令和6年7月12日(金曜日) 10時00分~12時00分
文部科学省
※対面・WEB会議の併用(傍聴はWEB上のみ)
五十嵐委員、石井委員、植阪委員、梅嶋委員、緒方委員、神野委員、高橋委員、中島委員、中野委員、奈須委員、西端委員、平井委員、平田委員、藤村委員、堀田委員、森田委員、横尾委員(50音順)
望月初等中等教育局長、森大臣官房学習基盤審議官、寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー、神谷GIGAスクール基盤チームリーダー、黄地教科書課長、木村教育DX推進室長、渡辺学校デジタル化PTサブリーダー、稲葉教育DX推進室長補佐
中央教育審議会 初等中等教育分科会
デジタル学習基盤特別委員会(第4回)
令和6年7月12日
【堀田委員長】 おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから中央教育審議会初等中等教育分科会デジタル学習基盤特別委員会の第4回を開催いたします。本日は、御多忙の中、御出席いただきまして誠にありがとうございます。
議題に入ります前に、事務局に人事異動がございましたので、御紹介をお願いいたします。
【渡辺学校デジタル化PTサブリーダー】 ありがとうございます。事務局に人事異動がございましたので、御紹介させていただきます。
本日遅れての出席予定でございますが、7月11日付けで、初等中等教育局長に望月、学習基盤審議官に森が着任しております。
また、4月1日付けで、学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダーの寺島が着任しております。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 寺島でございます。よろしくお願いします。
【渡辺学校デジタル化PTサブリーダー】 また、7月11日付けで、総合教育政策局参事官(調査企画担当)教育DX推進室長の木村が着任しております。
【木村教育DX推進室長】 どうぞよろしくお願いします。
【渡辺学校デジタル化PTサブリーダー】 以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
続きまして、本日の会議開催方式及び資料につきまして、事務局より御説明をお願いします。
【渡辺学校デジタル化PTサブリーダー】 本会議は、前回までと同様、対面とオンラインのハイブリッド方式にて開催させていただきます。つきましては、ウェブ会議を円滑に行う観点から、大変恐れ入りますが、御発言時以外はマイクをミュートにしていただくようお願いいたします。カメラにつきましては、御発言時以外も含めまして、会議中はオンにしていただきますようお願いいたします。委員の皆様におかれましては、何とぞ御理解のほどよろしくお願いいたします。
続きまして、資料の確認をさせていただきます。本日の資料は、議事次第にございますとおり、資料1から資料4まで、参考資料が1から3までとなってございます。御不明点等がございましたら、お申しつけください。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
それでは、議題に入りたいと思います。本日の議題でございますが、議事次第にございますように、議題(1)から(4)までございます。1つ目は、デジタル教科書推進ワーキンググループの設置についてお諮りいたします。2つ目は、GIGAスクール構想に係る最近の動向につきまして御報告をいただきます。3つ目は、次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ、これは私どものこの特別委員会の下に設置されているワーキンググループですが、そこでの議論の状況につきまして御報告いただき、審議したいと思っております。その他には少しありますが、また後ほど申し上げます。
なお、本日は、報道関係者と一般の方向けに、本会議の模様をZoomウェビナーによって配信しておりますので、御承知おきください。
それでは、本日の議題に入ります。まずは、議題(1)のデジタル教科書推進ワーキンググループの設置についてでございます。
まずは、事務局より資料の説明をお願いいたします。
【黄地教科書課長】 教科書課長でございます。資料1-1を御覧ください。
本日、もし本委員会で決定いただけるのであれば、デジタル教科書推進ワーキンググループの設置をお願いできればと考えております。
1ポツの設置目的にございますように、令和元年度から紙の教科書の代替の教材として、デジタル教科書が制度化されてございます。また、その後、令和3年度から実証事業、さらに令和6年度から本格導入ということで、国からデジタル教科書を提供しながら、さらにはICT環境の整備、あるいは、その標準仕様書、ガイドライン、事例集整備、こうしたものと相まって、デジタル教科書の活用が進んできているという状況でございます。
一方、次の学習指導要領の検討ですとか、GIGAスクールの構想第2期を見据えながら、さらにこうした動きを進めるために、デジタル教科書の効果や影響を検証しながら、学びの充実の観点から、その在り方、推進方策について検討審議することが必要と考えられます。
このため、この特別委員会の下に、「デジタル教科書推進ワーキンググループ」を設置いただければと考えております。
主な検討事項として想定されますのが、一つは、現在あるデジタル教科書の在り方と推進方策についてでございます。また、こうした検討の中で、制度的な位置づけについても御議論いただければと考えております。また、その他として関連する論点もあれば、幅広く御議論頂戴できればと考えております。
続きまして、資料1-2を御覧ください。
こちらも、今御説明したのとほぼ同じ内容でございますが、この運営規則第2条に基づきまして、本特別委員会の下に次の審議組織を設置するということで、デジタル教科書推進ワーキンググループの所掌事務とともに、その内容について決定いただくというものでございます。
説明は以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
ただいま事務局より御説明がありましたが、次の学習指導要領の検討が間もなく始まると想定されておりまして、また、GIGAスクール構想の第2期が始まるところでございます。児童生徒の学びの充実の観点から、デジタル教科書の在り方や推進方策について、より専門的に今日における推進を検討する必要があるということでございます。
デジタル教科書そのものの議論につきましては、文部科学省においては、教科書課の設置した形の会議体でずっと進めてまいりましたが、今回は、中教審のデジタル学習基盤特別委員会の下にワーキンググループとして、このデジタル教科書の推進、在り方の検討を進めるため、これを設置するということになります。
これにつきまして、私どもの特別委員会の下にこのワーキンググループを設けるということについて、御意見ある方いらっしゃいますでしょうか。
それでは、異議なしということで設置をお認めいただいたということでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
【堀田委員長】 ありがとうございます。
それでは、この議論の状況につきましては、特別委員会に随時御報告をいただく形とさせていただきたいと思います。
また、ワーキンググループの委員につきましては、これは参考資料にあるとおり、私どもの特別委員会運営規則の第2条の2に、委員は、委員長が指名するというふうに書いておりますので、文部科学省と御相談しながら、適切な委員の指名をさせていただきたいと思います。私に一任させていただくことになりますが、よろしくお願いいたします。
それでは、続きまして、議題(2)ですが、その前にコメントでしょうか。
どうぞ。
【横尾委員】 関連ですけれども、実は、デジタル教科書については、これまでいろいろな御苦労があったとききます。例えば、歴史など様々な資料を示すときに、写真が利用されていますが、著作権の問題があり、画面表示が全面グレーになったり見えなかったりということが多々あったと聞きました。
ほかの分野がどうなっているか、子細まで私は把握していませんが、可能であるならば、国として教育に非常に力を入れていくのだということを示して、例えば、法律でやるとかなりタイトになるのですが、公教育に関するそういったデータや資料については公にするということを前提に、著作権に関しての様々な議論、コスト等々、もっと改革をしていただけないかという希望を持っています。
これは現場が大変困られたからです。教職の現場はもちろんです。そして、教科書を作る方々ももちろんです。デジタル教科書を作っている方々もそうです。
それが最初、ボトルネックになってなかなか進まなかったものですから、そういったことも含めた議論も可能ならばしていただいたらどうでしょうか。いや、そこまでやったら無茶じゃないかという意見が出るかもしれませんが、そのときは、そういった姿勢で、国として教育充実のために、このデジタル社会の中の教育のために必要だからということで、協力を求めてそこを緩和するなど、そういったこともぜひ議論をしていただくとありがたいなと思っています。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。御要望いただいたというふうに承りたいと思います。
【藤村委員】 もう一点、よろしいでしょうか。
デジタル教科書には大変期待しております。一つお願いがございます。といいますのは、従来、秋田などの教育先進地域で、そういった探究的な学びをやっているところでは、教科書を冒頭から使えないという問題がございました。それはなぜかというと、学習課題として教師側が提示してしまうことで、子供が変化による予想困難な時代に必要とされる問題発見能力の育成ができない、夢中になって探究することができないという課題がございました。デジタルであれば、内容的には一緒でも、見せ方次第で問題発見場面と、探究するときの流れも、例えば、算数、数学、理科を例にすると分かりやすいのですが、問題はあるけど、解き方や実験方法も全部出ていて、答えや実験結果まで出ているというのが見えてしまうという問題点があると思います。デジタルだと、そこを恐らくコントロールして、複線型の流れにもできるという、標準モデルアプローチの教科書設計から個別最適アプローチ、そして、問題発見・解決学習を実現するデジタル教科書に、ということを留意していただければすばらしいものになるかなと思いますので、御要望として伝えさせていただきます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
それでは、設置するということで、先に進めさせていただきます。
続きまして、議題(2)でございます。GIGAスクール構想に係る最近の動向について、事務局より御説明をお願いいたします。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 ありがとうございます。学校情報基盤・教材課長の寺島でございます。私からは、資料2-1、資料2-2に基づいて、最近のGIGAスクール構想推進に向けた取組について、特に利活用の促進に向けた伴走支援と、最近大きな課題として捉えておりますネットワークの問題、この点を中心に御説明をさせていただきます。
まず、資料2-1からでございます。1ページ目に少しまとめて書いておりますが、これまでの成果ということで、1に書いてありますように、世界に先駆けて僅か一、二年で整備が完了したということでございます。このくらいの規模で、しかも僅かこの短期間で整備が完了したという国はほかにも例がないということでございまして、先般、我が国で行われたG7の教育大臣会合などでもかなり注目が集まっているということでございます。
そして、2にございますように、7割から8割の校長がこの端末の効果を認識するなど、徐々に効果も現れ始めているというところでございます。
一方で、2に書いてございますように、幾つか課題にも直面していると認識しております。例えば、2の1、地域や学校間で大きな端末活用の格差が出始めているのではないか。全国の約9割の学校では週3回以上授業で活用するということで、活用自体はかなり進んできている一方で、その活用の仕方に自治体の中での格差があるのではないか、あるいは、活用方法に学校間や自治体の格差が出始めているのではないか、こういったところに問題意識を持っているというところです。
それから、2でございますけれども、第1期のGIGA端末整備をしてから、もう間もなく4年から5年がたつというところになってまいりました。いよいよ今度は端末の更新の時期というところに来ておりますので、この端末の更新を確実に行っていくということが一つの課題でございます。
それから、冒頭申し上げたように、学校のネットワークの状況、ここに課題があるのではないかということが見え始めておりますので、これは別資料で細かく説明したいと思います。
まずは、この利活用をいかに促進していくかということで、伴走支援について御紹介したいと思います。次のページお願いします。
この2ページにありますように、私ども、リーディングDXスクール事業という予算事業を展開しておるところでございます。左下の赤いところにありますように、リーディング指定校ということで、256校の学校を指定して、今、様々な実践を創出していただいているところでございます。
少し字が小さくて恐縮ですけれども、この左下の赤い囲みのところの真ん中あたり、GIGA端末・クラウド環境を活用し、端末の日常使いを一層推進というふうに書いてありますけれども、この事業の特徴は、GIGA端末の標準仕様でもってできること、そして、クラウド環境を十分に活用してできること、こういったことで、「個別最適な学び」、「協働的な学び」の一体的な充実のためにどういった取組があるのか、事例を様々創出しているところでございます。この指定校では、学習会や、あるいは、指定校同士がお互いに行き来をして学び合う機会も常に進めておりまして、こういった指定校の事業を通して様々な事例を創出し、そして、これを横展開していくといったところに取り組んでいるところです。
