質問がやはり出ます。
先週もリーディングDXスクールの公開学習会を担当させていただきましたが、前半はあえて校務DXが大事だよということで、学習、学びではなくて、校務をやって、それがうまくいったからという流れで会を進めたのですけれども、やはり最初の方の質問は、こういう情報は載せていいのかという質問が多数あり、普通にできるのですが、まだまだ誤解が多いなということを感じました。ですので、ネットワークが重要であって、それはクラウドのため、クラウドはそんな、皆さんが思っているものではないというようなところを、ここに書けないですが、伝えていく必要があると感じています。
次ですが、次世代校務に向けてということで三つポイントを出していただいています。前回の議論でも、教員用の端末の整備の在り方についてはいろいろな形があるということがここで議論がなされたと思います。注のところにもいっぱい書いていただいていますが、できれば、注も必要ですけれども、②辺りのところをもう少し書き込んでいただくことができればありがたいということを感じて、一言発言をさせていただきました。
最後に、ICT支援員のことですが、これも以前にも話題になりましたが、4校に1人ですが、実際にはどのぐらいの支援をしていただくのかということがやはり、なかなかこれは決めづらいところがあると思いますが、何かもう少し具体的に書けるといいなと思います。
加えてですが、自分は沖縄とか北海道の支援をアドバイザーとしてたくさんやらせていただいているのですが、そういうところの悩みとして、人材がいないということで、非常に条件をよくしないと確保ができないので、実際には予算を立てているけれどもなかなか厳しいし、今やっていただいている方も、同じ条件だとこの先続けてもらえないというようなことが悩みとしてあるということを伺いました。
なるほど、どこも人手不足、人材不足だという、特にこのICT関係のところは強くあると思いますけれども、ここには書けないとは思いますが、今後のいろいろな議論の中で、少し支援員さんが、支援員という言葉がいいのかどうかも含めて考えていただき、今後、学校が継続的にこの環境が利活用できる状況をどうしたら続けられるかという議論がこの先きっとあると思いますので、そういうときに考えていただけるとありがたいなと思って発言をさせていただきました。
いずれにしましても、これまでの議論を丁寧にまとめていただきまして、本当にありがとうございます。また少し要望もさせていただきましたので、御検討いただければと思います。
以上です。ありがとうございました。
【高橋主査】 ありがとうございました。中川委員、よろしくお願いします。
【中川委員】 中川です。事務局の皆様、これまでの議論をまとめていただいて、どうもありがとうございます。その上で2点あります。
2の成果と課題のところでも、3ページの15行目に授業改善は地方公共団体に格差があるという課題の御指摘があります。授業改善をしていく必要があるというところはもちろんなんですが、水谷委員もおっしゃったように、教員がクラウドをふだんからよく利用し便利だと感じるということが非常に重要で、ゆえに校務での利用というのが大事だよということが文章の中にも一部書かれてあるんですけれども、4ページの4行目に、保護者との連絡やアンケート、スケジュールに関しては5.5%と導入率が非常に低いという御指摘があります。
読み進めていって、今度4章になって、更新に向けた制度化になると、校務DXを計画的にやっていきましょう、少し先の見通しを持ってというか、いきなりフルクラウド化、確かにこれはおっしゃるとおりなんですけれども、できることはすぐにやるべきだなと思っていまして、戻って成果と課題のところ、4ページ辺りには、保護者との連絡、アンケート、スケジュールなんていうところは、いわゆる校務支援の専門的な、例えば成績処理とかというところとは別に、すぐに取り組めるところじゃないかなと思うんです。ただ、これが次世代校務DXというふうに割と壮大にまとめられると、それまで手をつけないようなところになってしまうんじゃないかなというのを大変心配しております。
ここは計画的に数年掛けてやっていくことと、すぐにできることを書き分けていただいて、これはすぐにやるべきだということを、基本方針で大きなことをおっしゃっているんですけれども、やはり教員が校務でクラウドを使い、便利だと感じて、アンケートを保護者にやったらすぐ返ってきて、まとめは簡単、これ、授業で使ってみようとか、そういった流れになるように、少し細かいんですが、踏み込んでいただけるとありがたいなと思って読んでおりました。
とはいえ、14ページの11行目で校務DXの部分に関しては、やっぱりこれがSaaSのサービスになってくると考えると、オンプレミスで教育委員会なり自治体にサーバーを設置していた頃とはやっぱりデータの持ち方や感覚が変わってくるというところがありますので、外部のベンダーさん、協力会社さんにデータを持ってもらう上で契約をどのように取り交わすのかということをしっかりと立て付けていって、契約を見ていかないといけないと。行政にいると契約書をしっかり読まないということはないんですが、SaaSのサービス、とりわけコンシューマーで使っていると、一般消費者で使っていると、飛ばしてしまうきらいがなくもないので、ここはもう一行一行しっかり読んで、データがどのように使われるのか、保護者や子供のデータを責任を持って我々は見ていかないといけないというところをしっかりお書きいただけるといいかなと思っておりました。これが1点目。
