高等学校教育の在り方ワーキンググループ(第16回)議事録

1.日時

令和7年1月31日(金曜日)10時00分~12時00分

2.場所

文部科学省(WEB会議も併用)

3.議題

  1. 審議まとめ(案)について
  2. その他

4.議事録

【荒瀬主査】  皆さん、おはようございます。定刻になりましたので、ただいまから、高等学校教育の在り方ワーキンググループ第16回を開催いたします。本日は最終回の予定でございます。御多忙の中、御出席いただきましたこと、御礼申し上げます。ありがとうございます。
 今日もまたウェブ会議システム、Zoomの会議システムを併用しつつ、文部科学省内の会議室で開催させていただいております。傍聴者の方につきましては、YouTubeで御視聴いただいております。
 また、報道関係者から録音と写真撮影の御希望がありました。許可しておりますので、委員の皆様におかれましては御了承いただければと思います。
 では、配付資料につきまして事務局、度會参事官補佐から御説明をお願いいたします。
【度會参事官補佐】  本日もどうぞよろしくお願いいたします。本日の議事、配付資料は議事次第のとおりとなっております。
 資料について不足等ございましたら、事務局までお申しつけいただければと存じます。
 以上になります。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。それでは、早速議事に入りたいと思います。
 本日は、これまで議論を重ねてまいりました高等学校教育の在り方ワーキンググループ審議まとめ(案)について御議論をいただきたいと思っております。
 まず、資料の1-2に基づきまして、高等学校教育の在り方ワーキンググループ審議まとめの案について度會参事官補佐から御説明をいただきます。その後の時間、意見交換としたいと思っております。約100分あります。よろしくお願いいたします。
 では、度會さん、お願いいたします。
【度會参事官補佐】  よろしくお願いいたします。資料を御覧ください。資料1-2になります。
 こちら、先月のワーキングと同様、赤字見え消しで示させていただいておりますが、先月のワーキングにおいて御意見頂いたものを踏まえて、修正した箇所は黄色マーカーを付しておりますので、そちらを中心に御説明させていただければと存じます。よろしくお願いします。
 1ページ目でございますけれども、前回この黄色マーカーの部分について、地域の話であったり地方創生の関係であったりと、そういった要素について御議論いただきましたが、そこでの御意見を踏まえまして、このようにしております。「このように高等学校教育を取り巻く状況が変化する中、これからの我が国を担う高校生が、自己の在り方生き方を考えながら、国家・社会の形成に主体的に参画し、活躍していくことができるよう、生徒一人一人の個性や実情に応じて多様な可能性を伸ばすとともに、社会で生きていくために広く必要となる資質・能力を共通して身につけられるようにすることが重要である。このことは、地方創生を含めた持続可能な社会づくりにも資する」という形で修正させていただいております。
 次のページをお願いします。2ページ目のところですけれども、高等学校教育を進めていくに当たって社会全体で取り組んでいく、社会全体で機運を高めていくという御指摘をいただきましたので、そういう文言を追加させていただいております。
 次のページをお願いします。こちら、多様性への対応と共通性の確保のくだりですけれども、特に多様性への対応については高等学校において義務教育段階以上に大事であるというところで、その旨を書かせていただいているところでございます。
 5ページをお願いします。まず、「その真偽を吟味しつつ」とありますが、ここは情報の取扱いのところです。前回、情報があふれる社会の中で、正しい情報の真偽を確かめることは重要であるといった御意見を頂いたことを踏まえて追記させていただいております。
 その下の段落でございますけれども、レジリエンスといいますか、想定外の困難や変化、そういったものに対応していくために書かせていただいたところですけれども、「さらに深刻さを増す少子化・高齢化、混迷の度を増すグローバル情勢、自然災害の激甚化といった大きな変化があいまって、社会や経済の先行きに対する不確実性がこれまでになく高まり、激しい変化が止まることのない時代の中で、こうした様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り開き、持続可能な社会の創り手となることができるよう、必要な資質・能力を育むことが求められる」といった一節を加えさせていただいているところでございます。
 続いて、少し飛びますが14ページ、お願いいたします。こちら、第1章の具体的方策の部分、遠隔授業に係るお話でございますけれども、前回、配信側と受信側の先生同士で、例えば受信側の状況を配信側の先生に伝えるといった、そういった連携が大事であると御指摘頂きましたので、「配信側と受信側の連携を効果的に行う方法や」というのを加えさせていただいて、そういったことも実証研究の中で取り組んでいくべきであるといったことを加えさせていただいております。
 続いて、また少し飛びますが19ページお願いします。こちら、第2章に入っていきますけれども、前回、夜間部含めた定時制課程について御指摘頂きました。そこで一つ加えさせていただいております。「加えて、定時制課程においても、勤労青年だけでなく、不登校経験など多様な背景を有する生徒も在籍している。こうした制度に対して、生徒自身のペースや興味・関心、学習ニーズ等に応じた学びを提供するため、心のケアに配慮したきめ細かな指導や校内での居場所づくりに取り組んだり、昼間部や夜間部だけでなく、昼夜間の三部制を設けたりしている学校もある。このような取組を生かしつつ、生徒が社会的自立に必要な資質・能力を身に付けていくことが期待される」と書かせていただいております。
 次のページ、20ページお願いします。ここは通信制のお話に入っていきますけれども、前回、サポート校、学習等支援施設のことですけれども、御指摘もいただきましたので、注釈で正確に書かせていただいております。
 次の21ページをお願いします。通信制高校に関わる入学者選抜の日程のことを書いた部分ですけれども、少し分かりにくい部分があったので、それが正確に分かるように書き足しているところでございます。
 23ページをお願いします。23ページは、日本語指導に関わって、外国人生徒に対するキャリア支援も重要だというところを明確に書かせていただいているところでございます。
 24ページをお願いします。こちら、先ほど定時制のお話もありましたので、定時制と通信制課程における優良事例の創出というところに書き加えさせていただいておりますけれども、定時制・通信制課程において心理的・福祉的支援や社会的自立に必要な資質・能力を身に付けられるよう、生徒の状況に応じて卒業後の進路を見据えたキャリア支援の在り方、個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実を通じた主体的・対話的で深い学びの在り方に関する情報提供を行うことが求められると書かせていただいております。
 その下でございますけれども、広域通信制高校の設置認可に関する状況の把握というものを新たに加えさせていただいております。国においては、近年増加している広域通信制高等学校に関して、通信制課程に係る私立高等学校の認可基準、標準例のことですけれども、令和5年に策定したものであり、これを踏まえた所轄庁における設置認可等の状況について把握することが求められると書かせていただいております。
 その下です。法令上、定められているものではありますけれども、通信制課程に係る情報の公表についても書き加えておりまして、サテライト施設も含めて実施校が法令等に則り適切に情報の公表を行うよう、国は継続的に働きかけを行うことが求められるといったところを加えさせていただいております。
 26ページお願いします。こちらの修正は先ほどの日本語指導に関わる部分ですけれども、少し文言を整えさせていただいた修正になります。
 続いて、29ページをお願いします。こちら、第3章に入ってまいりますけれども、こちら、カリキュラム・ポリシーを踏まえたカリキュラム・マネジメント、そういった取組を踏まえて資質・能力の育成にふさわしい教育課程になっているかというところのくだりですけれども、以前は「教育課程を編成し、継続的に見直しを行い」と書かせていただいておったんですけれども、少し加えて「教育課程を編成し、継続的に評価・見直しを行い」といった形に修正をしております。