あわせて、生成AIのパイロット校ということで、生成AIを活用した教育活動の充実、あるいは、校務での活用の仕方といったことについても、今、様々な事例を創出しておるというところです。
それから、次のページを御覧ください。3ページ目、学校DX戦略アドバイザー事業でございます。これは1番にございますように、自治体や教育委員会からの直接の相談、直接のお問合せに対応して、そのお求めになっている分野での専門家を国が直接派遣をする、そして、アドバイス、助言をするという事業でございます。現在、150名を超える方にアドバイザーになっていただいておりまして、様々な分野からのアドバイザーを選任しておりますので、自治体や教育委員会の御要望に応じて、例えば、どのように端末を授業で使うかということから、ネットワークの問題をどうしたらいいかということ、そういった様々な要望に応じて専門家を派遣しているという事業をやっております。これがアドバイザー事業です。
次のページでございますけれども、私ども文部科学省の中に、「GIGA StuDX推進チーム」というチームを設けておりまして、先ほどのリーディングDXスクールでの事業の発信を中心に、様々な取組をしているところです。その取組の一つとして、このGIGA StuDX推進チームが直接、各教育委員会や、あるいは、校内研修のお手伝いをします、という事業も今やっておるところでございます。昨年度の実績では130回にわたる研修をお手伝いしてまいりましたけれども、令和6年度も引き続きこの取組を進めておるところでございます。
本当に小さい規模ですと、個別の学校の校内研修、15分、20分というところの研修のお手伝いもやっておりますので、ここに連絡先等々も書いておりますので、ぜひこういった研修に私どものチームを御活用いただきたいと思っております。
次のページをお願いします。この「GIGA StuDX Style」という特設のホームページを設けています。ここでは、各教科での活用事例、あるいは、教科横断的な学習での取組事例等々、様々な情報を一元的にこのホームページで発信しています。
先ほどの研修の依頼、あるいは、学校DX戦略アドバイザーの依頼等々、様々な情報を一元的に載せておりますので、ぜひこのページを御覧いただければと思います。
次のページでありますけれども、GIGAスクール構想の授業動画ということで、小学校編、中学校編、高等学校編、それから、特別支援学校編、様々動画でも御紹介をしています。それぞれ15分から20分程度のコンパクトな動画を載せておりますけれども、さらに数分のダイジェスト版ということも御紹介しておりますので、この端末で学校がどういうふうに変わっているのか、どういった授業が行われているのかということについて、ぜひこういった動画でも御確認いただき、参考にしていただければと思っております。
次のページを御覧ください。こういった学習指導の場面での資料に加えて、やはり校務DXにもこれは大変重要な課題だと思っておりまして、私ども、はこれも同時に進めたいと思っております。
校務DXに関しましては、昨年度の主な取組ということで、次世代校務DXのモデルを創出する事業として、幾つかの都道府県にお願いして、ロケーションフリーでの校務実施、あるいは、ダッシュボード上での各種データの可視化等々のシステムを構築していただいているモデル事業を実施しているところでございます。
それから、3つ目の丸にございますように、システムや帳票の統一化に関する調査や、それぞれの学校にチェックリストでチェックしていただきまして、そういった自己点検結果の公表にも取り組んでいるところです。
一番下の矢印の下でございますけれども、令和5年度までの取組を踏まえ、今年度以降、さらにこの実証事業によって引き続きモデルケースを創出していくこと、チェックリストに基づく自己点検結果について、さらにフォローアップしていくということ、それから、教育情報セキュリティポリシーの策定、改定等々も進めているところです。
次のページをお願いします。今申し上げました校務DXのチェックリストでございますけれども、これは一部抜粋して項目を載せておりますけれども、このほかにも様々な項目について自己点検をしていただいております。
一部ここで御紹介しておりますが、取組が進んできている部分もございます。例えば、下から3つ目、下から2つ目への辺りでは青い部分が多くなっておりますけれども、職員間の情報共有や連絡にクラウドサービスを取り入れている、あるいは、職員会議等でペーパーレス化を進めている。こういった部分は一部進んできているところはありますけれども、ほかの項目ではまだまだ赤い部分が多いということも現状でございます。
こういったチェックリストを定期的にフォローアップすることで、各学校の取組を促していきたいと思っておりますし、それから、こういった取組には学校間の差というのが非常に大きくございます。学校によっては、かなりの項目で100%に近いことをやっている学校がある一方で、ほとんどの項目で数%以下というような学校もございます。これは先ほどの学習での利活用の格差も同じでありますが、こういったところを、ぜひ全体を引き上げる取組を徹底していきたいと思っております。
それから、少しMEXCBTの御紹介をしたいと思います。文科省では、1人1台端末で活用できるCBTシステムとして、MEXCBTを運用しているところでございます。現在、約4万問の問題が登載されており、全国の学校で、授業の場面や、宿題の場面で無償で活用することができます。
また、このMEXCBTは、全国学力・学習状況調査での活用も進めておりまして、令和5年度は、中学校英語の「話すこと」の調査で活用したほか、来年度は中学校理科の調査での活用も予定されておりますし、先日、全国学力・学習状況調査の専門家会議でも御提案がありましたけれども、令和9年度以降は全面的にこのMEXCBTを活用したCBTに移行してはどうかというような提案もなされているところでございます。
10ページ目をお願いいたします。地方自治体独自で学力調査を行っている自治体もたくさんありますけれども、こういった自治体においてもMEXCBTを活用いただいている状況でございます。MEXCBTを活用すれば、自治体がそれぞれにCBTシステムを構築することなく学力調査をCBTに移行できるということで、こういった活用も広がっているところでございます。
次のページをお願いします。自治体からは、デジタル化が進む中で、データ分析・活用を行って、よりよい教育につなげたいという声も上がっているところでございます。文部科学省では、自治体がデータ活用を進めるに当たって、ダッシュボードの作成の伴走支援、技術的支援、あるいは自治体間のダッシュボードの共有の仕組みをつくることにより、国全体としてデータ活用の取組を進めているところでございます。
12ページをお願いいたします。この資料の最後でございますけれども、デジタルの活用は非常に価値のあるものでございますけれども、教育データを取り扱っていく上では、個人情報の保護、あるいは、プライバシーの観点からの不安の声がございます。そのため、文科省では、個人情報などについて留意すべき点をまとめた教育データの利活用に係る留意事項を公表しているところでございます。
令和6年3月には、より実務に沿った形でデータの保護を行っていただけるよう、手順編、事例編を追加したほか、5月には説明会を行うなど、その必要性、あるいは、自治体がそれぞれやるべきことについて丁寧にお伝えをしているところでございます。
それでは、残りの時間をいただきまして、資料2-2、ネットワークの現状について、簡単に御報告を申し上げます。
1ページおめくりいただきまして、昨年度、令和5年の11月から12月にかけて、全ての公立小・中・高等学校において、実際にGIGA端末における通信速度の調査をいたしました。
2ページ目をお願いします。この通信速度を測定していただきましたけれども、それと同時に、この上の囲みの1つ目の丸にございますように、端末を十分に活用している授業は実際に200以上の授業になりましたけれども、200以上の授業の場面に実際に我々は行きまして、そこでどういうデータの流れがあるかということを実際に測ってまいりました。そういった実測データを基に、学校規模ごとに1校当たりどれくらいの帯域の目安が必要なのかということをシミュレーションいたしました。
その結果が左下のオレンジ色の表になっているところでございますけれども、学校規模ごとに、これぐらいの帯域・スピードは当面必要だろうということをまずは設定しました。
これの考え方でございますけれども、右側に、緑のところで写真も交えて少し書いていますが、例えば、1年1組から3年2組まで全6クラスのA中学校で、1時間目に1年1組から3年2組まで何らか一斉にネットワークにアクセスしているといった状況を想定いたしまして、こういった状況でもネットワークを原因として授業に支障がないという水準を、当面の推奨帯域ということで設定したということでございます。
次のページをお願いします。このオレンジの当面の推奨帯域に対して、先ほど申し上げました実際に測ってみた結果は、全国でこの当面の推奨帯域を満たした学校は約2割にとどまっていたという結果でございました。
そして、これを学校規模別に見ますと、上が学校規模が小さい学校、下が学校規模が大きい学校でありますけれども、学校規模が大きくなるほど、これを満たした学校の割合が少なくなるという結果でございました。
これはある意味当然の結果でありますけれども、先ほど申し上げたように、全員が一斉にアクセスするという場面を想定しておりますので、学校規模が大きい学校であれば、当然必要な帯域は大きくなる、それに対して整備が十分でないという結果が分かったということでございます。
次のページをお願いします。当面の推奨帯域は、先ほど申し上げたように、ある時間に全員が一斉にアクセスするという状況を想定しておりますので、現在の使い方では、これが直ちに全く動かないとか、物すごく困っているという状況になっていないかもしれませんけれども、先ほど申し上げたような学力調査のCBT化でありますとか、あるいは、今日の議題1であったようなデジタル教科書、あるいは、今、端末の利活用がどんどん進んできてまいりましたけれども、こういったことがどんどん進んでいくときには、必ずこのネットワークの容量が十分ではないということが課題になると思っています。これを何とか今のうちに解消したいということで、この課題1から課題3、対応1から対応3というところで、今、取組を進めているところでございます。
課題1のところにございますように、このネットワークのスピードが十分でない原因というのは様々ございます。もしかしたら学校の機器の設定の問題かもしれませんし、機器が古いかもしれませんし、あるいは、通信契約そのものが十分になっていないという問題もあるかもしれません。まずは、どこに問題があるのかということを特定していただくことが必要だろうと思っておりますので、アセスメントをしっかりやっていこうということが課題1、対応1ということです。
そして、課題2は、通信契約の内容が十分なものになっていないのではないかということでございます。次のページ、真ん中の囲みにございますように、自治体によっては、非常にうまく調達して、安価でありながら十分な速度が出ているネットワーク回線の契約をしている場合もございます。そういった事例をどんどん展開していきたいと思いますし、2つ目のところにありますように、当面必要となる帯域ということを示しましたので、今、各通信事業者さんの間でも様々なサービスを出していただくという動きをお願いしているところでございます。様々なサービスが出てくることによって、自治体は、その中から適切なサービスを選ぶことができるということになろうと思っておりますので、ぜひ、これは通信事業者と一緒になって、いろんなサービスを出していただくということもやっていきたいと思っております。それから、必要な財政支援についても検討していきたいと思っております。
最後、やはりどうしてもこういったことには専門性が必要でございますので、自治体の専門性を向上するために、ガイドブックなどを私ども提示いたしまして、自治体の皆さんの専門性向上に取り組んでいるところでございます。
いずれにしても、このネットワークの改善というのは非常に大きな課題として捉えておりますので、ここは早急に取り組んでいきたいと考えてございます。
時間を少しオーバーしてしまいましたが、以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
ただいまの事務局からの説明に対しまして、皆様で意見交換をしたいと思います。時間は15分ぐらいでしょうか。御発言の方は挙手ボタンをお願いしたいと思います。
なお、一応付け加えておきますと、今御紹介いただきましたように、GIGAの端末の学習場面での活用支援、これによって令和の日本型学校教育で期待されている学びを実現しようということを後方支援するという考え方と、あるいは、校務DX等で先生方の働き方のところをバックアップしようということ、教育データの利活用でエビデンスベーストでいろいろな教育施策を進めていこうということの支援をしていこうということ、あるいは、デジタル教科書については、先ほど設置されましたが、ワーキングが動きますし、CBTの学力調査も大幅に移っていきますので、それらが確実に利活用できるような、デジタル学習基盤をきちんと整えていくためのネットワーク環境をどうするかというようなこと、多岐にわたりますが、全部これは次なる学習環境に向けた整備・活用・促進の部分でございますので、そういう観点で御意見をいただければと思う次第でございます。