2点目は、すみません、これは大変細かい話になるんですが、12ページの7行目に充電装置について書かれています。持ち帰りも進んでいって、学校の充電保管庫とかそんなに、当初想定していたよりも持ち帰りをもっと進めていかないといけないし、進んでいる側面もあるので、新たな投資は必要ないかなと思う一方で、例えば私が見ている港区は、現在はiPadを使っているわけなんですが、iPadはGIGAの最初のときに入れたものだとライトニングケーブルでコネクタがあるんですけれども、ちょっと分からないですが、これから最新のもの、港区も何を採用するかまだ分からないですけれども、例えばiPadでいうと、タイプCのものがネクストGIGAではターゲットになってきているように思います。
Windowsパソコンも、例えばACアダプターのものはタイプCが標準になってきていたり、最低仕様のところでもタイプCを書いていただいていることを思うと、ある設備の有効な利活用って、買い直す必要はないと思うんですが、電源の少しやり繰り、ケーブルを替えるだけのようなところで装置が有効に使えるのであればということを、これは本文に書くようなことではないので、脚注の方にモバイルバッテリーのことが書いてあって、これは大変心強いんですけれども、そういったケーブルの変換等で利活用が十分可能なところはしっかり使っていけと書いていただくと、今の書きぶりだと、充電保管庫はもう何も投資しなくてよいし、財政の方からも、何もするなと書いていますよねというようなニュアンスに読めかねないので、少しそこを注で結構なので、入れていただけるといいかなと思って読んでおりました。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。お二人について何かコメントを。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 ありがとうございます。まず、水谷委員から一番最初に御指摘いただいたところですけれども、これはこの方針だけではなくて、ほかにも全部言えることだと思うんですけれども、やはりしっかり伝えていく、伝わりやすいものにするというのは、これは最も大事なことだと思いますので、この方針の中でも、表現で工夫できるところもあれば、あるいはこれが定まった後に我々が伝えていく場面で工夫していく部分もあると思いますので、その辺りしっかりと受け止めて、工夫をしたいと思います。
それから、水谷委員の二つ目の御指摘にありましたICT支援員のところは、この文で書くところではないのかもしれないけれどもという御指摘もございましたけれども、まさにこの本文で書いてありますように、今、様々、ICT支援員のいろいろな状況、いろいろな取組の蓄積は出てきておりますので、これとは別に一旦少し整理をしたいなと思っております。ここにそれを全部書けるという話ではないと思うんですけれども、この辺りのまた、ICT支援員あるいはICT支援体制の在り方の整理というところはまた別途の議論で少しやりたいなと思っております。そのときはまた御協力をいただくかもしれませんけれども、よろしくお願いしたいと思います。
それから、中川委員から御指摘をいただいたところは、まさに御指摘、そのとおりだなと思って今聞いておりました。この次世代校務DXのところは、やはりどうしてもシステムとかネットワークの統合とか、こういったところを中心に書いている部分がやっぱり強いので、そうするとやはり更新のタイミングとか、段階的にとか、自治体の状況に応じてとか、こういった話がどうしても強く出てしまって少し時間軸が長くなってしまうんですけれども、一方でできることからすぐやるというのは、これは我々も全くそのとおりだと思っています。我々の施策でいうと、年度末に出したチェックリストなんていうのはまさにできるところから始めようの一番分かりやすい例だと思いますので、少しそういうところも引用しながら、できるところからやるということと、システムの変更などで少し時間が掛かっていく、あるいは段階的になっていくというところが少し分かるように書く必要があったかなということはおっしゃるとおりだと思いました。
あと、一番最後に御指摘のあった充電保管庫のところも、実は脚注でそういう表現を込めたつもりだったんですけれども、若干伝わりにくいということであれば、少しこの表現を工夫したいなと思っております。これは、今の充電保管庫はもう役割を終えたよねということは、そういうつもりで書いたわけではなくて、やはり状況は変化をしているけれども、学校によって使い方はいろいろだよねというつもりで書いたつもりではあったんですけれども、若干そこが伝わっていないとすれば、もうちょっと表現の工夫があるのかなと思いました。