 続いて30ページ、お願いします。こちら、教員不足に関わる御指摘で、免許外教科担任や臨時免許状の需要件数なども踏まえて御指摘をいただいておりましたので、書き加えさせていただいております。「加えて、免許外教科担任や臨時免許状による教師も一定数存在する状況において、指導体制の確保及び高等学校教育の質の向上を図るためにも、必要な財政支援や、特に免許外教科担任の許可件数や臨時免許状の授与件数の比較的多い教科の教師の計画的な採用・配置、教職に就いていない免許保有者の掘り起こしなどを促進することが重要ではないか」といった御意見もあったことも加えさていただいております。
 次のページをお願いします。次、専門高校の話に入ってまいりますけれども、専門高校においても特定の分野だけではなくて、いろいろな可能性を生徒さん、秘めていると思いますので、そのことが分かるように書かせていただいております。それが最初のところですけれども、「専門的な知識・技術を習得し、多様な課題を合理的かつ創造的に解決する力を養い、生徒の多様な可能性を伸ばすとともに」といった文言を加えさせていただくとともに、公務労働のお話もいただきましたので、「市役所や町役場において公務に従事し住民の生活を支える人材」ということも要素として加えさせていただいております。
 その一つ飛んだ丸のところですけど、「具体的には」の丸ですけれども、起こす業ですけれども、起業のことについても御指摘頂きました。ですので「また、その学びの過程において、産業界の方々から多くの刺激を受け、専門的な知識・技術等を生かして生徒が自ら起業することを選択することも期待される」といった文言も加えさせていただきました。
 次のページお願いします。32ページですけれども、以前は「地域の魅力やニーズを捉えた」という文言だったんですけれども、ニーズといっても今あるニーズだけではなくて、これからの将来を見据えたニーズというものもあるだろうということで、「我が国の将来を見据えた」ということも加えさせていただきました。
 続いて34ページ、お願いします。34ページは、時点更新となりますけれどもDXハイスクール事業、補正予算が成立しましたし、令和7年度予算案においても計上させていただいているので、そのことを加えさせていただいております。
 35ページ、お願いします。こちら、教育費の負担軽減の箇所において御指摘頂いていたところですけれども、備品や設備の整備といった御指摘も頂いていましたので端末のお話も加えさせていただいておりますし、一つポツを飛んで制服や学用品に関してのお話ですけども、以前の記述だと、そういったものを学校生活における意味だとか、地元の企業との調整が必要かのように読めるような文言であったところでしたので、少しそこを変えて「関連する産業への影響等を含め」、その意義を生徒自身が主体的に考える形に修正させていただいております。
 36ページ、お願いします。具体的な方策の箇所ですけれども、留学をはじめとする国際交流促進の箇所ですが、留学生の受入れに関して、その実態や優良事例を把握し、各学校の受入れの促進に資する情報発信に取り組む必要があることも御指摘頂いておりましたので、加えさせていただきました。
 37ページは先ほどの専門高校の関係で、ニーズのところで平仄をそろえて我が国の将来を見据えたと加えさせていただいております。
 最後が「おわりに」で42ページ、お願いします。教育課程の箇所のお話ですけれども、先月25日に次期学習指導要領の諮問が行われました。そういったことも踏まえまして、「高等学校学習指導要領の理念や趣旨の一層の浸透・定着が求められる現状や、多様な個性・特性を有する生徒たちに応じた適切な支援・指導の必要性等を踏まえ、高等学校の生徒の多様性に応える柔軟な教育課程の実現のため、共通性を確保しつつ、全日制・定時制・通信制を含め、諸制度の改善をどのように考えるかについて」といったものを引き続き検討していく必要がある形に変えさせていただいております。
 最後43ページですけれども、やはり大事なのが「「生徒を主語にした」高等学校教育の実現に向けて」といった一節を最後に加えさせていただいております。
 審議まとめ(案)の説明は以上になりますが、本日御欠席であります長塚先生から事前に御意見を賜っておりますので私から代読させていただきます。
 資料1-2の、提示させていただいている資料だと20ページになりますが、20ページの最後の丸ですけれども、こちらに、標準例の話にも書かせていただいておりますけれども、この標準例の策定についてを令和5年11月20日に文科省初等中等教育局の参事官付が示した際の留意事項にあるとおり、所轄庁によっては認可基準が未整備であり、またはガイドライン以前の基準のままであるなど、高校教育における共通性を担保する上で様々な懸念が指摘されているところである。ついては、特に認可県による認可時だけでなく、認可県外に通信教育連携協力施設を設けた後も引き続き当該施設を設置県の認可基準を参酌し、適切な学校運営がなされるように過去に遡及して常に見直していく必要がある、といった御意見を頂きました。
 もう1点ございまして、30ページの最後の丸になります。ここで教員の臨時免許取得者に係る指摘に加えて、その一方で、高度で多様な専門的知見を有する人材を教師として積極的に活用する特別免許状の活用促進は、あまり進んでいる状況ではない。単に教員の不足を補う観点ではなく、その意義を十分に受け止めて、授与権者である都道府県教育委員会が積極的に取り組めるようにする必要がある、といった御意見を頂きました。
 事務局から説明は以上でございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。今日御欠席の長塚委員からの意見表明といいますか、御意見も代わりに言っていただきました。
 それでは残りの時間、先ほど申しましたように、この審議まとめ(案)に関して御意見を頂戴したいと思います。いかがでしょうか。
 では、岡本委員。
【岡本委員】  多分また、皆さんと議論していく中でいろいろ出てくると思うんですけれども、本当に膨大な量のまとめ、お疲れさまでした。本当に長い期間のものだったと思うんですけど、本当に皆さんの意見が集約されている非常に良い内容になっているかなと思いました。本当にありがとうございました。
 これ、内容についてというか、文言についてというわけではないんですけれども、最初の「はじめに」のところもSTEAM教育など、ポッチの3つ目ですかね。STEAM教育などの実社会で課題解決に生かすためのと、こういうのがあるんですね。最近こういう教育の文言の中で社会って言葉はよく出てくると思うんですけれども、果たして高校生というのは社会をどう捉えているのかというのは僕、とてもよく、疑問というよりかは大丈夫なのかなと思う部分も結構あります。
 つまり我々大人が言っている実社会というのと彼らが見ている社会というのは、何か違いがないのか。特に我々、社会人とか社会に出るとか言うじゃないですか。その前の段階の高校生が社会というものをどう捉えて、どう物事を判断しているのかなっていうの、結構疑問に思っていたりしています。
 最近、大学生でよく見られるのが、単純化した社会というか、社会をとても単純化して捉えている傾向があるかなと思っていて。つまり、白か黒かの議論もそうですけれども、もっと社会って複雑とは言いませんけれども白もあれば黒もある、グレーのゾーンがすごく広かったりすると思うので、だからこういう社会の課題解決って言ったときに、高校生はどういうイメージをとっているのかなというのは少し今後も考えておく必要があるのかなと。こういうふうに我々、社会という言葉を使いたがるんですけれども、そんなに簡単に理解できるものでもないかなと思う。社会の見方というところもやっぱり重要でしょうし、その辺は今後、引き続き議論が必要かなと思いました。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。次期学習指導要領の改訂に向けた議論がいよいよ始まって、その中で教育課程企画特別部会という部会がスタートしましたけれども、小学生から高校生までの様々な声を聞く、そういうことを一方でしながら学習指導要領の改訂に向けて議論していきたいという話が事務局からもありました。
 そういったことがまた、会議にもフィードバックされることを聞いているんですけれども、我々もこの高校ワーキングとして高校生の話も聞いたこともありますが、なかなか高校生を交えて議論するようなことができているわけではないので、ぜひ、その辺り含めてやっていきたいと思います。