それでは、今挙手いただいている方々にはお話しいただきたいと思いますが、時間がタイトでございますので、恐縮ですが、手短にお願いしたいと思います。
まずは森田委員、平井委員、石井委員の順番で参ります。お願いいたします。
【森田委員】 森田です。よろしくお願いします。
本当に様々な資料の提供などがあって、学校では助かっているとは思いますが、今、一番感じるのは、校内研修などを行うときのリーダーの育成面で課題を感じます。リーダーが、そのいろんな材料をどう生かして学校の向上につなげていくかというところの体制がまだ不十分なのではないかと。ですから、やはりリーダーとしてどのように研修を進めたらよいのか、学校内のコミュニティをどうつくっていったらよいのかなど、そういった面での働きかけ、支援があると、もう少し進みがよくなるのではないかなというようなことを考えています。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
平井委員、お願いいたします。
【平井委員】 平井でございます。よろしくお願いします。
私、事業デザインというソフト面と、それから、環境面で通信環境という面でのハード面の2つのことでお話ししたいと思います。
まず環境について、先ほどの説明にもありましたが、通信環境のアセスメントというのがまだまだできていないなというところが非常に大きな課題だと考えています。先ほど当面の帯域数という話をされていました。「当面の」というところがポイントだと思うんですよね。この後活用がどんなふうに進んでいくかによって、推奨帯域がどんどん変化していくということを想定して自治体は考えていなければならないので、これ、本当に5年後どうなるかという話になってしまうと思うんですね。そういったところを踏まえて、ここら辺の指標というものを出していくことが大切です。そうでないと、今現在の推奨帯域でいいんじゃないかとなっても困るというところがあります。
それから、帯域数だけではなく、自分がやってみての経験ですが、セッション数というのが結構大きく、トラブルの原因がセッション数にあったりするケースをすごく感じておりますので、そこら辺のところがアセスメントの中できちんと見てもらうことが大事だと思っております。
それから、授業のデザインのソフト面について、端末を活用しているところは結構増えてきましたが、相変わらず従来型の授業というか、教師主導の授業の中での活用にとどまっているケースがあります。では、何のために端末を入れたのかというと、授業、学びを変えるためにやったわけですから、量的な活用から質的な活用の変化につなげるような何か仕掛けというものが、これからの中で求められると考えております。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
それでは、石井委員、お願いいたします。
【石井委員】 よろしくお願いいたします。石井です。
まず、1人1台端末の活用が全国でどこの地域・学校でもどんどん進んでいかなければいけないということが大前提だと考えております。その中で、今回この伴走支援の取組を一つにまとめていただいたということ、非常に効果があると感じております。
自治体は、これまでどうしたらいいかというところを日々考えながら進めてきています。実は今日も、この後、ある自治体の端末更新のアドバイスをすることになっておりますが、先生方は日々活用されていて、日常化もしてきている、頑張ってきている。ただ、委員会、自治体の担当者がどんどん入れ替わるということで、担当者はこの後どのように方針を定め、更新を進めていったらいいのかというところを大変悩んでおられます。また、更にこの後、校務支援システムの更新を控えていて自治体が非常に危機感を持っているということです。しかし、逆に、その危機感を未だ持っていないという自治体があるというのも事実です。そのような自治体へ伴走支援の取組があることが周知できればよいと強く感じております。
また、デジタル教科書の活用ですが、現在、音楽の授業を持っておりまして、毎日デジタル教科書を活用しています。これまで指導者がたくさん準備をしなければいけなかったものも、実は、Chromebook等の指導者用端末を1台持っていくだけで授業ができるということで、非常に準備の時間が削減されていることを日々実感しております。
このようにデジタル教科書やCBTを使っての端末活用、クラウドの活用を考えたネットワークアセスメントを基盤としたネクストGIGAに向けての準備が重要であることをしっかりと自治体に伝え、サポートしていく必要がありますので、このような資料をどんどんPRしていき、全ての自治体の活用・普及が進んでいけばいいなと思っております。
ありがとうございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
この後は平田委員、西端委員、中野委員の順番でお願いしたいと思います。平田委員、お願いします。
【平田委員】 お世話になります。ありがとうございます。
2つございます。1つ目が、広域自治体の立場からの意見です。市町村や学校間のばらつきというのはどうしても出ます。例えば、今後、都道府県ごとに校務支援システム等を整えていきます。その際に、システムの標準化が必要だと思います。そうしないと都道府県ごとばらばらになってしまって、次のシステムのつくりにくさがおこるので、今の時点で国レベルでのアーキテクチャの統一や一定の基準の提示が必要であると思います。
2つ目が、都道府県や市町村が足並みをそろえて環境整備を推進できる制度設計があるといいと思います。例えば、残念ながら、市町村によっては、大型提示装置が一台も整備されていないところもあります。周辺装置や、ネットワークアセスメントについても、やはり端末活用が進んでいないと困り感がないため、なかなか需要の実感が湧かないということもあります。そのため、例えば公立学校の端末整備のように、都道府県・市町村が一体となって取り組めるスキームがあるといいと思います。
関連して、国からいろいろ支援いただき、非常にありがたいと思う一方で、例えば地財措置のような形であると財政が豊かで、地方交付税交付金の措置が少ない大きな市で首長の御理解がいただけない場合、デジタル基盤の整備の体制づくりが遅れてしまうということがあります。
また、都道府県費でやろうと思っても、市町村の支援はなかなか都道府県の財政当局の理解が得られにくいため、自治体の財政当局の理解が得やすい補助金の支援を前提に、できるだけ補助率を上げていただけると非常に助かると思います。
以上です。よろしくお願いします。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
西端委員、お願いいたします。
【西端委員】 失礼いたします。私は、デジタル教科書とMEXCBTに関連して、一つ意見を述べさせていただきます。
私どもの研究室では公立高校の入試問題について調べています。御存じのとおり、紙ベースでございまして、情報のレイアウトも都道府県によってまだばらばらで、非常に読みにくいところも正直なきにしもあらずというところです。
これだけデジタル環境が整ってきておりますので、義務教育が終わって最初のハードルの一つではございますので、先ほど平田委員のおっしゃったとおり、都道府県に任されているところではございますが、やはり統一しないと、ここはどう、ここはどうとなってくるのも子供たちの不利益になりますので、ぜひ次の一歩というか、出口のところも考えていただければと思う次第でございます。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
中野委員、お願いいたします。
【中野委員】 NHK、中野でございます。私からは、ネットワーク環境に関わりまして御意見を述べさせていただこうと思います。
NHK for Schoolの動画をストレスなく見るためには、0.7Mbpsということで皆さんにお伝えしていますが、やはり今でも、全ての児童が自分の端末で個別に見ると通信が厳しいというお声がNHKにも届いております。NHK for Schoolだけでなく、学習クラウドにつないで、さらにほかのデジタル教材も使っていく中で、やはりまだ児童が自由に教材を選んで学習していくという姿に、先生の意思があっても難しいというような声も聞き及んでおりますので、伴走支援も含め、ネットワークに関しては、自治体にしっかり危機感、課題意識を持ってもらって、必要な支援の受け方もしっかり開示し、確実に実行していただかないと、この先の学びが進まないなと思っております。
さらに言いますと、教室はよくても体育館、運動場、特別教室といったところの環境についても引き続き測定をお願いできると、いろいろな学びが広がるのではないかと思います。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
それでは、この後、五十嵐委員、横尾委員、中島委員の順番で御指名いたします。五十嵐委員、お願いいたします。
【五十嵐委員】 ありがとうございます。私の立場としましては、ICT支援員という立場でお話をさせていただければと思っております。
頂きました資料の中に本当に分かりやすいことがたくさん載っておりまして、特に私たち支援をする人間としては、とても方向性が分かりやすいと思っております。ありがとうございます。
その中で、まずMEXCBTに関しては、正直な話、本当に学調のために使うというふうには思っていますが、せっかくたくさんの問題があるのに、日常使いができているかと言ったら、そこまでいっていないところがまだまだたくさんございます。そうしたところに、やはり私たちのような支援員のような外から入ってくる人間が、しっかりとこの部分を勉強した上で、先生方にお勧めをするということはすごく必要なことではないかと思っております。
その証拠に、結局、ICT支援員は有識者等という立場ではないので、先生の普段の姿を見ることができる立ち位置なので、端末を活用しているかどうかが分かる位置にございます。なので、私たちも、先生方やその自治体に、文科省のほうからMEXCBTの研修とかいうのは周知されているのですが、ICT支援員になるべく早くこの知識をいただいて、外から、「こういうのがあるんですよ、例えば学調をやるときはこういうことに注意が必要ですよ」など注意喚起ができたり、普段から使いましょうと言えたりすると、全然違うと思います。なので、ぜひ私たちも支援の仲間として有効利用していただくために、私たちに研修をするチャンスをいただければと思っております。
同じ意味で、デジタル教科書も同じです。4月にデジタル教科書は配られました。私が個人的な調査をした結果、かなりの比率でICT支援員がこの登録作業をお手伝いしております。学校から送られてきたメールや資料がとても多く、それを最初から読むことになるのですが、ある程度知識のある支援員なら良いのですが、知識がなくよく分からないのに、急に始まることになるので、マニュアルを読む力がないと非常につらい4月になったとのことです。先生方の御負担と、それから、子供たちがすぐに使えるようにするためにも、私たちICT支援員にも情報が欲しいです。
文科省のアドバイザー事業の資料の一番下にICT人材確保のための事業者等の紹介などもございますが、これが把握できているのであれば、ここに、こういうことをやるよという情報をいただきたいんですね。本当に知らないと思います。一生懸命調べているマネージャーがいて初めてそこに届いている。でも、現場にいる支援員は分からない。でも、私たちが研修に行くと、とても聞かれます。デジタル教科書の使い方を最初から研修してもらえませんかという依頼など、私、大分やっています。研修をすると、「こんなことができるんだ、ではやろう」となるのですが、そうでないと、どこから開けるのか、となってしまいます。ですので、そういった温度差を埋めるためにも、私たちは現場にいる人材としてお手伝いがしたいと強く思っておりますので、ぜひ御検討をよろしくお願いします。
もう一つ、ネットワークに関してです。現場の実態として、、体育館はつながるけれどこの教室は繋がらないなどの現場の感触は、私たちが一番見えています。なので、調査の中に混ぜてもらえたらいいなと思っています。
学校の先生は慣れてしまって、現状のネットワークの速度が遅いと思っていないというケースが見受けられます。外からの目で、これは遅いと言ってあげたいんですね。なので、そこの意味でも、外部人材として有効活用ができるのではないかなと思っておりますので、その辺も含めて、ぜひ支援の仲間に私たちを入れていただければと存じます。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
時間の関係もありますので、手短にお願いしたいと思います。横尾委員、お願いします。
【横尾委員】 ありがとうございます。冒頭に感謝申し上げます。
骨太方針にも入れていただいて、GIGAスクールの推進ということになりましたし、基金方式を含めて、財源の確保をいただきました。このことは大変大きな意味がございます。財務当局がオーケーを出さないと、首長としても決断しにくいところがありますので、大変ありがたく思っています。今後とも継続をお願いしたいと思います。
今日の議題に関してですけれども、実は県の教育委員会から私のほうに訪ねてこられて、利活用に差があると言われました。特に通信環境の影響もあるかもしれないけれども、使えているところ、なかなか使ってないところ、教室内も調べたけれどもそうだということで、お悩みの相談がございました。こういった会議のこともお知らせをし、やはりよりよく活用していただくことが重要だと思います。
直接ICT教育首長協議会から大臣要望もさせていただきましたけれども、予算は確保するからしっかり使ってね、使ってくれないと継続的な財源確保は難しくなる評価となり、財務省協議で削減もありえると心配にもなりますよというぐらいの勢いでコメントがありました。直接の言葉ではありません。