やっぱり学校によっては、モバイルバッテリーの整備が一番状況に合っているという学校もあるかもしれませんし、今まで整備してきたものに加えて、もう少し学校の保管体制を充実するというところが一番学校の体制に合うところもあるかもしれませんので、そういうところを脚注も含めて書いたつもりだったんですけれども、若干伝わりにくい表現になっていたかなと思いますので、そこはちょっと表現を工夫したいなと。御指摘のところは我々の問題意識と全くずれていないなと思って聞いておりました。ありがとうございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。最後に、堀田主査代理から。
【堀田主査代理】 堀田でございます。二つ申し上げます。
一つは、3ページの23行目辺りにこの利活用が十分に進んでいかない理由を幾つか挙げていただいております。私の認識もこれと全く同じで、本当にそれは課題だと思っています。これを受けて基本的な考え方が3ポツからずっと続くわけですけれども、だから導入する各自治体はどのように考えて、どのようにしなければならないか、あるいはしてはならないかみたいなことがもう少し明瞭にあってもいいのかなと感じました。何か雑駁な意見ですみませんが、自由度をある程度担保しながらも、それは違うよみたいなことがちゃんと読み取れるようにしなきゃいけないのかなと思います。
例えば先ほど水谷委員がおっしゃったように、セキュリティが大事だという余り、クラウドの利便性を損なうようなこととか、利用制限をしてしまったりしている例もあるし、この辺りのあんばいですね。あれも大事、これも大事と言うと、どれか一つだけを取り上げてほかのものをスポイルするような形になってはならないようにすることが大事なところかなと思いました。これが一つ目の意見です。
あと、二つ目の意見、これはこのワーキングだけの問題ではないと思うんですけれども、今は正直、ファーストGIGAがどんと入って、それからみんなで走り出していろいろな意味で確かに差が出ているんだけれども、ここから先セカンドGIGAは、それぞれの自治体のタイミングでそれぞれの自治体が自分たちの教育ビジョンを踏まえて入れていくんだと考えたときに、そういうことができるように教育課程の柔軟性みたいなものは国としては保障していかなければいけないと思うんです。それはこのワーキングの所掌ではないので、別にしっかり議論いただくこととして、この会議はデジタル学習基盤の特別委員会の下のワーキングですので、各自治体が自分の自治体の学びの保障みたいなことをちゃんと検討し、その上で明確な意思を持ってしっかり整備するのであれば、一定の整備の自由度がちゃんと保たれるように、それが読み取れるように書く必要があると思います。
GIGAの整備費用は国による補助ですので、全国どこでも同じようにできるようにする必要があるけれども、今回議論しているのは地財措置のものですので、地財措置は各自治体がある程度自由度を持って活用するための基礎的な財源だと考えれば、ある程度読める必要があると。例えば通信の安定化をちゃんとやらなきゃいけない自治体もあるかもしれないし、学習支援ツールで何かビジョンを持って使っているところもあるかもしれないし、教育データの利活用のためにシステムでちゃんとお金を使いたいんだみたいなところもあるかもしれないし、そういうところがビジョンを持ってやることが許されるような書き方を、書きぶりが難しいことは分かっているんですけれども、もうちょっとちゃんと読めるようにできればと思います。私もちょっと考えてみたいと思います。
意見は以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。
私からもいいですかね。私からも申し上げたいと思います。今、堀田主査代理からも、地財措置における整備を中心に今回取りまとめをしたんだということだったんですが、特に強く整備していかなきゃいけないとか、充実が重要だというのは、主にはネットワークの整備であり、指導者用の端末なのかなと思っております。ほかも全部そうですけれども、強く整備したいんですけれども、特にそこが課題になっているのかなと。
それと同時に、学習者用端末も含んだ、それらを支えるクラウド時代に合ったルールの整備ということが非常に重要かなと思います。今の状況だと、ブレーキとアクセルを同時に踏んでいるような自治体もあって、非常に現場に負担が掛かっているような古いルールで孤軍奮闘している先生方を見ると、本当に涙が出るというか、本当に悲惨な状況だなと思っております。とはいえ、こういった具体の部分は、各地域の慣れとか、進行の状況が違う、格差という言葉もありましたけれども、いろいろ取り組んでいる状況に差があると思いますので、各地域の判断による部分はものすごくあるのかなと。なので、ここではまずは理念をお示ししたということになるかなと思っています。