 とりわけ委員の皆さんは、そういったことを実際やっていらっしゃる方、本当に岡本委員も含めてたくさんいらっしゃるので、そこでの受け止めと、それから実際に別の人は別なところでまたやっていて、そこではまた違うことを受け止めていらっしゃるかもしれないので、そういった交流をする機会があったとは言えないわけですから、今後もこういう高校生に関する議論をしていくときには高校生の声をしっかり受け止めていく、その多様な高校生の声を受け止めていくことをやる必要があるのは本当に強く思います。
【岡本委員】  そうですね。地域によっても見えている世界が全然違うと思うので、その辺も踏まえて、ぜひよろしくお願いします。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。ほかにいかがでしょうか。文言の修正はもうもちろんのことながら、「おわりに」にむしろ関わってくるのかもしれませんけれども、今後の議論、これ、高等学校教育に関する議論がこれで終わるわけでは決してありませんので、今後に向けての課題の提示、あるいは期待といったようなことも含めてお話しいただければと思います。
 岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】  再度、すいません。今、このワーキング中でもあったんですけれども、学習指導要領の浸透具合というのが結構議論になったと思うんですよね。今回、在り方の審議まとめがこれから出てくる中で、これが果たして浸透する、しているのかどうかとか、どういう指標がこれに当てはまるのかみたいなものがもし事務局側であれば示していただくのもいいかなと思っていたりします。
 あとは、これが浸透する際に、これ結構文量長いし、すごく重要な資料であるんですけれども、人によっては全部読んだりすると思うんですけれども、そうでない人も多い。ある種、学校版や教育委員会版とか、もしくは仕事増やして申し訳ないんですけど、生徒向けもそうですよね。例えば今、中学校で不登校が非常に増えている段階で、文部科学省が本当に不登校とか、そういう子たちに対して、こういうことを考えてやっているんだよって示す意味でも、いろんな人たちがこういう考え方にアプローチできるところが必要かなと思いました。
 あと、最初に申し上げたような、これが浸透しているかどうかって、どうやってこれを評価というとちょっと堅苦しくなりますけれども、うまくいっているかなと見られるのかどうかってところも併せて議論していただければと思っています。
【荒瀬主査】  今後に向けてということですね。
【岡本委員】  そうですね。今後に向けて、はい。
【荒瀬主査】  浸透の度合いっていうのは、なかなか見えるのは難しいですね。
【岡本委員】  難しいです、はい。だからある種、地方において、今回、高知であったような感じで、その地域によって開校できていない教科があって、それによって困っている生徒がいるかどうか、その辺も一つの指標になるでしょうし。あとは総探意識アンケート、文科省、取っていましたけれども、総探で本当に自分の生き方、在り方を考える時間になっているかどうかとか、その辺も多少取ってみても新課程なのでいいのかなとも思ったりだとか。
 あとは不登校の子たちが、これは多分、国全体でシェアしたほうがいいと思うんです。鹿児島市も今、実はメタバース空間とか使って、コロナ後、1回も小学校1年生から学校に行ったことがない生徒が結構増えてきているんですね。急増しているんですよ。だから、その子たちがどういうふうな出会いとか機会から社会とつながってきたのかって、そういうところはもう文科省でシェアしていただいて、それで、それをまた全国に良い事例とかを広めていければいいかなとも思っています。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。いろいろと今後に向けてお話いただきました。
 お手を挙げていただいた方がたくさん出てきましたので、御発言をいただきたいと思います。
 塩瀬委員、お願いいたします。
【塩瀬委員】  ありがとうございます。お取りまとめ、お疲れさまでした。こんなに委員がしゃべったことが本当に文字で入っているワーキングはすごい珍しいなと思って、事務局の皆さん、大変だったんじゃないかなってすごい思うんですけど、文字として入れていただいて、すごいありがたいんですけど。
 その中で、例えば資料1-2の24ページのところですけれども、上からで見え消し除いての3ポツ目、「中学校段階で不登校経験を有する生徒が、欠席日数や内申点に関わらず、安心して高等学校に進学できるよう、国において令和6年8月、中学校等において自宅などにおける学習成果の成績の反映を促すための法令上の措置を講じたところであり」と入れていただいていて、1-3の主体の整理のところで国がこういう制度改正の通知をしました。あとは学校とか地域で反映するとか、高校入学者選抜の見直しをしてください、検討できますと整理いただいているんですけど、これがあまり多分、現場に伝わってなさそうな気がしていまして。
 結局、通知というのが通知文書として割と右から左に流れがちで、結局、教育委員会が考えるのか、各学校が考えるかというと学校単位であまり考えるのではなく、入学者選抜制度になると教育委員会単位だったりするので、どっちが考えるんですか、どっちが考えですかというのは結構、譲り合いになってしまって結局、前例踏襲型で進んでいるので、結構、県単位でばっと変えるとかいうところ以外はあまり動いていない気がしています。その何か不安の声を中学校生徒さんの親御さんからお伺いすることがあるので、この制度改正の周知ってところの周知を、周知具合としては力、入れておけるといいんではないかなと思います。
 そのときに前回のときにも話していたDXハイスクール中で、幾つかDXハイスクール、見に行ったんですけど、予算が単に椅子と机とプロジェクターになっているところがまあまあ多いので、何か人材育成に生かすとかはどうすればいいんですかというお話と、校務DXに移っているところが少なかったので、その中でいうと高校入学者選抜のところとかにもう少しちゃんとDXが入って、今、大学とかだとオンラインで入試要項とか申込みもできるんですけど、高校はまだそこが遅れているような気がするので、去年もありましたよね。出願忘れというのが、学校でも。
 そういうことをなくす意味でも、何かそういう高校入学者選抜のDX化から、もう少し制度の通知がうまく各地に伝わるようにというところまで踏み込んでもいいのかなと思いました。それは生徒さんの利便性とともに、制度改正をしたのに利用されないのはすごいもったいないなと思いまして、何かそういう通知がちゃんと伝わるといいなと思います。
 併せて1-3のところの4ページ目でも、前回お話ししていただいたような「通級による指導の制度必要性、意義について、高等学校のみならず中学校等の教職員や生徒・保護者等が正しく理解できるよう、分かりやすく情報発信する」というの、1-2でいうと26ページ目ですかね、の最初のところに書いてくださっているので、これ、前回話していたみたいに、通級に通わせる親御さんが「もっと早く教えてくれればよかったのに」っておっしゃっている点でいうと、高校の中で用意されている制度のバリエーションが中学校、小学校に伝わっていないとかいうのも、ここも同じ課題なのかなと思います。
 高校教育改革ワーキングと義務教育改革ワーキング、2つもともとあるので、本当は生徒にとってはつながっているんですね。保護者にとってもつながっているんですけど、でも文科省とか教育制度上、分かれてしまっているところを、もっと情報としての共有は結構抜け落ちているところがあるので、やっていますよ、やっていますよってお互いがずれているところはもう少しピックアップして、ちゃんとここを連続してつないだほうがいいんじゃないかなと思います。
 それが多分、この同じ26ページの次のポツのところにある、「日本語指導が必要な高校生の実態を踏まえた」ということに関しても多分つながって、高校には割とそれが用意されているんですけど、中学校年だと今、夜間中学校が結構、外国人在留者の日本語学校化している部分もあったりもするので、そこも必要としている人と用意されているパッケージとの間にずれがありそうな気がするので、中高の間の情報のやり取りをもっと頻繁にしたほうが、そんな制度が最初からあったんですねとか、去年からできるようなったんですねというのがもっと伝わるんじゃないかなって気はします。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。この高校ワーキングというのは、何か高校ワーキングと言ってしまうと不正確ですけど、私の知る限り、これは3代目の高校ワーキングのように思います。その前の代ですかね、いろいろと変えていこうということで、とりわけスクール・ポリシーをどう展開して、具体的に実質化していくかというような、そういったことをちゃんと周知しないといけないと。例えば、つくったらおしまいではなくて常により良いものに変えていく、さらには生徒も参加した中で検討していくって、そういったことをちゃんと伝えないといけないというので。