そういったことを踏まえると、我々、やはり現場としては、より活用することが必要です。そういった意味では、今日御説明いただいた様々な伴走支援、そして、通信ネットワーク環境の整備は不可欠だと思います。ましてや、オンラインテストに今後移行していきますので、これがないといけないと思いますし、特に通信環境は自治体のサポートも必要ですが、電波受信環境の弱いところに関しましては、ルーターを使うなど、多久市もサポートしているのですが、そういったことをしっかりやらないと、子供たちがそれぞれの住まいの環境で格差が出るのはよくないと思いますので、ぜひこのことも勘案いただくとありがたいなと思います。
また、伴走支援について、本当にいろんなメニューを考えていただきました。民間にもいろいろございますけれども、これをいかに活用するか、そして、できたら今後、過半数の人たち、過半数の学校が使うようになると、また違う課題も出てくるかもしれませんので、ぜひ先回りをしていただいて、トラブルがないように検討もいただき、官民挙げて、国を挙げて、教育のよりよい発展をしている日本だと言える状況に持っていきたいと心から願っております。どうぞよろしくお願いします。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
中島委員、お願いします。
【中島委員】 ありがとうございます。ちょっと冒頭遅れての参加となりまして、恐縮です。
大体皆さん言っていただいたところではありますが、まず1つ目、通信環境について、現場へ行くと、高校でも同時接続でかなり落ちてしまう等ありますので、ここも含めてしっかりと対応いただけるといいなと思っています。
2点目として、みんな1人1台というのはすばらしいのですが、自分のパソコンを持っている子が増えてきて、当然のようですが、BYODのような自分のパソコンを活用できるシステムのほうが将来的にもいいのではないかと思っています。私がニューヨークへ行った際に聞いた話では、アンケートがよく来て、持ってない人は支給されるとのことでした。
端末を家に持ち帰ったほうが、やはり学びとしてはいいのではないかと思います。今学校によって差があり、考え方もいろいろありますが、ただ、もし家に持ち帰る場合、何が問題かというと、家にWi-Fiがない御家庭も多い。その辺りも、あまり個人情報が出ない形できちんとアンケートを取って対応する、家にWi-Fiがない人たちにはきちんと公的な機関が支援をすると、そんな形ができるのがいいかなというふうに思っていました。
あとは、PCがそろそろ壊れてきて、取替えの時期でたくさんのPCが廃棄されると思いますが、その際に、STEAMの学びにつなげるなど、この廃棄問題というのもきちんと考えていけるといいなと思っています。
また、オンラインリソースとして、これも海外でありましたが、例えば、本も、やはり御家庭にたくさん本がある家、なかなかない家があると思います。経済格差を減らすのに、やはりオンラインってすごく有効だと思います。そういった意味で、例えばオンライン図書館の様なもので、みんな読み宿題をするなど、そういったリソース、ソフトウェアをもっと、動画も含めてあるといいなと思います。
あわせて、より楽しくという意味では、ハードウェア、3Dプリンタ、ロボット、センサーなど、そういうものも今本当にハードルが下がってきているので、ソフトウェアで画面の前で座ってやるだけでなく、外側の物理的世界や身体性とパソコンがリンクするというものが増えてくるといいなと思っています。それに併せて、教員研修とか、場の構築とか、いろいろあると思いますが、まずは、このようにいろいろ動いているのはすばらしいなと思いながら聞いていました。
ありがとうございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
この後、もう今、挙手の皆様までとしたいと思いますが、手短にお願いします。
神野委員、梅嶋委員、最後に藤村委員、お願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。神野委員、お願いします。
【神野委員】 よろしくお願いします。
しがない学校設置者の代表の様な立場から少しお話をさせていただきます。本校の通信速度は、今160Mbpsです。全校生徒420人ですので、恐らく結構足りてないという状況なのではないかと思っています。
私自身は、結構ネットワークも詳しいつもりでして、この2年間、通信業者や様々な方とかなり交渉を繰り広げてみたり、あとは、学校のWi-Fiのルーターというのもかなり自分でもいじってみたりしたのですが、どうも速度が上がらない。そもそも学校が位置する山間地域の基山では、光回線もかなり弱い回線しか来ていない。そうすると、速度向上のために対策するのであれば、校舎、クラスごとに新たな回線を引くぐらいな感じでやらないと、回線状況は上がらないというような形で、費用負担が大きな問題になるという話になります。
その中で、一つのキャリアの回線で直接子供たちがつながっていかないと、もうこれは保てないのかなということを考えてみたり、ニューラルリンクの様な、衛星通信を考えていくのが良いのかなど、広く考えています。
何が言いたいかというと、恐らくこれ、私立一校で考えてみれば、その私立一校のベストプラクティスは見えてくると思いますが、公教育という現場で、自治体が調達する場合においては、各校、状況を考えながら進めなければいけないと思います。そういった意味で、自治体ごとに、それぞれの学校で何が最適なのかということを考えるだけのリテラシーも必要になってきますし、予算配分も必要なってくるという意味で、ここをどのように明記しながら進めていくのかというのが非常に大事なのではないかなと思っています。
もう一つ加えて言うと、全員が一斉に使って回線が遅くなるときと、全国学調が、今後、全面的にオンラインになっていく中で、回線が落ちるというのが多分、一番避けなくてはいけないと思います。まだ普段の授業で回線が落ちるというのは先生方の様々な人間的スキルで保てたとしても、全国学調が落ちるというのは、結構大変なことになると思います。
そういった意味では、全国学調側も、例えばIRTをこのタイミングで考えていきながら、いわゆる一斉でなくても、一人一人に対して問題は変わっていくから大丈夫、というネットワーク負担の分散のようなものも考えつつ、このオンライン化を考えていくべきなのではないかと思っていました。
以上となります。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
梅嶋委員、お願いします。
【梅嶋委員】 私のほうからは、2点申し上げたいと思います。
1つは、議論にもなっておりますネットワークの課題の対応です。文科省さんの指導もありまして、各学校が最も高速化に適する方法は何なのかということを考えられるような設計になったというのは、とてもすばらしいことだと思います。その意味で、各学校で対策が異なる、また、課題が異なるといったところがございますので、先ほどの資料にもありましたが、今、各学校で授業で端末が活用されておりますので、ネットワークアセスメント実施の結果というのを、市町村、また、都道府県の教育委員会と共有する仕組みをつくっていただけるとよいのではないかと思うところでございます。それが1点目です。
2点目は、セキュリティの点でございます。市町村、県の教育委員会の皆様と共有して、どのようなリスクがあるのか、また、それに対してどのような対策が最も経済的にも技術的にも合理性があるのかを事例提示することが有効だと考えます。
少し気をつけなければいけないことは、セキュリティというのは積めば積むほど費用が非常に増していくということが傾向としてあります。なので、その意味では、適切なものが何なのかを判断するための情報共有を今後推進していくことを、MEXCBTの推進というところもありますので、重要であると思うところでございます。
以上になります。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
藤村委員、お願いします。
【藤村委員】 2点に絞って申し上げたいと思います。私からは、教員養成大学の立場と、全国の教育委員会、学校の伴走支援をしている立場から申し上げたいと思います。
そこで実感しているのは、先ほどから話題に出ている格差でございます。この格差が生じる原因として、現場で感じているのは何かと言うと、やはりGIGAスクール、令和の日本では、学校教育で目指す姿、先ほどの標準モデル、教師主導の標準モデルアプローチの授業から、個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実と、理念が変わったんだ、教育改革なんだというのがまず腹落ちしていない。ですので、実技研修だけやった結果、実技研修だけだと必要感を感じないので、やっていただけない。
そこで、堀田委員長もStuDX Styleなんかの動画でおっしゃっていただいているように、ぜひ理念部分の共有をまずしていただく。人材像が変わった、変化が困難な時代なので、問題発見からやらなければ駄目ですよ、、一斉授業・知識注入ではなく、主体的・対話的で深い学び、個別最適な学びだから1人1台なんだ、というような腹落ちがするような研修教材をまずつくって人材育成することが重要だと思います。
各市町村等も、エバンジェリストや推進委員などつくっていますけれども、標準教材がないという問題があるのと、この理念をどうしたら具体的に実現できるのかという、理論に関する教材等や共有が全くないというのが大きな問題だと思っています。それが1点目です。
2点目は、今、文部科学省、もしくは、ここの委員会が目指している姿は何なのか。例えば、先ほどからお話が出ているように、市町村単位でばらばらに整備すると、知見がない市町村もありますから、旧来型の整備という更新で終わってしまいます。したがって、ネットワーク回線にしても、帯域を上げるだけでは駄目で、今、校務系と学習系が分離しているのを、ゼロトラストセキュリティでネットワーク統合をして、境界型分離の情報セキュリティポリシーから、校長はこれを閲覧できる、学年主任はこれを閲覧できる、担任はここまでといった、ロールベーストアクセスコントロールという、役割によってセキュリティが違うといったことへの転換を目指しています。また、端末の活用頻度について、週に3回でオーケーといった数字に現場からは見えているようです。そうではなく、ほぼ毎日毎時間使うというような、フィンランドのような先進地域がやっているスタイルがゴールといったことや、情報化の3段階、単なる電子化のデジタイゼーション、データの有効活用を含むデジタライゼーション、そして、先ほどのように授業改善、根本的な教育改革を目指すデジタルトランスフォーメーションがあり、文科省はデジタルトランスフォーメーションを目指しているということを示す必要があると思います。今はデジタライゼーションを目指しましょうというメッセージに見ているので、現場は既存の価値観のまま、授業観、生徒指導も従来どおりの管理でやっているのをぜひ変えるということを、明確に打ち出してほしいなと思いました。
そのためには、具体的に来年度概算要求等でそのための事業を起こしていただけると大変うれしいなと思いました。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
寺島課長に一度お戻ししたいと思います。たくさんの意見を皆さんのおかげで得ることができましたので、課長、一言お願いします。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 大変多くの委員の皆様からの意見をいただきまして、ありがとうございました。時間の関係もありますので、一つ一つお答えすることはできませんが、委員の皆様のご発言を拝聴していて感じましたのは、やはり各自治体、悩みは共通している中で、模索をしながらやっていただいております。
今、私どもの課として一所懸命取り組みたいなと思っているのは、その全国の皆さんの悩み、課題、危機感、これらを全部共有し、認識し、そして、かゆいところに手が届く支援はどのようにすればできるのかというところを検討しています。そのためには、やはり情報共有や、あるいは、この件ではこういった課題解決の方法があったといったことを共有し、そして、全体を上げていきたいという思いで取り組んでおります。
今たくさん御指摘をいただきました。最も懸念をしておりますのは、GIGAスクール構想において、学びの保障を達成できるというのは、相当大きな理念だったと思いますが、それが、例えば、ネットワークのインフラの差によって、逆に格差が開いてしまうということはあってはならないと思いますし、その最低限のインフラを整備することこそが我々行政の役目だと思います。そういった認識を、全国の教育委員会の担当者と認識を合わせながら取組を進めていきたいという思いで今やっているところでございます。本日、様々な具体的な御意見をいただきましたので、それらも踏まえ、またやっていきたいと思います。
たくさん御意見いただきまして、ありがとうございました。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
皆様のおかげで、いろんな自治体や、改善すべき観点をいただいたと思っております。文科省の今の御報告のように、様々な形で国としてできることを随分進めていただいているところですが、それがなかなか現場に届かないという現実はございます。一方で、現場が自分のところでどういうふうに工夫しているかとか、各設置者がどうしているかとか、任命権者がどうしているとか、色々なレイヤーの努力も必要かと思うわけです。特に地域ネットワークなどは、各地域で御努力していただかないといけないこともありますし、正直その限界もあるところかと思います。