例えば、個別のアプリを一生懸命インストールして活用するんだと考えていらっしゃる地域もございますし、ブラウザを使ってIDとブラウザだけでパソコンを使えるんだというふうに、使っていくんだと考えているところもございますし、話題になっていましたけれども、紙ベースだったり、印刷ベース、さらに言うと、ファイルベース、こういったような古い活用の仕方だと、どうしても個別や協働に私はなりにくいと思っております。
標準的なツールを使って、URLとスクリーンベースで活用するというような、そういうようなGIGAスクール構想のもともとのフルクラウドで使っていくんだという理念に沿っていけば、僕は自然と個別と協働にいざなわれていく、その辺の新しいクラウド対応のアプリは基本的に個別と協働に働けるように出来ていますので、いざなわれていくと思いますし、大規模な災害においても、そういうふうにインストール不要だ、データもクラウドにあるという意味では非常に強いと思いますし、校務と授業で同じソフトを使って同じようにやっていくということで、操作の研修も減らしていく。今回研修のことはもちろん余り書かれていませんが、操作の研修も減らしていく。こういうような考え方なんだと思っております。
つまり、考え方が随分変わってきているなというところがあります。活用の仕方だけが変わっているわけじゃなくて、先ほど中川委員からもありましたけれども、契約の仕方や契約の考え方も変わってきているんだと考えております。これの取りまとめを見ると、具体的に何を何台みたいな、そういうような条件がないじゃないかとおっしゃる方もいるかもしれませんが、先ほど申し上げたとおり、進みがまちまちだということや、日進月歩であるということをそれぞれ考えていくと、そこまでは具体には書けないような状況もありますし、かつてやっていたみたいに、一杯条件を書いて、個別最適というか部分最適ですね、非常に部分最適に物を入れていっても、最終的に今回は、様々な状況の自治体がある中では、やはり物を入れただけになってしまう可能性があるかなと思います。
堀田主査代理もおっしゃっていたとおり、しっかりと各自治体でビジョンを持って、そこから具体の活用を考えて、導入時のみならず、しっかり活用時のこともイメージを持ちながら、勉強しながら整備していくということが、時代の変わり目として求められているのかなと思います。なので、ひょっとしたら、活用、そういうような事例みたいなこととしてお示しすることは十分に可能かもしれませんけれども、こういうところで縛りを持ってなかなか書くのは難しいのかななんて思いながら、いろいろな委員の先生のお話を伺っていたところになります。私からは以上になります。
では、事務局の方からいかがでしょうか。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 では、今の主査及び主査代理の最後のコメントに対してコメントをまずさせていただきたいと思います。お二人から総論的なコメントがあったかと思います。今、主査からおまとめいただいたように、個別具体に何をどれだけというところまでは十分表現できていないかもしれませんけれども、これは基本的な方針を書くものでそういう性格かなと思うんですが、しかし、堀田委員からも御指摘のあったように、これだけは必ずやるんだというようなそういったような方針、考え方、それがもう少し見えるような工夫があってもいいのかなとお二人の話を聞いて受け止めましたので、ここはまた少し主査、主査代理にも御指導を受けながら、ここは骨太の考え方でこれは外さずに、この下に各自治体のビジョンが実現できるようにみたいなそういった工夫ができないかと、ちょっとまた御指導いただきながら工夫してみたいなと思いました。
すみません、最後ちょっと総括的なコメントになりましたけれども、私からは以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。神谷さん、大丈夫ですか。
ありがとうございました。おおよそ皆さんからお一人1回ずつ御発言いただきましたけれども、最後に何か言い残したこととか、もう一言言いたいとか、そういうことはございますでしょうか。
では、木田委員、よろしくお願いいたします。
【木田委員】 すみません、簡単に1点だけ。これが地財の対象となるということを考えた場合に、私たちが自治体の立場で機器等を整備していく際に、地財の対象として、ここに載っているか、載ってないかというのが非常に重要なんですね。載っていないと、結局、載ってないから必要ないんじゃないのと国は見ているんじゃないかというふうにして言われるので、ここは非常にその辺は私たちもうまくハンドリングしていかないけないなと思ってはいるんですけれども、その中でデジタル教材に関しては、今回の中では、文科省が別途作成している教材整備指針との関係等に留意しつつと書いてあるんですけれども、結構今、子供たちが自分で自由進度とかで学習を進めていく際に、やはり自分の習熟度を確認するときにデジタル教材は非常に有効だったりするんですね。それを教師はどこまでできたかというのを把握できるので、そういった意味では非常に重要なんですけれども、こうやって、「教材整備指針との関係に留意しつつ」として書いてしまわれると、どこまで入れていいのかどうか分かりにくくなるので、この辺をもう少しちょっと早めに整理をしていただいて明示していただくとありがたいなと思うところでございます。