 これ、オンラインであったと思うんですけれども、全国の高等学校教育担当の皆さんにお伝えするための機会というのを設けたことがあったと思うんですね。何かそういったことでどれだけ伝わるのか、分からないですけれども。そういったことも含めていろいろとやっていかないと、決めました、もう決めたというので我々も決めたねというので、気がついたら決めたけどね、みたいになっているのは寂しいので、ぜひ文科省では周知の方法を考えていただきたいですし。
 これは、ほかの部会でもそうですけれども、ここに参加していらっしゃる方々がいろんな機会にこういったことをやって、こういう議論で、ここまでは合意したんだと。今後そういったことが各教育委員会とか学校で展開されていくことが望まれるし、そういう中でまたいろんな、場合によったら矛盾が生じたりとか不都合が生じたりとか、そういうこともあるでしょうから、お声を聞かせてくださいね、みたいな感じの、伝導というと変な言い方かもしれませんが、そういったことも含めてやっていく。いろんなところでやっていくことが大事だろうなということを思います。
 その意味で今、塩瀬さん、紹介してくださったけど、この資料1-3ね。これ、非常に重要な資料。
【塩瀬委員】  これ、めちゃめちゃ見やすいなと思っています。
【荒瀬主査】  そうですね。これは、まさに具体的方策の主体別整理ということで、具体的に誰が何していくのかということを考えないとこれ、前に進まないので、これ、まとめてくださっているので、こういったものも大いに広報といいますか、宣伝していただいて、これが伝わるようにならないとなりませんね。
【塩瀬委員】  さっきでいう欠席日数なしという話は、本当にバレーボールがポンポンと飛び交うだけみたいな状態だった。国は、これを決めました、教育委員会は学校に通達した、「学校が」「教育委員会」がとかいうボールが飛びかっているだけのような会話をちょうど聞いたところだったんで、でも、その上で号令が届いてないんであれば、文科省からもう1回伝え方を変えたほうがいいかなと思います。
【荒瀬主査】  そうですね。そうですね。以前、定時制高校の生徒と話をしているときに、定時制高校の生徒が何か涙流しながら学習指導要領を先生、読んでないんだって言う。だから、何ていうんですか、こういったものが本当に生徒にも伝われば、こういうことになっているはずだけれども、それはうちの学校ではどうですかという質問とかを先生にできる機会も出てくるかもしれないし、一緒につくっていかないと駄目ですよね。ありがとうございます。
 それでは、すいません、お待たせしました。内田委員、お願いいたします。
【内田委員】  ありがとうございます。非常によくまとめていただいて、ありがとうございます。今回のまとめのところの8ページ以降の遠隔教育であるとか、オンライン配信に関わってなのですけれども、配信側の体制等も含めて書き込んでいただいて本当にありがたいと思っております。
 不登校生徒に限らず、遠隔地教育で配信を受ける生徒にとっても、生徒同士のコミュニケーションであるとか教員とのコミュニケーションが非常に重要であると考えられます。ともすると受け手側に教員が配置されないとか、あるいは配置しないこともできるところだけ読み取られてコミュニケーションの部分、生徒からの発信のところがないがしろになるところがないように、生徒同士あるいは教員とのコミュニケーションを十分に行って教育効果が上がるように、優良事例という書き込みはありますけれども生徒からの発信、生徒に対してかみ砕くような場面も設定できるような表記を入れ込んでいただけると非常に助かります。
 寄り添うというところで、不登校の生徒が実際の我々がワーキングのところで三部制の京都の学校を見る中で、生徒が本当に生き生きと学習に取り組んでいる姿を見てコミュニケーションって改めて大切だなと感じましたので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。総合的に今日これ、皆さんに御意見が、さっき塩瀬先生からもいろいろと取り上げられているということですけれども、今みたいに、さらにこういったこともということありましたら、ぜひどんどんおっしゃって。最終的にそれをどうまとめるかというのは、最後は申し訳ありませんが私に御一任いただくことをお願いしようと思っておりますけれども、ぜひ、そのこともありますので御意見頂戴できればと思います。ありがとうございました。
 鍛治田委員、お願いいたします。
【鍛治田委員】  鍛治田です。ありがとうございます。
 26ページ、塩瀬先生もおっしゃいましたように外国につながる生徒の日本語指導のところですが、実際来る生徒たちは日本語習得の前に日本の文化も、また日本の学校の仕組みを知らずに来て、そのまま高校に入っているケースがあります。その場合、例えば、ずっと詰め込み型でやってきたのに全日制に入ると学校行事があったり、受験に関係ない科目がある、だからそういったものをもう全部拒否してしまって、クラス運営が非常に難しいといった公立の先生方のお声も聞きました。
 結局、その子はやめて通信で予備校と重ねながらするんですが、日本に来たときの子供たちの状態、心理的なこと、どんな学校があるか、どんな選び方ができるかというところも私たちが配慮する必要があると思います。
 夏に、中学校を卒業してダイレクトで日本に来た子は高校入学まで日本語を学ぶ場所がなくて困っているケースがあって、私たち、日本語集中講座をしているので、そこに入ってもらってといったことをしているんですが、行くところがない生徒たちがたくさんいるので、その辺りも配慮が要るかと思いました。
 24ページの教育支援センター、これらも非常に充実が求められると思っています。例えば当法人では総合教育センターを立ち上げておりまして、各校に巡回相談などを行っています。また、ほかの私学の不登校の生徒さんのためのサポートセンターにいろんな発達や心理の専門家を送り出しているようなことをしていて、随分安心になっているようですが、生徒たちの居場所というもの、その学校だけで完結して作っていくのは非常に大変なことですので、外部の力を借りながら生徒たちが安心できるような場所をつくっていくのが大事かと思っています。
 ただ、不登校の生徒の実態を考えるところもあったと思うんですが、不登校を出さないためのことが大事かなと思っていて、そんなに資源も手法も使わなくて、今あるもので教員の心、声がけだけでも随分変わるのではないかと思っています。
 資料1-3のところの具体的方策の中に、全日制が通信制課程36単位を認めるというのはなかったように思ったんですけど、これはどうしてかなと思いました。ここへの期待は大きいかと思っています。実際に本校も同じキリスト教系の学校の全日制から退学者があまりにも多いので、この36単位を連携したいという希望がございまして、それに向けて準備をしています。ただ、105単位もそちらの学校は卒業に必要なんですね。1年間35単位で、不登校のお子さんが多分、前期は何とか頑張ったり、行けるだろうと思うと思うんですが、2学期以降に35単位を取ることは通信制の単位でも非常に大変だと思っていて、連携も難しいことと、全日制の学校の教育課程の在り方も見直していかなければいけないのではないかなと、思っています。
 その県に通信制のことを確認しましたら、ほとんど認可基準がきっちりされてなかったことが分かったんですね。(今までの議論は)こういうところを言われているかと思いながらも、広域通信制の縛りがきつくなって、大阪府としては、ある程度ちゃんとやっているつもりが厳しいなと思いながら、でも、これは必要かなと思ったりしていました。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。今、1-3に関して御指摘といいますか、御質問がありましたけど、それ、いかがですか。
【度會参事官補佐】  ありがとうございます。1-3は、要は1-1とか1-2の資料にある具体的方策をトレースしている形になっています。36単位の制度改正は既に制度改正させていただいたので、今、この審議まとめの段階ですので、ここの具体的方策には、これから話を書いている形になっています。
【荒瀬主査】  これから、今?