そういうことをできるだけ明らかにしながら、さて、私たちどうしていけばいいかということを検討するのが、この委員会、中教審の委員会です。文科省にお願いする委員会ではありませんので、私どもの委員の発言というのは非常に重うございまして、皆さん、ぜひそれぞれのお立場から、予算措置の現実性も含めて、どのようにすべきか、これからも御意見をいただければと思います。ありがとうございました。
続きまして、議題(3)に参ります。議題(3)は、次期ICT環境整備方針の在り方ワーキンググループ、これも私どもの特別委員会の下に設置されているものですが、審議が進みまして、取りまとめ(案)ができておりますので、これにつきまして、事務局に御説明をいただき、このワーキングの主査であります高橋委員に一言お話をいただきたいと思います。
それでは、事務局からお願いいたします。
【神谷GIGAスクール基盤チームリーダー】 GIGAスクール基盤チームリーダーの神谷と申します。私から、資料3-1、これは資料3-2の概要資料でございますけれども、これについて御説明をさせていただきます。
今御説明のありましたとおり、6月24日に前回のワーキンググループの議論がございまして、そこでこの報告書の素案を議論いただきました。その際に、ワーキンググループの先生方からいただいた御意見を踏まえまして、高橋主査、また、堀田主査代理の御意見をいただきつつ作成した取りまとめ(案)ということで、御説明をさせていただきます。
まず、最初は参考資料の14ページ、このワーキンググループの取りまとめの位置づけについて御説明をさせていただきます。
大きな構造として、文部科学省において、このICT環境整備の方針を策定し、その方針に係る必要な経費算定を行い、整備計画を策定するという構造になっております。
整備計画というのは、次の15ページに載っているものでございまして、標準的な自治体において学校のICT環境整備にこういったものが必要ということで、これに基づいた地方財政措置が講じられているという構造になっております。
14ページに戻っていただきまして、このワーキンググループの取りまとめというのは、文部科学省が方針を策定するに当たっての大きな方針を決めていただく、そういった構造になっているというところです。
今回、このワーキンググループの取りまとめの案ということで御説明させていただくわけですけれども、2ページから御説明をさせていただきます。
まず1ポツということで、現行整備方針が策定された後の経緯を述べております。現行の整備方針は、実は平成29年に新学習指導要領の実施を見据えて策定されたものでございます。これはGIGAスクール構想が始まる前のことでございます。なので、この現行整備方針の策定後の大きな動きとして、まず、GIGAスクール構想の実現に向けた取組が開始されたというものがございます。
令和3年1月に、中教審からいわゆる令和答申をいただいておりまして、この中で、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を一体的に充実させて授業改善につなげていくことが必要とされたところでありまして、こうしたいわゆる令和の日本型学校教育の構築のためにはICTは必要不可欠であるとされたところでございます。
3ページ、昨年の5月には、初等中等教育分科会の下に、この特別委員会が置かれたというところでございます。
また、校務の情報化につきましては、昨年3月に文科省の専門家会議において取りまとめを行っていただきまして、次世代の校務DXの方向性などが示されているところでございます。
さらに、昨年、義務教育段階の端末の更新について、基金を都道府県に造成する経費が補正予算で計上されまして、現在、この端末の整備・更新の手続が進められているという状況です。
また、本年4月には、文部科学省が教育DXに係る当面のKPIというものを設定しておりまして、これは16ページの参考資料に具体的なものをつけておりますが、様々なKPIを設定しております。
これらのKPIは、アウトカムとして目指している観点が4つございまして、具体的には、個別最適・協働的な学びの充実、情報活用能力の向上、学びの保障、働き方改革への寄与となっておりまして、これら4つの観点というのは非常に重要であると考えている次第です。
また、先月の骨太の方針においても、GIGAスクール構想を中心とした教育DXの加速ということが盛り込まれまして、この括弧内に書いておりますとおり、諸施策が盛り込まれているところです。
4ページですけれども、1人1台端末を学校に導入したことによる成果と課題ということで、寺島からの説明の中でも随時触れているところも含まれておりますが、まず授業改善の成果が出つつありますが、道半ばであって、特に、地域間・学校間の格差が課題という認識でございます。
その背景として、まず通信環境が不十分であること、また、教育委員会や学校の端末利活用のルールが、積極的な端末利活用を妨げていることなども挙げられるとしております。指導者用端末や予備の端末の不足ということ、また、教師の指導力が主体的・対話的な学びに端末を活用する授業に十分に転換されていないといった課題もあると考えております。
また、3つ目ですけれども、校務DXの観点で、汎用のクラウドツールを活用した校務DX、また、次世代の校務DXの環境整備の道半ばという形とさせていただいております。
最後ですが、GIGA第1期のここまでの運用において、災害時などの対応の観点、また、その学びの保障の観点から、このGIGAスクールの環境というのが重要であるということが認識されました。
その上で、次のICTの環境整備方針を策定するに当たっての基本的な考え方を、5ページで示させていただいております。
学校のICT環境は、これまでどおりの指導や学習を単に効率化するための付加的な整備ではなく、個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実を図る上で必要不可欠な学習基盤であることを学校のICT環境整備の基本方針とすべきとしております。
次の方針においても、学習指導要領は現行のものが前提となる見込みでございます。このため、現行整備方針の骨格は維持することになると考えております。他方で、1人1台端末など急速なICT環境の整備の進展がございましたので、これによって顕在化した課題に十分対応するために、GIGA1期の中間的な課題・成果のまとめ、また、外部環境の変化を十分に踏まえた改訂とすることが適当であると致しました。
具体的には、令和答申が示す方向性を前提としながら、先ほどのKPIのアウトカムとして強調していた4点、これらの観点からの整備を優先すべきというふうにさせていただいております。
義務教育段階の端末整備・更新の基金の執行スキームの中で、国費の補助の範囲や、その国費補助を受けるための様々な要件が課されており、これが次の整備方針を決めるに当たり前提となるため、それを解説しているところでございます。例えば、最低スペック基準に適合した端末を整備する必要がある、教員数分の指導者用端末の整備が必要であるなど、そういったことが要件として書かれているという形です。
次のページから具体的な整備内容に入っていきますけれども、まず、5.1.で、学校のネットワーク整備です。
寺島からの説明でもありましたとおり、非常に学校ネットワークの改善が急務となっております。4ポツには1点記載の誤りがありまして、大半の学校で必要なネットワーク帯域が確保されていない状況では、1人1台端末を有効に活用できず、ひいてはGIGAの目指す学びが実現できないため、学校のネットワークの改善は急務と考えております。
最後のポツですけれども、ネットワークアセスメントによる不具合の原因特定はもちろん必要でございますし、必要に応じた通信契約の見直しなども不可欠と考えております。
5.2.で、学習者用端末でございます。これは1人1台端末環境が前提となります。
地方財政との関係では、高等学校の段階の端末が問題となるわけですが、現行においては、学校設置者において、多様な教育内容に応じて必要なスペックも踏まえながら、3クラスに1クラス分の端末について地方財政措置が講じられております。この中で、保護者の理解も求めながら、これはすなわち学校・都道府県などによっては、BYODも組み合わせ、また、BYODの場合には、低所得への支援なども組合せながら、1人1台環境が実現されるよう整備が進められてきております。今後もこの1人1台環境を前提として、各学校の実態に応じた整備が求められるとしております。
5.3.は、学習者用端末の利用環境について記載しております。
いわゆる学習用ツール、ワープロ・表計算・プレゼンソフト、ブラウザ、コラボレーションツール、ウェブ会議などについて、1人1台端末に標準実装される状況にございます。
ここは今、リーディングDXスクール事業において、汎用のクラウドツールの利用を中心に、こうした標準実装される機能を活用した実践事例を創出している段階にある状況を踏まえると、この学習者用ツールについては、標準実装の機能の利用を中心に考えるべきというふうにしております。
また、様々なデジタル教材が活用されている実態がございます。その種類や性質は様々で、さらには、その費用負担については、公費負担なのか、保護者負担なのかといった実態も異なるところでございます。この点につきましては、文科省が別途作成している教材整備指針、これは学習指導要領の改訂と連動しているところではありますが、これとの関係に留意しつつ、今後、文科省が必要な検討は行うべきとしております。
5.4.周辺機器について、大型提示装置や実物投影装置は、引き続きの整備が求められます。また、充電装置については、端末の持ち帰り学習の実態など、実態を踏まえた整備が求められるとしております。
5.5.教員が使用する端末でについて、まず、教員が指導するもののうち、指導者用端末については、この不足が子供の端末の日常的な利活用の阻害要因の一つになっているため、今回、基金のスキームにおいて、教員数分の指導者用端末の整備を要件としており、次期方針では、このことを前提とすべきと考えております。
また、指導者用端末と校務用端末の整備については、学習系・校務系ネットワークの統合が今後段階的に進んでいくということを踏まえる必要がございます。まず、この両端末の1台化が想定されるわけですけれども、例えばOSの種類など、環境によっては1台化が直ちに実現しない場合があるなど、多様な整備形態があり得る点には留意が必要であるとしております。
次に、9ページ、5.6.次世代校務DX環境整備でございます。
次世代の校務DX環境整備は、今後、段階的に進むことになります。
これに伴い考慮する必要がある事項として、この丸1から丸3があると考えておりまして、まず丸1で、クラウド対応の校務支援システムの整備が進むということ。これは校務用サーバがクラウド環境に移行するということでもございます。
丸2は、今申し上げたものの再掲でございますけれども、指導者用端末・校務用端末の在り方は、ネットワーク統合に伴って多様になり得る。
また、丸3、これはロケーションフリーなどを考えた場合に、多要素認証等、強固なアクセス制御に基づくセキュリティ対策が必要になるといった点を考慮する必要があります。
5.7.セキュリティ対策ですけれども、マルウェアを防ぐ機能については、OS標準で備わっている機能を利用できることや、フィルタリングソフトについても、今回、基金からの補助を受けるための要件にしておりますので、このことを前提にすべきとしております。
5.8.ICT支援体制でございます。ICT支援員につきましては、4校に1人程度を目標に掲げて配置を促進しているところでございますけれども、この水準がまだ達成はされていない状況です。
そのことから、引き続き4校に1人の目標水準を目指して配置を促進していく必要があるとしております。
さらに、ICT支援員について、多様な支援の形態・内容があると承知しておりまして、こういった学校現場の実態も踏まえて、支援の形態・内容、また、そのために必要とされる事項、望ましい事例などを文部科学省が地方公共団体に示していることが求められるとしております。
最後のその他ですけれども、個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実、また、その学びの保障の観点ということで、学校現場では多様なツールが用いられております。こういったツールにつきましては、多様なツールの整備の必要性について、文科省において継続的に検討をすることが求められるとしております。
最後に、11ページ、おわりにということで、こちらの項目は、このワーキンググループの先生方から、非常に高い視点からいただいた御意見をこのようにまとめている箇所となります。
例えば、ICT環境を通じた学びの実現というのは、学校教育の現代化である。
GIGAスクール構想は学習観の変容を目指すものであって、整備する機器等はそのためのツールにすぎず、それゆえに、先ほど基本方針とすべきというところで御説明いたしましたが、学校のICT環境は付加的な整備ではなくて、必要不可欠な学習基盤なのであり、このことはよく強調すべきであると考え、こういったことを記載しております。
GIGAスクール構想、国主導で開始され進められているものではございますけれども、令和の日本型学校教育を実現するためには、教育に関わるそれぞれの主体が自分事として、それぞれの権限・責任で、できる限りの最大限のことに取り組まなければならないとさせていただいております。
さらに、具体的には、教育委員会にあっては、施設・設備の担当者のみが学校のICT環境整備に対応するということではなくて、教育指導、学務管理などの御担当とともに取り組むことが不可欠であり、さらには、地方公共団体が目指す教育ビジョンの下で、教育委員会以外の部局も一致団結して取り組むことが求められるとしております。