以上です。
【高橋主査】 ありがとうございました。続けて、柴田委員。
【柴田委員】 では、簡単に。参考資料2のことについてもよろしいですか。
【高橋主査】 はい。
【柴田委員】 こちらのポンチ絵というか、こういった図があると思うんですけれども、予算資料、獲得のためには、こういった資料は非常に説明しやすくてありがたいんですが、ここにちょっと加えていただきたいのは、先ほども申し上げたように、何のためにこういうICT環境を整備するのかというのをこの1枚の中にできれば盛り込んでいただきたいなと思います。そのためにこういう措置が必要でこういうふうにやっていくんだということと、あともう一つ、機器整備と同時に、学校現場に対しては授業改善をもっと進めてほしいというようなそういったメッセージを、せっかく文科省が出すので、そういった授業改善と機器整備は一体で進めるんだというようなメッセージを盛り込んだ1枚の絵にしていただけるとありがたいなと思います。
以上です。
【高橋主査】 では、お二人について何かございますか。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 ありがとうございます。木田委員から御指摘をいただいた点は大変重要な論点だと思います。今ここで関連するところ、この今回の取りまとめ素案で関連するところで言えば、今、木田委員から御指摘をいただいた、デジタル教材のところの環境をどう整理するかというところと、一番最後のその他のツールのところをどう整理するかという、ここの部分だと思いますけれども、これはいろいろな実態もありますし、教材として整備するものなのか、ICT環境として整備するものなのか、いろいろな議論も必要だと思います。しかし、今、木田委員から御指摘いただいたように、自治体の関係者から非常にこの整理が求められているということも事実だと思いますので、今の御意見を受け止めて、しっかりと対応していきたいと思います。
あと、最後に御指摘いただいた点、今の参考資料2で御指摘をいただいたところは、まさに今の地方財政措置のポンチ絵ということでありますけれども、これが将来的に今回この方針が出て、計画が出て、こういったものが出来ていくということにこれからなっていくということでありますけれども、最終的に今回のこういった資料を作るときには、今のところもしっかりと留意をしていきたいなと思っております。御意見ありがとうございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。ICT環境整備なのか、教材整備なのかという、その辺はなかなかこれまでの流れと関係があって、ここで話し合うというよりは、ひょっとしたら上の委員会だと思うんですけれども、上の委員会の主査の堀田委員、何か。
【堀田主査代理】 次回の会議で、7月12日にあるんですけれども、今回のこのワーキングの審議結果を中心に議論する予定になっています。ただ、今、リーディングDXスクールとかいろいろな形でネットワークの調査とかいろいろなものがデジタル学習基盤の整備として進んでいますので、そういうものの一つとして、デジタル教科書はどうあるべきかとか、デジタル教材をどうするかみたいなことが視野に入ってくると思います。それぞれ会議体で御報告いただける段階になるまでなかなか報告できないところもちょっとあったりしますが、視野には、射程には入っています。このワーキングでやるべきかどうか、書き込むべきかどうかは、またそういうところとの調整で決まると思います。ただ、趣旨はよく分かりました。ありがとうございます。
【高橋主査】 ありがとうございました。ほかに何かございますか。
ないようでしたら、おおよそ御意見が出揃ったかなと思います。今後の進め方でございますが、本日皆様からいただいた御意見につきましては、取りまとめ案文への反映を検討させていただきたいと思います。そして、修正した案文を、今後開催予定のデジタル学習基盤特別委員会に報告させていただき、そこでの御意見も踏まえながら、次回のワーキンググループ会合において取りまとめを行いたいと考えております。
本日いただいた御意見の案文への反映については、私に一任させていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【高橋主査】 ありがとうございます。次回ワーキンググループ会合において、デジタル学習基盤特別委員会でいただいた意見を踏まえた最終的な取りまとめの案文を皆様にお示ししたいと思います。
それでは最後に、次回の予定について、事務局から御説明をお願いいたします。
【神谷GIGAスクール基盤チームリーダー】 次回の本ワーキンググループの日程につきましては、追って事務局から御連絡をさせていただきます。
【高橋主査】 ありがとうございます。
それでは、本日予定した議事は全て終了いたしましたので、これにて閉会とさせていただきます。ありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局学校情報基盤・教材課