【度會参事官補佐】  今、既にやっているというよりかは、この審議まとめ、提言いただいた、これからやっていく具体的方策のことを書いている形になります。
【荒瀬主査】  なるほど。だからもう、やっていることは特に新たには書いてないということですね。
【度會参事官補佐】  そういうことになります、はい。
【鍛治田委員】  ありがとうございました。
【荒瀬主査】  ただ、あれですよね。鍛治田先生のおっしゃっているのは、それがちゃんと伝わってないんじゃないかということなので、さっきの塩瀬先生がおっしゃっていたこともそうで、我々としては決めたし、やっているはずだ、みたいに思っているんだけど、実は全然伝わってない。全然じゃない、伝わり具合が悪くて十分でないケースがなきにしもあらずであるということなので、改めて、またいろいろと何度も何度も、大事なことだから何度も言いますよ、みたいな感じでやっていく必要があるんですかね。
【度會参事官補佐】  そうですね。荒瀬先生、御指摘のとおり、今の鍛治田先生のおっしゃってくださった事項を含めて今、いろいろ本日もいただきましたけれども、そういった施策をどう周知して普及させていくのかということはとても大事かなと思っています。それは今に始まったことではなくて昔からあることですけれども。そういったものをどう浸透させていくのかということも、どこかしらにまとめてってなるかもしれないですけれども、あらゆる事項について書き込めればなと。
【荒瀬主査】  そうですね。それこそ「おわりに」のところに1点、もうそれこそゴシックで書くみたいな感じの、強目に書いておくことが必要かもしれませんね。
【塩瀬委員】  先ほど鍛治田さんがおっしゃったみたいに制度改正の意味自体が伝わってないので、その数字だけが変わっていても、うちの学校には関係ないと思ってしまっていたりするのではないでしょうか。でも実際、通信と連携しようと思ったときに、そもそもの全日制側の体制がこれに合わせておかないと組めないという、さっき鍛治田先生がおっしゃった「組みにくい」ところが多分フレーズとしてあると、その数字の意味が伝わるんじゃないかなという気がします。
【荒瀬主査】  あと、あれですよね、趣旨が伝わらないと結局、これがあると逆に来なくていいみたいになってしまうんじゃないかという懸念を持っていらっしゃる先生もいらっしゃるので。だから、その辺りの趣旨が十分伝わることと、何ができるか、何をすることが必要か、何をしてはいけないかと、そういったことが、本当に丁寧な広報が必要になってくるかなということかと思います。ありがとうございました。
 では清水委員、お願いいたします。
【清水委員】  よろしくお願いいたします。まず、資料をまとめていただきまして本当にありがとうございます。非常に見やすくなっていると思います。
 前回、話題になった地域創生について少しお話をさせていただきたいと思います。まず1ページ目、非常にきれいにまとめていただきまして、あまり大きくどんと構えずに整理をしていただいて本当にありがとうございました。この地域創生に関わるところで先日、大学の部会で大学が地域創生の核にというようなテーマでいろいろ議論が進められたということを伺いました。
 普通高校も含めてすべての高校でというと少し行き過ぎの部分も出てきてしまうかもしれませんが、専門科高校のことについて32ページで触れていただいていますが、もともと専門高校のほとんどは地域産業の担い手の育成というのが大きな役割として、地域の求めに応じながら学校が設置されたのではないかと思っています。
 そのため、こういった地域創生のことが専門高校のところに盛り込まれたことを非常にありがたく思いますし、大学が地域創生を核に置くならば、地域創生に関わることをしっかり学んでいる専門高校の生徒たちが、地域創生を核に目指す大学に進学できるような体制をつくり上げていただけると、地域とともに小中高大という形で担い手をしっかりと育成していくことにもつながっていくのではないだろうか思います。
 また、専門高校からの大学進学も少なくないという表現をしていただいていますが、おおむね半数の生徒が進学をしている状況の中で、そういったところの観点も入れていただけるとありがたいなと思ったところです。
 別件でもう1点ですが、資料1-3でまとめていただいたところで、1ページ目の一番下のところにスクール・ミッションのことが書かれています。学校現場にいたときにいろいろ悩んでいたところですが、スクール・ミッションを国、学校設置者と書かれているところで、スクール・ミッションは設置者が考えるべきものだと思います。働いている学校のスクール・ミッションを、こうだというのはなかなか出しづらいとは思いますが、やはり、スクール・ミッションは学校が考えるものではなく、設置者が考えるべきものなのではないかと思います。
 設置者が学校や地域の状況や要望とか、いろんなことを確認しながら方向性を示し、それを受けて学校がポリシーをつくっていくのがあるべき姿なのかなと考えています。
 この資料では、国、学校設置者と書かれていますが、学校と設置者が一緒の欄に書かれていることで、どちらの仕事としてそれをやるべきことなのかが、曖昧になってしまうのではないか思います。この表自体、非常に見やすくて分かりやすくて、ありがたいことですけれども、このミッションのところは気になったところです。
 首都圏のような学校をたくさん抱えている自治体だと、ミッションを作るのも非常に大変な状態であり、学校数が少ないところだとミッションも作りやすいなど地域のバランスもあるとは思いますが、ミッションをどうしていくべきなのかを設置者にしっかり考えていただければありがたいと思います。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。これはスクール・ミッション、スクール・ポリシーの話は前の、前のというか、高校ワーキングといいますか、検討していたときに田村先生から大変詳しい、いろいろな御御提言をいただいて盛り込んだわけですね。それが令和3年答申に盛り込まれているわけですけれども。
 田村先生に御説明いただいたと思うんですが、これは単純な書き方の問題でいうと、ここで言うところの国の欄には不断の改善などの働きかけを実施ですから、国は働きかけをどんどんしていく必要があるよと。実際、決めるのは、これはミッションの場合は設置者であって、ポリシーの場合は学校がということになるんでしょうが、設置者が決めるときも一方的に決めるわけじゃなくて、学校とも十分やり取りしながらということだったかと思うんですが、田村先生、そういう感じでよかったですかね。
【田村主査代理】  そういうことだったように記憶しております。学校はもちろんスクール・ミッションについて考えるステークホルダーですけれども、最終的にはといいますか、それを取りまとめるといいますか、そういったところについては設置者が十分に関与していくことが重要かというように私自身も考えておりますし、そのように述べたかと思います。
 せっかくマイクを頂きまして、私、挙手していたことがスクール・ミッション、ポリシーに関わるところなので、続けて発言させていただいてよろしいですか。
【荒瀬主査】  どうぞ、ぜひお願いします。
【田村主査代理】  恐れ入ります。29ページ、資料1-2ですけれども、3でも結構ですけれども、スクール・ポリシーに基づいたカリキュラム・マネジメント、29ページになりますかね。今、見えましたね。ここのところです。29ページの黄色い部分、黄色いところですかね。ここですね。「評価・見直しを行い」とある、スクール・ポリシーに照らしたカリキュラム・マネジメントをというところですけれども、スクール・ポリシー自体の見直しであるとか確認であるとか、変更が可能だといったようなニュアンスが、ここで要らないかなと考えています。
 といいますのも、スクール・ポリシーを出してから、いろんな教育委員会様、自治体様などともお話しさせていただく機会がありましたけれども、これは例えば見直しって、どれぐらいのペースで行ったらいいんですかとか、そういうご質問も受けました。
 例えば、その学校が学科を再編するとか、その学校の状況に応じて、もしかしたらミッションのところから考えなければいけないかもしれない、考え直さなければいけないかもしれませんし、より具体的なスクール・ポリシーのところは、そういう学科再編のようなことがあれば必ず見直すことになるでしょうし、さらには高校全体、全国の高校全体が変化するとき、例えば学習指導要領改訂といったような節目においては、スクール・ポリシーをもう完全にがらっと変える必要は全くないと思うんですけれども、一旦このスクール・ポリシーでいいのかなというところは確認するといいますか、見詰め直すという言い方をよくすると思うんですけれども、そういったニュアンスが入ったらいいなと思うんです。