このページの最後で、このことは、機器の整備だけではなくて、先ほどのルールが利活用を阻んでいるという点にも関わることですけれども、活用の局面においても極めて重要であるというふうにさせていただいております。
最後、12ページですけれども、それゆえに、この取りまとめが、単に自治体において、整備するICT機器のリストというふうに捉えられるのではなくて、最適なICT環境の整備とその適切な運用を確保して、ひいては令和の日本型学校教育の実現のための授業改善につなげていくための指針として位置づけられることを強く望むとして結びとさせていただいております。
事務局から、案についての説明は以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
詳細な御説明をいただきました。このワーキングを進めていただいている主査である高橋委員に一言お願いしたいと思います。
【高橋委員長代理】 ありがとうございました。
委員の皆さんや事務局の皆さんの御努力で、取りまとめの案までたどり着いたというふうに思っております。
先ほどから話題であるように、様々な自治体のサイズとか、様々な学校、実態、格差といったものがある中で、我々としては、学校の隅々まで、水道や電気のように当たり前にICTが使える、そういうような環境を提供していくためには、どのような記述をしたら良いのかということを考えてきたつもりだと考えています。
各学校内に電気や水道を隅々までというふうに考えていけば、それよりはるかに難しい、いろいろ満たす要件が難しいICT環境ですから、ワーキングや中教審の検討として、事細かに、スペック等までを示すことはできないと個人的に考えております。その結果、ここには考え方を中心に、まさに方針が書かれていると思っております。
また、先ほどからも話題ですが、前提として、授業観の転換、DXといった、難しい問題とも関係しているということを考えると、まさに主体的に対話的に深く学んでいただかない限り、なかなかこの趣旨もお分かりいただけないのではないかということで、その辺の苦悩が、特に11ページ以降のところに書かれているなというふうに思っております。
そういったような結果でございますが、具体的な内容に関しますと、まず4番の1人1台端末の更新に関して制度化された部分は取り除きまして、主には5ポツ以降の内容が具体的な整備の方針となってございますので、御検討いただきたいと思っております。
私からは以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
では、この後、意見交換に入ります。くれぐれも確認ですが、これはいわゆるセカンドGIGAと言われる端末の仕様をどうするかといった話ではありません。それは参考資料に載っていますが、先に決定されておりますので、私どもが審議しているのは、ずっと文部科学省として進めていらっしゃった学校におけるICT環境整備において、これは、地財措置の根拠になるところだと思いますが、5年計画で進められ、その間ちょうどGIGAが動いたので、GIGAがどういうふうになじむかを見る意味で、2年延長されて7年間同じもので進んできました。これを改定するということでございます。だから、GIGAを前提にしたときのICT環境の整備、周辺整備等はどうすればいいかという、そこの考え方について今から御議論いただくということになります。ワーキングで取りまとめていただいたこれについて、強弱も含めて、特に5ポツのところが審議の具体的な内容ですので、そこについて御意見をいただければと思うところでございます。
残り時間30分ほどございますので、その中で進めていきたいと思います。
では、まず手始めに、横尾委員、お願いします。
【横尾委員】 最初に御発言させていただきます。ありがとうございます。
いろいろ検討いただいて、誠にありがとうございます。幾つか感じたことを述べさせていただきたいと思っています。
最後のほうにまとめ的な記述もあるのですが、もっと「国として」ということを明確に書いても良いのではないのかと思います。今日の説明資料で言いますと、例えば、11ページの下から5行目に「更には、地方公共団体が目指す教育のビジョン」というふうに書いてあるので、国と地方公共団体という位に書いてしまって良いのではないかと思っています。なぜならば、国策としてやっているので、本当に標準のところがしっかり立たないといけないということをすごく感じました。
例えばインドは、文部科学省にあたる政府機関の名称は、人材開発省になっているはずです。要するに、もう明確に次の時代を担う人を育てるという前提になっておりますので、インドが全てとは思いませんが、そういった意識をもっともっと多くの方が持っていく必要があるし、そのことは後段の文章に書かれています。一人一人の関わる人がもっと主体的に我が事としてやるべきだという記述です。そういったトーンで全体をぜひまとめていただいたら良いのではないか、というのが1点目に感じていることです。
あと、少し細かいことで、セキュリティのことです。本文のレポートでは、8行のみしか書かれていません。私は、もう少し書かれても良いのではないかと思っています。
なぜなら、方法論をマニュアルのようにまとめても、実はマニュアルを超えるサイバーアタックが必ず出てきます。ということは、それぞれの人が、子供たちも含めて、意識を持っていくことと、スキルを常に習得していかなければいけません。このことはシルバー世代も同じです。下手すると、そこでトラップにはまります。
そういった意味でも、セキュリティのことをぜひ、OS主要各社のヒアリングをされていると思うのですが、十分に聞いていただいて、リアルな現場と実情を踏まえた次の世代のための対策もぜひ考えていただきたいと思います。
私も、実はこの間、関係者に聞いてきました。そうすると、世界で一番サイバーアタックを受けているのはペンタゴンです。2番目はMSという会社です。その後ずっと並んでいくのですが、やはりそれだけ、海外のどこからかは分かりませんが、サイバーアタックがある。学校にすぐは来ませんが、いずれガードの低いところが狙われる可能性もある。となれば、やはりセキュリティは極めて大事です。
巧妙な施策、実際にこういうトラップがあった、といったやり方も見せてもらいました。本当に一見すると分からないし、一般の方でも引っかかると思います。本当にすごいところに隠されています。そういった情報を踏まえた上で、今後の対応を考えていただきたいと思います。
同じページにICT支援員のことがございました。私の学校は義務教育学校でございまして、ICT支援員が1校に1人いますし、人数の多い学生のところは2人配置しています。そういった現場のことをヒアリングすると、4校に1人というのはなかなか大変なのではないかと思います。
これも海外の事例ですけど、例えばイギリスを視察したときには、校内にヘルプデスクがあります。子供たちはもちろん、先生方も行きます。そういったことまではいかないとしても、やはりサポートというのはとても大事ではないかと感じます。最先端のICTのスキルに関するものまで先生方がフォローするのはなかなか厳しいので、自分のニーズに応じて学ぶのが良いと思います。
11ページ目は、先ほど申し上げたことです。
ぜひそういった観点から、今回検討いただいた今の課題、そして、それを少しでもよくするための対策も練っていただいているので、より多くこのことがうまく進んで、日本としてのICT教育をもっともっと充実していくことを心から願っています。
保護者の皆さんも、そのことに強く関心を持ちながら、今、このGIGAスクールの立ち上がり時期を御覧になったと思います。例えばコロナになったときの朝のホームルームがオンラインでできたということを、喜びも感じつつ、こういう時代だなと思われています。
先ほども寺島課長からも話があったように、通信環境の格差が格差になってはいけない、様々な課題をぜひみんなで乗り越えることができるように期待しています。
ありがとうございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
では、この後ですが、梅嶋委員、平井委員、森田委員の順番で御指名いたします。梅嶋委員、お願いします。
【梅嶋委員】 ありがとうございます。
まずセキュリティに関してですが、横尾委員の御指摘に全く賛同でございます。
特に、我が国のGIGAに関しましては、世界で初めての取り組みという事象が多いです。特に、学校教育特有のリスクというところが存在しています。ぜひ、5ポツにしっかりとセキュリティの記載というところを入れていただくことがとても重要ではないかなと思うところでございます。
もう一つ、利活用の部分について、外部の教育資産の活用というのがもう少し強調されてもいいのではないかと思います。具体的には、現在の教育における外部の教育資産活用の主なものが教材の活用というところにとどまっております。けれども、ネットワークが改善されますと、外の先生が教えてくれるという、同時双方向遠隔授業が当たり前のようにできるようになると思っています。そういうような授業を幾つか、私が直轄でサポートしている富山県の高岡市や宮崎県延岡市で推進しています。実際にやってみますと、学生たち、これってGIGAなんだ、ICTなんだということで、とても目を輝かしてくれます。 その意味では、同時双方向遠隔授業を中心に、外部の教育資産の活用といったところをもう少し強調していただけると、より次世代のものになるのではないかと思うところでございます。
私のほうからは以上になります。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
平井委員、お願いします。
【平井委員】 平井でございます。よろしくお願いします。
根本的な部分けれども、私、1人1台という言葉に、すごく違和感ではないですが、これで良いのか、というところがあります。従来コンピュータ室がありましたが、今は1人1台の環境が整っているわけですね。コンピュータ室が今なくなっているところもあるのですが、大型の、もう少し大きめのディスプレイや、ある程度スペックの高い端末というものは、学校に必要なのではないかという考えを持っています。
プログラミングをやる際もリストが全部見える、エクセルのシートで見ていても大きく広く見ることができる、またグラフィック系をやりたいなど、今のGIGAを活用した学びがさらに進み、クリエイティブな学びになったときに、1人1台でいいのか、学校にほかにある必要があるのではないかと考えています。
実際、私も今関わっている学校で、小・中学生合わせて20人の学校ですが、1人1台のiPadに加えて、デスクトップPCが10台あるので、1人1.5台という環境になっています。それを組み合わせて使っている状況もあります。
まだまだそういった環境には、まだたどり着かないにしても、先のことを見据えたときに、1人1台で止まることなく、さらに学校の中に整備していくということも視野に入れた書き方ができないのかというのを感じておりました。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
では、森田委員、お願いします。
【森田委員】 ありがとうございます。
平井委員がおっしゃっていたようなことは、前にもお話ししたと思いますが、やはり学校にそういうSTEAM教室のようなものも、コンピュータ室の代わりに必要なんだというようなところも、ぜひこれから押し出していきたいと思っています。
それに併せて、この予備機の問題について、15%は、非常にありがたいのですが、これが故障の補償だけで良いのかという点に疑問があります。予備機は故障するまでお蔵入りするのではなく、必要な場合には使っても良いのではないか、そして、その使える場面って多いのではないかというのを感じています。例えば、1人2台使う場合もあるでしょうから、そういうことも可能だというところもあったら良いのではないかというのを一つ思っています。
それから、2つ目、これは環境整備と言って良いのかどうか分からないのですが、今まで活用度といったものを評価をするというのが非常に多かったと思います。しかし、実際は、子供たちの学びの姿といいますか、身につけたいスキルといったところから評価をしてもいいのではないだろうかと思います。ですから、ルーブリックのようなものをつくって、子供たちの目標にも持たせながら、こういう姿が実現できているのかという、そういった見方をしていく必要があるのではないだろうか、というふうに感じています。ですので、もしこの実現度が低ければ、各自治体の危機感も高まるのではないかなと思いますので、活用度の数字ではない、そういった評価も必要なのではないだろうかと思います。
これが、デジタル教科書のほうにも同じことが言えるのではないかなと思います。効果をどう見るかというところで、子供の姿を見ていると、デジタル教科書を非常にうまく活用して効果を上げている生徒がいます。その場合に、その子の学びと先生の働きかけが非常に上手くマッチングして効果が上がっているという、そんな感じを受けます。ぜひルーブリックと併せて、こういった先生の姿、学びの姿があればさらに効果が上がるんだというものも示した上で、評価をするような、そういったシステムをつくっていく必要があるのではないかと思っています。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
この後ですが、植阪委員、緒方委員、中島委員の順番でお願いします。植阪委員、お願いします。
【植阪委員】 ありがとうございます。
このすごく詳細に分析されたものも拝見しながら、現実に即しているものだと思いながら拝見していたところです。ふだん私、学校の先生と一緒に授業をつくっていますので、その点からお話しさせていただこうと思います。
日本の一つの特徴として、学校がお互いの先生の授業を見合ったり、議論をするというすばらしい文化がありまして、海外から見ても、よくこんなことができるねと言われています。