 避けたいことは、一旦決めたスクール・ミッションやスクール・ポリシーがすごく固定的で、もう一旦決めたら絶対変えなきゃいけないみたいな。そういう、もし受け止めになったら、長い間、例えば学校教育目標があまりみんな意識されないまま掲げられている状況になっていた学校もあったと、そういったことの繰り返しにならないといいなと思って発言させていただきました。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。大変大事な御指摘で、これ、本文もさることながら、今のお話で資料1-3もこれ、このまま読むと「スクール・ミッション、スクール・ポリシーの策定、これらを踏まえた学校運営・教育活動の展開、不断の改善」というのは、これは学校運営、教育活動の展開、不断の改善ですから、この不断の改善は何において不断の改善をするかというと学校運営や教育活動に関してと読めてしまうので、スクール・ミッション、スクール・ポリシーについて見直しましょう、今、田村先生のお言葉で言えば見詰め直すということが、ここにはニュアンス的に弱いように思いますので、これ、ぜひ加える方向で、また事務局で御検討いただけますでしょうか。
【度會参事官補佐】  分かりました。
【荒瀬主査】  本文はもちろんね、ここのところも連動していますので。
【度會参事官補佐】  はい、ありがとうございます。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。
【岡本委員】  いいですか、これ。スクール・ミッション、ポリシーでいつも僕、悩んでいるところがあって、小中学校は比較的、意味が広い言葉が使われているんですが、高校に入ったときにすごく、何というのかな、具体的なところまで踏み込んだスクール・ミッションとポリシー、たまに見えるんですよね。
 そのときにたくさん学校がある地域だったらいいんですけど、この地域、この学校しか通うところ、ないよねってときに、スクール・ミッション、ポリシーを生徒が見たときに、実態は違う部分があるとは思うんですけど、文言だけ見てちょっと自分の好みと違うなってとき、すごく苦しくなるなと思っていて。
 だから何か、メリットもすごく大きなものだと思うんです、スクール・ミッション、ポリシー、学校が組織として動いていく中で。一方で、それによって何か印象として、この学校はこういうポリシーだから、うちはちょっと違うなってなったときに、ほかの学校がないじゃないか、この地域というのはあるなって、少子化が本当に進んでいっている中なので、というのはたまに感じたりしていますよね。
【荒瀬主査】  なるほど。その辺りも踏まえて見詰め直すということがきっと大事でしょうね。
【岡本委員】  そうでしょうね。だから踏み込み過ぎて書くと、何かちょっと困るかなというところも見える。でも、そうしないと、ずっと組織として動きにくいというものがあると思うんで、なかなかその辺は、これがいいというのは言えないんですけれども、そういう弊害もあるのかなと思って聞いていました。
【荒瀬主査】  これ、もうないでしょうけど、私がしゃべり過ぎで申し訳ないですが。もうないでしょうけど、かつてはホームページに国公立大学何十%とか、あるいは、もうそれこそ関東地方であると早慶とか早慶上智とか何か、MARCHとか、そういった名前が出てきて、これにどれぐらい受かるかみたいなことがホームページにでかでかと出ているようなことがあって、それが何かあたかもスクール・ポリシーであるかのような。進路指導というのは教育の総和と言われますから、進路に結びつくということは、いかに様々な教育活動の展開がなされているかということで、それが何か大学の合否で決めるのかというのは、なかなかね。非常に胡乱に思いますから。
 今のお話も含めて常に見直していくこととともに、まさに審議まとめの最後にもまた大きく書いていただいた、生徒を主語にした形になっているかということの、そういう評価軸を持つ必要がありますね。
【岡本委員】  地方で多いのが国公立大学を中心としたって書いてしまっていて、私立で私はもう、この学部のこれがやりたいんだという子が入ってしまって、もう進路指導してくれなかったということ、結構あったんですよ。
【荒瀬主査】  そうですか。
【岡本委員】  そういうこと、こういうことを書くな、みたいなことを暗に言われたというのは結構あったんですね。ですので、今のは一つの例ではとも思うんですけれども。
【荒瀬主査】  分かりました。それらも含めて、もう一度スクール・ミッション、スクール講師についてしっかりと見直していく、見詰め直すことが大事だということだと思います。ありがとうございました。
 では、すいません、順番を申し上げてなかったですけど、この後、篠原委員、沖山委員、濱田委員の順で、まず話をいただきたいと思います。
 では篠原委員、お願いいたします。
【篠原委員】  ありがとうございます。まとめの19ページから20ページにかけてのところで通信制課程のコメントがあるんですけれども、前々からここを読んでいて気になっているところがあったので、何が気になっているのかなと思ったのですが、20ページの一番上の「自分のよさや可能性を認識し」という言葉と、その前のページにあります、「少ない登校回数」というのが、何となく何か因果関係のように読み取れてしまうところがちょっと気になるのかなと思っておりまして。
 この「自分のよさや可能性を認識し」というのは自己肯定感を高めるとか、そういう意味だと思うんですけれども、このフレーズを19ページの「必要な支援体制を整えていくとともに」の後に動かしていただけると、何となく登校が多いと自己肯定感が高まってみたいな、そういうやり取りになりかねないかなと思ってしまったので御検討いただけたらなと思いました。これが1点です。
 それと、具体的方策にも同じような文言がありますので、そこを御検討いただければありがたいです。
【荒瀬主査】  具体的な方策は何ページですか。
【篠原委員】  具体的方策のところは、どこでしたか、すいません、あと後でもう一度確認します。
【荒瀬主査】  場所を。
【度會参事官補佐】  24ページですね。
【荒瀬主査】  24ページ。1-2ですね、それ。
【度會参事官補佐】  1-2です。
【荒瀬主査】  資料1-2の24ページの。
【度會参事官補佐】  下です。定時制・通信制課程における優良事例の創出。
【篠原委員】  はい、ここですね。下から4行目といいましょうか、下から2つ目の丸の下から2行目ですかね。
【荒瀬主査】  なるほど、なるほど。ここのところの「少ない登校回数」との。
【篠原委員】  だから登校回数と自己肯定感については、学校には来ていないかもしれないけれども、通信制の生徒であれば例えば社会性も・・・。言いたいことはよく分かるんですけれども、学校以外で社会性をとても育んでいる生徒も多いんですよね。もちろん不登校の生徒もいるし、その不登校の、何というんでしょう、状況というのが本当に千差万別なので、通信制イコール不登校でひきこもらないでね、みたいに思われないほうがというか、今はそうではないという状況を一応、このワーキングでは理解していることが分かったほうがいいかなという意味です。
【荒瀬主査】  生徒が読んでも、ちゃんとね。
【篠原委員】  はい。何か、すっと読めるように。
【荒瀬主査】  何というんでしょうかね、きちんと見られているということが感じられるような文章にする必要があるということですね。
【篠原委員】  今は本当に全日制よりも通信制を選択しているような生徒もとても増えていますので。
【荒瀬主査】  分かりました。ありがとうございます。それはぜひ。
【篠原委員】  もう1点、それと似たようなニュアンスですけれども、22ページの最初の丸の下から4行目になるんでしょうか。「通信制課程に入学しながらも全日制・定時制課程の科目を履修し通学することに慣れていったり」というのがあるんですが、ここも、これも通学がなかなかできないでしょうから慣れていったりという意味合いだとは思うんですが、通学する機会を増やしたりというようなコメントでどうでしょうかと感じました。
【荒瀬主査】  なるほど。慣れるというのが評価の。
【篠原委員】  そうですね。何か慣れていないんだよね、通信制の生徒はと思われないほうがいいかなと。別に行こうと思えば行けるんだけどという人もいたりする、もちろん行けない人もいるんですけどね。
【荒瀬主査】  価値判断が入っているということですね。
【篠原委員】  そうですね。ちょっとニュアンスを中立的にしておいたほうがいいかなということです。
【荒瀬主査】  なるほど。とても大事な御指摘かと思います。
【篠原委員】  すいません。あと25ページに先ほどの一番上の丸ですが、通信制課程の公表のところですけれども、これは入れていただいてすごくよいと思いますが、この「通信教育連携協力施設を含め」という言葉を、もしかすると情報の前に入れたほうが分かりやすいかなと思ったんですけどね。多分、協力施設が情報公表を行う、自分たちでやることを想定していますか、これは。
【度會参事官補佐】  そうですね、はい。それを想定しています。
【篠原委員】  そうですか。
【度會参事官補佐】  それを想定していますし、実施校がちゃんと責任持ってという考え方ももちろんあるとは思いますけれども、そこをややニュートラルに、それぞれの施設、要は本校だけじゃなくて通信教育連携教育施設の情報もしっかりということです。
【篠原委員】  実態とすると例えば本校が、私どもの場合は協力校で、協力校にこういうことが必要だから、きちんとやってくださいねということを周知して、それで実質、動いているところがあって。協力校が自立的にそこを見つけてやることがもしかしたら難しいかなということを少し思ったんですね。ですが、そこの辺りのちょっとニュアンスの整理をしていただけたらなと思いました。実施校と通信協力、含めというところがわかりにくいのか。どういうふうに書けばいいのかがぱっとは出てこないんですが、両方の情報を公表しなくてはいけないんだと。そのことを、責任を持ってやるのはそれぞれなのか、それとも実施校というか、本校が主体的に指示するべきなのかという、その辺のことだと思うんですよね。