実は、このGIGAになったときに、実は大学も学校にとってのリソースになるわけですけれども、そういった過去のつながりや、情報共有がすごくしやすくなっている側面があります。昔はノートをコピー・スキャンして送らなければいけなかったのが、今は、ロイロ一つですぐにできます。
ただ、そこで少し考えなければいけないのは、情報共有をどこまでどういう形で許すのかということは、現場で結構悩んだりするところもあります。日本では、お互いの授業を公開するという良い文化があって、他者とも議論しながらできるので、それを許容できるような、ある種の囲われた安心した環境であれば共有して良いなど、一定のガイドラインのようなものを出していただけると、安心して大学とも協働できるなというところがあります。私たちも、自分たちでも考えていこうと思いますし、国としても、一つの学校だけではない、複数のいろんな学校とつながりながらよくしていくということを、日本の文化として、前提として考えていただけるとうれしいということが1点です。
あともう一つ、学校はどうしてもICTの話と、今進んでいる深い理解やメタ認知の育成といったことを分離して考えがちなんですが、このところ大分この両者がくっついてきているような実践が多く出ているような気がします。
例えば、授業の前に、教科書の一部PDFで、分からないところをはっきりさせて、色で自分の理解状況を示しながら、先生がそれを見て把握し、授業をされている学校もあります。それは自分が分からないというメタ認知を鍛える活動でもあり、先生が理解状況を把握するというツールともなり、こういった良い事例が、ICTと目標論が乖離しているのではなくて、この両方を先生が見取るということだったり、深い理解ということを達成するためのツールとして、ICTがすごく出るようになっています。ICTを使うための事例というよりは、目標達成のための事例という形でうまく発信できると、先生の負担感が少し減るかと思った次第です。
どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
緒方委員、お願いします。
【緒方委員】 ありがとうございます。
スライドの3枚目の下のところに、令和6年6月の骨太の方針のところに、教育DXを加速するということと、教育データの収集・分析・利活用の促進ということが書かれていますが、確かに端末を使って教育をすると、これ、いつも言っていますが、自然とデータがたまって、それを使って振り返ることで教育改善をしていくことが可能になります。教育をやりっ放しではなく、PDCAサイクルを回して改善をするためにデータ利活用が重要だということは、5ポツの5章の後から以降に全く書かれてないというのはちょっと残念な気持ちになっていました。
すぐとは言わなくても、今すぐするべきことと近い将来そういう方向に向かってするべきことと分けて、こういう方向で考えることも、基盤整備をすることも大事だということも少し加えていただけるとありがたいなと思いました。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
では、中島委員、お願いします。
【中島委員】 ありがとうございます。
先ほど言ったことに加えてということにもなりますけれど、個人情報や情報セキュリティの話があって、これも本当に重要なところだと思っています。
あわせて、さっきも出ていたのですが、生成AIの話が出てきていて、学校でもますます活用するようになるのだろうと思います。やはりAIやデータの懸念点については、きちんと活用していくために、バイアスの問題や、透明性の問題など、これは多分企業でも重要になってきていて、コンプライアンス的な問題などあると思います。今は、企業でのことや、社会に出てからのことを、あまり学校ではやっていないかもしれませんが、判断基準として、そういった社会のこともきちんと考えることも重要だろうと思っています。この点は教員研修と子供たちへの学びとして、とても重要になってくると思うので、その辺りも入れていただけると良いのではないかと思いました。
あとは、専門家のマッチングです。先ほど学校の現場でオンラインを通して交流するといったことを仰っていましたが、私たちも、探究というと、実際にリアルで行くこともありますが、色々な興味関心が個別最適に出てきたときに、図書館に行って今までの本やネットで調べるということ以外に、オンラインを通じていろんな人たちと出会うということがたくさん出てくるだろうと思っているので、そういった使われ方というか、機会も重要だと思っています。
あとは、さっきSTEAM教室の話もあって、そういった面白いSTEAMの遊び場のようなものが学校に設置されて、先生が多少は分かっているけれども、子供たちが楽しくて、どんどん引っ張るぐらいの場の在り方というのは大事だと思っています。
その際、ソフトウェアもですが、やはりハードウェア、ロボットなども高いので、レゴなどであれば1台6万円ぐらいだったり、センサーだと、1個数百円とか1,000円ぐらいもある一方で、場合によっては、なかなか学校や家庭でも買えないケースもあると思います。そうすると、やはりそういうのにアクセスできる人たちだけといった形にならないよう、少しでもそういったハードウェア面も含めた予算措置を考えていただけると非常にいいなと思います。なので、デバイスだけではなく、そのデバイスにリンクさせる、ソフトウェア・ハードウェアも考えていただければと思います。
あと、これは可能性があるのかどうかわかりませんが、最後にもう1個だけ。私がニューヨークに行ったときの話になりますが、さきほど1人1台の話もありましたが、学校現場で様々な良いパソコンが結構たくさんありました。どうも聞いてみると、AppleやMicrosoftなどの事業者が、エデュケーションプログラムと同時に、無償で少し古くなったものを提供してくれているというふうに聞きました。今は購入しているケースも多いと思うのですが、場合によって、そういった古くなったパソコンをもらうといった仕組みの様なものも日本としてももう少し考えてみることもできるのではないかなと思いました。
ありがとうございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
では五十嵐委員、藤村委員の順番で、ここまでとさせていただきます。五十嵐委員、お願いします。
【五十嵐委員】 ありがとうございます。
ICT支援体制というところで拝見いたしまして、4校に1人程度というのは、もう最初の2018年ぐらいから目標として上がっているものでございます。この4校に1人の認識について、もう一度きちんと今ここで言っておきたいなと思うのが、4校に1人というのは、ただ4校に1人で月に1回や年に数回行くというものではなく、少なくとも週1回をめどにしたから、4校に1人という数字が出たんだ、ということをまず皆さんがしっかり認識していただきたいです。
週1回は、確かにそれでも足りないぐらいのところはございますが、やはり過疎地であったり、地方、離島などに、4校に1人、週に1回人間が行くって、今、すごく難しいんですね。それで困られていることはたくさんあります。
ただ、今はオンラインで様々なことができるようになりました。オンライン支援ももっと充実させていったら良いのではないかと思っていますが、ここで一番問題になるのが、支援の必要な、今分からない、困ったなと思っている人たちの、チャットの活用率が非常に低いです。つまり、文字でのやり取りが物すごく苦手で、言葉でのやり取りが得意です。
逆に言うと、文字でのコミュニケーションが得意な方は、対面が意外と苦手というケースもあります。まず、校務のほうで、先生方の校務で使う端末を充実させて、ふだんの生活で文字でのやり取りを定着させていっていただくことで、我々が外から文字でのやり取りでコミュニケーションを図ることで、オンラインでの支援ができるようになっていくのではないかと感じております。
自分がやっている中で、やはり校務端末が非常にプアであったり、校務が相変わらず紙でやっているところは、支援員に来てほしいということがとても多いです。なので、校務において文字でのやり取りを、先生が日ごろからチャット、メールでやっているか、というところがすごく大きいと感じていますので、ぜひ校務用端末も充実させてあげてほしいと思っております。
さらに、先生が携帯電話を活用するというのを、何かうまい方法がないかと思っております。やはり端末に戻ってこなければいけない、もちろん持ち歩いてもいいのですが、携帯電話を活用することによって何かできるといいのではないかなというふうに今考えております。
そして、委託として受けているところも多いのですが、やはり大事なのは、先生方と委託業者さんときちんとコミュニケーションを取って、「委託したんだから、はいお任せ」ではなくて、やはり動的に1年変わってきますので、教育委員会の皆さんも、業者や外部で頼んでいる方と会話をすることが重要だと思います。ICT支援員7,000人もいるということですので、有効活用していただければなと思う次第でございます。
以上です。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
藤村委員、お願いします。
【藤村委員】 私のほうからは3点申し上げたいと思います。
まず1点目は、ワーキンググループ主査の高橋主査のほうから、11ページのところから「おわりに」を示していただきました。これ、極めて重要だと捉えておりまして、共感的に拝読しました。
そこで提案ですが、書きぶりを変えつつ、「はじめに」にできませんか、という具体的な御提案をしたいと思います。結果的にどうなるかはお任せしますが、私はそれぐらい価値がある内容だと思いました。
2点目です。学習者用端末環境ということで、5.3.のところに書いていただいている中で大事なことは、ハードウェアを整備しておしまいだと考える教育委員会さんが多い中で、ソフトウェアのフル活用、標準ソフトのフル活用ということもありますし、それから、もう一つは、コンテンツについての配慮がないという問題を感じています。
家庭に持ち帰っても使いようがない、デジタルドリルもないし、家庭から学習ツールを使えないところがあったりすることを考えると、ソフトウェア整備、コンテンツ整備も重要なんだというメッセージを出す必要があるかと思います。
その中で、日本では、イギリスと違って、イギリスはBBCジャムというデジタル教材の無償提供を始めて、たった1年で民業圧迫だと潰されました。日本は、幸いにして、このところ、そういった公的な無償教材の提供と民業とがきちんと並立しています。にもかかわらず、放送法の改定で、それが今、風前の灯になっていますから、そこは文部科学省からの要望で、ぜひそこは死守してほしいと思っている次第です。
3点目です。実は、いろいろと配慮すべき点があるかなと思っているのが2つあります。1点は、個別最適な学びの保障を考えると、障害があるお子さんとか、そういった部分の配慮がもう少し入っても良いのではないかと思いました。
イングランドや、US、アメリカなどでは、視覚障害だとか、聴覚障害だとか、それから、文字が読めないディスレクシアというお子さんたちへの配慮で、教科書体は読めないけれども、特定のフォントを使うと読めるといったこともガイドラインとして明示されているので、その整備を目指すということもあっても良いのではないかと思います。それから、能登半島地震で明らかになったように、今、端末の持ち帰りが標準になっていないために、ああいった緊急事態に学びは止まってしまいます。これは、持ち帰りを標準化することで、避難所からも学びを保障することができたりだとか、また、毎日持ち帰って毎日持ってくることによって、家庭と学校での学びをシームレスにできるということがある。それが結果的に大規模災害にも強くなるというレジリエントスクール構想みたいなものも打ち出していただくといいかなと思いました。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
皆さんにたくさんの御意見を今日いただいたところです。この後、できれば奈須委員にも一言いただいて、そうすると全員発言になります。
奈須委員に一言いただいた上で、事務局と、あと高橋主査に一言ずつお願いしたいと思います。奈須委員、お願いします。
【奈須委員長代理】
今日は割と条件整備に関わるところだったので、私のもともとの専門に関わっていることと割と遠いので発言は控えておりましたけれども、先生方の御指摘を伺う中で、やはり現状、GIGAは進んできましたけれども、まだまだ難しい点があるのだなということをまた認識させていただきました。
あるいはまた、地域ごとの格差というのは、GIGAやデジタルの整備、あるいは、ハードウェアの整備に限らない、いわゆる横展開ということの議論ですけれども、それについても、ソフトウェアの横展開も難しいですが、さらにこういった予算を含むハードウェアの横展開、あるいは、長期的にしっかりしたビジョンを持ってやらなければいけない横展開というのは、さらに難しいということを思っておりました。その中でも、今日最後の議題にございましたが、報告が出されたということはとても大きいなと思っております。
一つ、私の専門のほうから申し上げると、今日先生方がお話しになる中で、結局何のために使うのだ、つまり、それはまさに学びの変革ですし、授業観、あるいは、授業の具体の変革ということだろうと思いますけれども、そこが、それぞれ皆さん様々な地域、様々な文脈で多様な取組を展開くださっているんだなと思うと同時に、かなり良い意味でも、少し危惧する意味でも、ばらつき、散らばりが出ているような気はしています。