【荒瀬主査】  それは、それまでの通信制のワーキングとかでの議論の中では、まさしく実施校、本校が責任持ってやらない。
【篠原委員】  というようなニュアンスだったように思うんですよね。
【荒瀬主査】  でしたね。はい、だったと思いますね。
【篠原委員】  あまりこういう情報をまとめるようなことに慣れていない施設もいっぱいあると思われるので、何となく私の受け止めは、本校がきちんとネットワークの学校の情報も公表するようにという。
【荒瀬主査】  そうか、そうか、これね。多分、その意味で書いてあるのではないかなと思うんですよ。
【篠原委員】  ですよね、なのかなと思って。それであれば、この主体というよりは、情報の意味合いというのが協力施設を含めた情報ですよとあったほうがいいかなと思っています。
【荒瀬主査】  だから何か一言、例えば「教育施設に関する情報を含めて」かな。何かそうそういった言葉を補ったほうが分かりやすくなりますよね。
【篠原委員】  明解だと思います。
【荒瀬主査】  このままだと主語が。
【篠原委員】  主語なのか、そうです。
【荒瀬主査】  教育施設も主語になっているみたいに読めるということをおっしゃっているわけですね。
【篠原委員】  はい、そうです。
【荒瀬主査】  それは度會さん、そうですよね。
【度會参事官補佐】  その理解で、はい。
【荒瀬主査】  だから言葉を補えば本来の趣旨に戻るんじゃないかなと思います。
【篠原委員】  ありがとうございます。
【荒瀬主査】  でも、ありがとうございました。誤解を招くような表現は避けたほうがいいので。何となく私たちは分かった気になってしまっているけれども、初めて見る方が誤解のないようにしていく必要が絶対ありますから。
【篠原委員】  すいません。あともうちょっとだけですが、主体別整理の1-3の資料の3ページの一番上に学びの多様化学校のことがございますが、これは全・定だけではなくて通信制もありますよね。
【度會参事官補佐】  ございます。
【篠原委員】  なので、ここの場所なのかなというのを思ったんですが、これは全・定の項目の中に入っていますよね。
【度會参事官補佐】  そうですね。
【篠原委員】  なので、何かもう少し下の全・定・通どこでも、というところに移してもいいのかしらと感じたのですが。
【度會参事官補佐】  そこのところは、また修正を施したいと思います。
【篠原委員】  御検討ください。
【荒瀬主査】  これ、意外に技術的に難しい、枠で分類するのは、なかなかこれは。でも、今おっしゃったのは大事なことなので。
【篠原委員】  そうです。こうして整理していただくと、とてもこの全・定・通、結局、何が、どこがやったらいいのという議論が前回もあったと思うんですけれども。
【荒瀬主査】  逆に、やらなくていいみたいになっちゃいますよね。
【篠原委員】  はい。実態としては通信制も多様化学校やっているので、もう既に、その辺りが誤解のないようにと思いました。
 一つだけ御提案というか、先ほど広報の話がございましたけれども、実際にあるテーマに関わる教職員が、どのタイミングで何の制度のことを知りたいと思うかというのは分からないわけですよね。なので、一番いいのはQAじゃないんですけれども、一覧があって検索ができる。自分が例えば、その単位数のことが分からないのか、学校間連携のことが分からないのか、そのときにキーワードで検索ができて当該の制度がこういう状況になっていることが表示され、さらに、もし何かクリックすると、その背景となった考え方みたいなのがまとまるような、そういうサイトがあるととても周知がしやすいのではないかなと思いました。
【荒瀬主査】  なるほど。それはそうですよね。キーワードを入れていくと、そこに行って、これじゃない、もうちょっと別のキーワードに入れ替えたら、また別のところが見えてきてというような、そういうのって。
【岡本委員】  ChatGPT、AIに質問したら答えてくれるような、流しておけば、全然できる。
【篠原委員】  そうか、今はもうそうなのかもしれないですね。私自身も検索して、例えば検索の仕方が悪いと思うのですが、制度そのものを知りたいのに委員会の議題に行き着いたり、いろいろですよね。ですから、そうじゃなくて逆に言うと今、制度はどうなっているのというのをぱっと知りたいときに、どういうやり方をするとそこが出てくるのか。すいません、ICTに弱いのでよく分かりませんが、何かそういう検索システム、周知のために行脚していくのも大切ですけれども、両方あるといいかなと感じました。
 以上です。
【荒瀬主査】  いや、それはね、それでもう疲れ果ててしまって、もう、いいわってならないように、ちゃんとした道筋つくる必要、ありますよね。
【塩瀬委員】  文科省など役所の文章は全部、最後PDFで発信したことにして片づけるので生のテキストが検索に引っかからないんですよ、APIに。PDFでの発信はそのファイルの存在を知っている人、わざわざ見る人しか見ないで、本当は元のソースで、べた打ちで並べないと多分生のテキストが検索に引っかからない。今の多分、法令のページに近いような形で制度改革のページをずらっとテキストで落としたほうが検索に引っかかるので、多分検索されやすい情報発信というのは大事かなと。
【荒瀬主査】  これ、すぐに御判断いただくのは難しいかもしれませんけど、可能な限り、これ、いろいろと高等学校教育、変わってきているといいますか、変わっていっていただこうとしている中で高校生が今、どうなっているんだ、高等学校教育というときに検索ができるようなことが可能になる、そこがポイントだということで、また御検討いただけますかね。
【度會参事官補佐】  分かりました。
【荒瀬主査】  よろしくお願いいたします。ありがとうございます。よろしいですか。
【篠原委員】  はい、以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。沖山委員、お願いいたします。
【沖山委員】  ありがとうございます。よろしくお願いします。
 皆さんの御発言がいろいろ広がり出しているところで順番が前後してしまい申し訳ないんですけれども、鍛治田委員が先ほど発言された36単位の問題が見えにくい感じがするといういうことについて、度會参事官補佐からは、それは既に制度改正がなったことであり、この最終まとめはこれからのことをまとめていくというような御発言がありました。このことについて申し上げたいと思います。
 実は私自身は一昨年の夏に、「翌年の4月からは36単位まで学習できるようになる」という報道があったときに、実は正直に言うとちょっと驚きました。このぐらいのスピード感を持って制度改正がなっていくんだなというのは、このワーキンググループの委員をしていてもちょっと驚きだったというのが正直なところです。
 ただ、確かにこの制度改正を受けて学校ではそれに取り組んでいくことが求められるという自覚が深まることで、取組が始まることが期待されています。しかし制度改正がなったから本当に学校が動き出したかというと、残念ながらそうは言えない現状があると思います。
 それはなせかということを考えてみると、一つに例えば、この本文の中にも、あるいは別の「具体的方策の主体別整理」という資料の中にも出てきますけれども、「国の実証研究や優良事例を踏まえて」という表現がたくさんあることです。そうすると学校としては、これから国が実証研究していくんだろうと、それから優良事例もこれから出していくんだろうと、だから学校としてはそこからそれを参考にして取り組めばいいという認識が広がっているような感じを学校現場にいる者としてもっています。
 そんなことは決してなくて、今般の制度改正というのは早く学校現場で形にすることで子供たちの学びを変えていくというか、支援していかなければならないと思っているんですけれども、なかなかそうなっていないのは、こういった記述が誤解されているということがあるんじゃないかなと感じているということです。
 ただ、まとめ全体としては、例えば本当にワーキンググループでの意見交換が丁寧にまとめられていて、例えば高等学校の在り方をめぐっては義務教育段階以上に急いで検討する必要があるんだということや、それから生徒を主語にした学校の在り方の実現に向けてということについて改めて明記していただいたことは本当にありがたいと思っています。
 ここで議論されてきたことが、生徒自身が自分たちの学びを豊かにしていく、確かにしていくための武器にならなきゃいけないと思っているので、どなたかの発言にもありましたけれども、このまとめの内容が概要版のような形で高校生に読める形で読みやすい形でまとめられて、何よりも高校生に届けられていくといいかなと思った次第です。
 聞こえたでしょうか。すいません、よろしくお願いします。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。大切な指摘をありがとうございました。ですから、さっきも御意見があったわけですけれども、本当に一覧的に見られるようなっていいますか、時間がたっても今、こういう状態だということが分かるように、そういう地図みたいな感じのものも含めたものがあるといいなということを思いました。ありがとうございました。