それは、多様であるということでは良いことですが、教育課程をお預かりしている立場からすると、やはりもう一度、現行学習指導要領が目指す学力論、あるいは、そこで言われた主体的で対話的で深い学び、あるいは、それを補完するというか、さらに発展させる形で出た個別最適な学びと協働的な学びの一体的充実というのが、私は、特定の方や特定の姿ということを限定してはいけないと思っていますけれども、どの辺りは共有できるのか、あるいは、この辺りは従来型の学習であり、引き続き重要だけれども、今進む方向からすれば、さほど重要ではないというようなこともあるのだろうと思います。その辺りの議論は、ここの部会で議論するかどうか分かりませんが、またどこかでしっかりとみんなで考えていかなければいけないことだなとは半分思っておりました。
それから、もう一つ思うのは、結局、これ、デジタル学習基盤の議論ですので、そういった学びの質の改善全体に対して、あるいは、先生方の授業改善全体に対して、デジタルが何をもたらすのか。もたらすということは、従来アナログでやってきたものをより省力化・効率化して置き換えるということもありますし、デジタルにしかできない新たな質を投げ込む、また、デジタルがきっかけになって、先生方の授業や、学習などの、子供のイメージが変わる。これは特にハードウェアの強みだと思います。ハードウェアがなかったときには考えてもみなかったことが、ハードウェアを使ってみたことによって、こんなことができるんだ、あるいは、こんな子供の姿が示されるんだと。それによって、先生方のハードウェアにとどまらない授業全体、あるいは、教師の仕事全体の問い直しに影響する。これはデジタルのというか、ハードウェアの強みだと思いますけど、その辺りをまたどこかで一度、やはりこのデジタル学習基盤特別委員会で整理していかなければいけないのだろうとは思っています。
学習指導要領の議論がまた先々始まるのだろうと思いますが、学習指導要領自体は、内容編成を中心にして、ソフトウェアベースの議論です。そこにおいて、教育方法の議論をどこまで行うか。あるいは、教育方法を支えるGIGAのような、まさに学習基盤の議論をどこまで入れるのか。
あまり入れ過ぎることは、本来の学習指導要領の改訂、つまり、教育課程の基準ということからすると行き過ぎるリスクもあって、それは場合によっては現場の自律性や創造性を減殺しかねないということ、ここも気をつけなければいけないと思います。ただ、このデジタル学習基盤ということが何を可能にするかということ、あるいは、それを目指してどんな方針を進めていくかということ、この議論は、実は指導要領改訂に先んじて、ある程度、いい意味で固めておく必要が私はあるのだろうと思いますし、堀田先生中心にそのことをずっとお進めくださっているのだと思います。
今日は、どちらかというと、その条件整備の話でしたけれども、一部の先生から出たように、さらに進んで、教材や、コンテンツなど、その辺りをどうするか。デジタル教科書ということもありますけれども、その辺りが、まさに紙の教科書を中心に行われてきた授業の在り方を大きく揺さぶる、あるいは、発展させる、あるいは、効率化するということに寄与すると思いますけれども、そのことも含めて、デジタルを投げ込むことによって、子供たちの広い意味での教材環境がどう変わるのか、改善されるのかということを、目指すべき学びの質との関係で議論をしていく。それによって、次の学習指導要領、つまり、全般は教育内容の基準ですが、教育内容の基準をどうすべきかということのまさに基盤が描かれるのではないかと思っています。
今回の、これからまだ少し先でしょうけれども、学習指導の改訂の作業が一つ悩ましいと思うのは、あえて言えば、アナログ学習基盤を前提に、これも本当に無自覚の前提に全てを考えてきた。ところが、これがまさに子供の学び、教室で展開させる授業の仕組みが変わってくる。デジタル学習基盤になると、それも大きく変えられる可能性があるし、変えるべき可能性があるのだと思います。また、新たに先生方も、御指摘のように、資質・能力としての情報活用能力等を含むデジタル学習基盤との相互作用でこそ培われるし、未来を構想すれば、培うべき学力というのもあろうかと思います。これも実は教育課程の内容、基準に関わってくることで、そこまで含めて、デジタル学習基盤というものが全体として何であり、どのようなアドバンテージを持っていて、従来の授業のどの部分を省力化・効率化すると同時に、新たな地平をどう築き得るのか、子供に新たに育てるべき学力論のようなことも含めて、ここで議論する必要があるんだろうなと思っています。
今日の議論は、その本当に一番基盤となる、ハードウェアの整備や、ネットワーク関係など、端末を活用したくても動かない、止まっちゃうとどうしようもないわけで、その辺のことをまずはやっていかないとどうしようもない。でも、その先をこれから秋冬に向けて、堀田先生のリードの下で御議論していくのだろうと思いますが、今日、そんなことが先生方の御提言、御発言、御指摘の中にいろんな形で出ていたように伺いました。
ですので、今日、また事務局では、先生方の御意見を、今日の主題だけではなくて、今後デジタル学習基盤ということを、教育課程編成を目指して、どう位置づけていくかということの別な角度でも、今日の先生方の御発言を御整理していただいて、新たな論点を打ち出していくということが可能であればありがたい、望ましいと思っております。
難しい注文ばかり申し上げましたが、この委員会は本当に大事なことを私は議論していると思っています。そろそろ、色々なところで次の教育課程どうするんだなんて話も出ますけれども、もうその一番前提となる、また、これまで僕らが十分考えてもこなかった部分の地平を動かすことですので、そこのまた御議論、これ、相互作用的というか、双方向的なので、難しいですけどね。つまり、教育課程を決めないと、その条件整備であり方法であるデジタルが決まらないじゃないかということも言えますが、何ができるかという道具立てや技術が決まってくることによって、本質論である教育課程の中身も変わってくるという、相互にキャッチボールしなければと思います。まずは技術的に、あるいは予算的にといいますか、あるいは、これはハードウェアの強みですが、物として明らかにそこに現出するデジタル学習基盤というものを、しっかりとその可能性を見据え、可能なところで先んじてどんどん構築することによって、良い形でキャッチボールが進むのではないかなんてことを思っております。
すみません。長くなりました。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
それでは、神谷室長、一言お願いします。
【神谷GIGAスクール基盤チームリーダー】 たくさん御意見をいただき、ありがとうございます。
様々に御意見をいただきまして、例えば、ハードウェアの導入によってデジタルが学習にもたらした影響でありますとか、そういったところ、この報告書の中にもところどころ部分的には出ているところではありますが、こういったところを、例えば、「はじめに」でまとめるなど、そういったことも検討していければと考えております。
個別の御指摘につきましても、足りないところへの記載などを検討させていただければと思っております。
この方針は、地方財政措置に向けたものということでございまして、標準的な自治体において、現行の学習指導要領に基づき必要となるものという考えで策定していくものであると思っております。そこと、もう少し先を見据えて、国費などを投じて実証などを行っていくものとの関係なども踏まえながら、本日いただいた御意見のこの案への反映を検討してまいりたいと思います。
どうもありがとうございます。
【堀田委員長】 ありがとうございます。
高橋主査、お願いします。
【高橋委員長代理】 様々御意見ありがとうございました。
ICT環境整備を大きく超えたような御提案であるとか、教材整備指針に関わるような御指摘であるとか、我々も検討して書けなかったような御指摘など、いろいろいただきました。改めて検討を承りたいというふうに思っております。
いずれにしても、先生方のメッセージから、電気や水道の様に学校の隅々まで、ICTが基盤として確実に使えるという御希望と、さらに、それだけでは困って、よりよい学校の発展をどう目指していくのかみたいな大きな話題もたくさんいただいたなと思っております。
我々、このワーキングでつくったこの案が各地にわたったときに、部分最適にならないように、トータルで考えていただきたいなという思いを込めながら、引き続きワーキングで検討させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
このワーキングの取りまとめ、一応おまとめいただいたところでございまして、また、今後、今のことを反映させていきたいと思います。
私どものこのデジタル学習基盤特別委員会としては、先ほど、奈須委員はここの委員長代行でもあるわけですけれども、中教審の教育課程部会や、義務教育の在り方ワーキングなど、そういったところで中心になっていらっしゃる方としての奈須先生の御意見、それを私どもはしっかりと踏まえて、このデジタル学習基盤の特別委員会からしっかりした提言を出していく必要があります。そういう意味で、私どもの役割も非常に大きくなっておりますので、これからも御協力をお願いしたいと思います。
まだ議題がもう一つありまして、議題(4)のその他になりますが、事務局から1点、追加の報告事項がございますので、事務局のほうでお願いいたします。
【寺島学校情報基盤・教材課長/学校デジタル化PTリーダー】 ありがとうございます。資料4に基づきまして、1点御報告をさせていただきます。
資料4にありますように、初等中等教育段階における生成AIの利活用に関する検討会議というものを、初等中等教育局長の下に設置をしてはどうかということを、今、我々のほうで予定しているものでございます。
設置概要にございますように、文部科学省では、昨年の7月に「初等中等教育段階における生成AIの利用に関する暫定的なガイドライン」を策定・公表したところでございますけれども、御案内のように、その後、技術の進展、あるいは、社会での議論ということはどんどん進んできているような状況でございます。
そういうような社会的な背景、あるいは技術的な進展を踏まえ、このガイドライン、今の暫定的なガイドラインの在り方も含めて、具体的な方向性を検討するために、有識者から成る検討会議を設置すべく今進めているところでございます。
検討事項は、学校現場における生成AIの利活用の在り方、あるいは、学習場面、教育での利用の際の考え方や留意点、あるいは、校務の利用での留意点や利活用に向けた方策について、その他が検討のスコープに入るのではないかと思っております。
今現在、人選も含め、様々な手続を進めているところですが、第1回のこの会議は、令和6年7月下旬をめどに開催する方向で、今、諸手続を進めているところでございます。
まず、こういった検討会議を初中局長の下に設置をするということで御報告をさせていただきました。
以上でございます。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
この検討会議は、私どものデジタル学習基盤の委員会の下に設置されるわけではありませんが、関連する重要な案件ということで、御報告いただいたところでございます。
それでは、最後になりましたが、学習基盤審議官の森さん、お越しいただいておりますので、森審議官から一言御挨拶をお願いいたします。
【森大臣官房学習基盤審議官】 失礼いたします。昨日7月11日付で学習基盤審議官に着任いたしました森と申します。
本日、委員の皆様方におかれましては、大変御多忙の中、御出席をいただきまして、また、精力的に御審議を賜りまして、誠にありがとうございます。御礼申し上げます。
GIGAスクール構想によりまして整備されました1人1台端末、そしてネットワークの環境は、全ての子供たちの可能性を引き出す個別最適な学び、そして協働的な学び、これらを実現する上で極めて不可欠でございます。令和の日本型学校教育の不可欠の基盤であるというふうに認識をしているところでございます。
この特別委員会では、GIGAスクール構想を含みます教育のデジタル化に関わる幅広い政策面について、全体の整合性も意識をしながら御議論いただいているものと承知をしております。
昨年度の補正予算におきまして、皆様御案内のとおり、1人1台端末について、都道府県に基金を設置した上で更新を行うという経費が計上されたところでございますけれども、教育データの利活用ですとか、ICT環境の整備など、今後のデジタル学習基盤の充実や教育のデジタル化を総合的に議論していくということがますます重要になっているというふうに考えております。
委員の皆様におかれましては、今後とも引き続き大所高所からの精力的な御議論を賜り、御指導賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。
以上、簡単ではでございますけれども、私のほうからの御挨拶とさせていただきます。
どうぞよろしくお願いいたします。
【堀田委員長】 ありがとうございました。
本日も活発な御議論をいただきましたが、時間の関係で御発言いただけなかった御意見もあろうかと思いますので、また事務局宛てにメールでいただければと思います。
では、今後の予定につきまして、事務局からお願いいたします。
【渡辺学校デジタル化PTサブリーダー】 次回の日程につきましては、また追って事務局から御連絡させていただければと思います。
【堀田委員長】 今日は、また私どもの役割の重要性みたいなことを再確認できたかと思いますし、個別な小さな一つ一つの案件と大きな方向とをどうやってつないでいくかという、ここのデジタル学習基盤の役割の様なことも私どもはしっかりと考え、何らかの提言をしっかりと提示していきたいと思いますので、今後とも御協力のほどよろしくお願いいたします。
それでは、今日の会議はここまでとさせていただきます。ありがとうございました。
―― 了 ――
初等中等教育局学校デジタル化プロジェクトチーム