 では濱田委員、そして岩本委員の順でお願いしたいと思います。濱田委員、お願いいたします。
【濱田委員】  よろしくお願いいたします。審議のまとめ、本当にありがとうございました。私からは、このまとめを踏まえまして、今後の課題という観点で2点ほど述べさせていただきたいと思います。
 まず、1点目は遠隔授業についてです。少子化が加速する地域における高等学校教育の在り方のまとめにおきまして、小規模校のメリットを最大化し、課題の解消や教育条件の改善につながる方策として、遠隔授業の活用に取り組むべきと明記していただいたこと、本当に大変うれしく思っております。
 遠隔授業の活用は、生徒の多様な興味関心や進路希望への対応策として有効ですし、学校間連携、あるいは大学や企業との連携等にも欠かせないツールになり得るものと考えております。したがって今後さらに研究を積み重ね、この遠隔授業を全ての高等学校で推進できるよう、遠隔授業システムを高等学校の標準ツールとして全ての高等学校に導入ができ、国内外をフィールドとした多様で協働的な学びの機会が生徒たちに提供されることを心から期待をしております。
 2点目です。2点目は、公立の通信制高等学校の機能強化、学校間連携の促進についての単位制の移行についてです。その中で、学校間連携に取り組む上で有効な学期ごとの単位制、学年制による単位制の移行の在り方についても調査研究を行う必要があると示されました。ですが、これは通信制だけではなく、全日制、定時制においても同様な方向で考えていただけたらと思っております。
 生徒たちの現状を考えますと生徒の思考も考え方も将来像も様々で、これまでのような一律で標準的といったものが提示できにくい状況にあるのではないかと考えております。一人一人の意思や自己実現を支え、学校側として導いていくためにも、より柔軟なシステムが必要で、教員にも柔軟な姿勢が求められていると思いますので、ぜひ学年制から単位制の移行の必要性について、今後の論点の一つとして検討していただきたいとお願いしたいと思います。
 以上です。ありがとうございました。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。今後に向けてということですので、それをどういう形で踏まえて「おわりに」とかに書くかどうかというのは検討させていただきたいと思います。ありがとうございました。
【濱田委員】  よろしくお願いいたします。
【荒瀬主査】  では岩本委員、お願いいたします。
【岩本委員】  岩本です。ありがとうございます。全体を通して、本当にここまでまとめていただきましてありがとうございます。私から大きく3点あります。
 1つ目が、通信制に関するところです。具体的方策の中でも広域通信制、高等学校の設置認可等に関する状況の把握というようなところがあるかと思うんですけれども、ここに関して私も今週、所轄庁による広域通信制、あと連携協力施設の点検調査に同行させていただいて、もう衝撃を受けたというか、唖然としたというか、こういう、この場で具体的なのは控えますけれども、まだこんな実態があるのかというところで非常に驚いたようなところもあります。
 今回、設置認可等に関する状況の把握と書かれているんですけれども、本当は、所轄庁は設置認可だけではなくて、設置認可は審査して認可したら、その後、適正な運営や教育が行われているかの監督の責任がある中で、実際、この所轄庁の設置認可に加えて点検調査やその指導監督の状況についても、できているのか含めて把握をしていくとしたほうがいいと思います。
 所轄庁の現状を聞いていると、もう実態の把握さえ、なかなかできていないところもあるということですし、点検調査や指導、監督に関してですね。所轄庁だけではやり切れない部分というのも、特に広域通信制に関してはそういった声もありますので、まず、その状況の把握をした上で、どうしたらそれができるようになっていくのかという、改善に向けた方策を検討していくところはしないといけないと思いますので、そこら辺の書きぶりを入れていただく必要があるのではないかと思います。
 併せて今、ページに映っています通信制課程に関わる情報の公表のところで、先ほども意見はありましたけど、ここ、国は継続的に働きかけを行うことが求められるとなっていますが、これ、国だけではなくて所轄庁も働きかけというか、法令等にのっとった情報の公表は行うようにちゃんと指導、監督しないといけないと思いますので、書きぶりも、ちゃんとやるべきところはしっかりとやり切るような形にするように、少なくとも法令でなっているところに関しては、そういう指導、監督というと言葉は強いかもしれないですが、何か適切な表現にしたほうがいいのではないかと思います。
 あと加えて、ここにもう一つ通信教育のさらなる質の維持、向上に向けた方策の検討というのを項目で具体的方策の中で書くべきではないかと思います。本文では、今後さらなる質の確保・向上を図るための方策を講じていくことが求められると書かれていますので、これ、具体的方策のところでも通信制に関しても社会性を育むための協働的な学びの充実だとか、メディア減免の在り方だとか、先ほどありました所轄庁における点検、調査や管理、指導の在り方とか含めて、質の向上に向けた論点ってまだまだ多くありますので、ここは今後の通信教育の在り方だとか質の維持、向上に向けた方策について、より専門的な検討を行っていくような辺りを載せて、今後も引き続き、これに関してはやっていくべきではないかというところが大きく通信制に関してのところです。
 2つ目は、何ページでしたか、留学をはじめとする国際交流の促進のくだりです。これ、具体的方策のところで留学生の受入れに関して、その実態、優良事例を把握しと、各学校の受入れの促進に資する情報発信等に取り組む必要があるようなこと、書かれていますが、ここ、国際交流促進というのは私、非常に重要なポイントだと思います。これをやっていくことが、外国につながる生徒の受入れの体制整備にもつながっていく話だと思います。
 これ、初中局ではないですけど、教育未来創造会議の第二次提言でも高校生の留学生の受入れを2万人にしていくような目標も設定されて提言されていますし、文科省のほかの局で今、されているGlobal×Innovation人材育成フォーラムというところでも、高校段階における留学生の受入れの促進を今後議論すべき内容というところで書かれていますので、ここの中にも今後、高校段階における留学生の受入れの促進に向けた総合的な方策の検討みたいなところも、初中局中でやることじゃないですけれども、国際教育課とか相談していただいて、そういったところも織り交ぜて今後、別の部署でもしっかりここは検討して進めていくようなところ、高校に関わる話ですので、ここでも書けるといいのかなと思っております。
 最後3点目が周知の話と評価、改善のサイクルというところで、ほかの、ここまでもたくさん意見ありましたので、一つは、中間まとめのときに、中間まとめの内容をイラストとともに要点整理した資料って作って、とても分かりやすいもの、これですね、あったと思います。これをより改善して、今回の最終取りまとめの要点整理とかで加えていくのかとか含めて、せっかく作ったもの、中間まとめのときやりましたので、こういったものを改善して、より充実させて、より使っていくとか、というのは一つあるのではないかというのが周知のところのツールの話です。サイト上にあったりとかすれば、サイトでいろいろ検索できるのは、よりベターだと思いますが、すぐにできることでいったら、これを改善していくところかなと。
 あと、もう一つは今回資料の1-3ですかね。それぞれのタスクとかというところまで出していただいていますけど、今後これの評価、改善のサイクルを回していくところも大事なのかなと思います。これ、「おわりに」とかにも、そういったことをやっていくというのを書いたほうがいいのかなと思いますし、来年度以降、年に一度でもここって実際に具体的方策はどう進んだのかとか、そこでまだ課題があるんだったらやり方を、変えていくだとかみたいな形で、次の大きい、こういう取りまとめができるまでは、これに基づいた評価、改善を年1でも回して公表していくとかやっていくという、そういったサイクルを、文科省さんも大変かもしれないですけど、もしくは何かの委員会というか、中教審か何かに紐づけてなのかもしれないですけど、これは回していく必要があるのかなと思うところです。
 すいません。長くなりましたが以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。文科省内での調整をしていただく部分もあるのかも分かりませんが、さっきおっしゃったイラスト入りの例のここの資料、ありましたよね。これって今回は何か、お考え。
【度會参事官補佐】  業者とかの関係もあって、我々の中でのメンバーだけで作成したわけではなかったので、当時ですけれども。そこを含めて、やり方は検討する必要があるかなとは思います。
【荒瀬主査】  分かりました。とにかくいろんな形で広げていく、共有していくことは非常に大事なことなので、ぜひお考えいただきたいのと、それと継続していくということですよね。最後、おっしゃったことは。そこのところも、どういう方法があるのか考えていかないと、これ、たまたまこのワーキングって形を変えてずっと続いてきているわけですけれども、今後どうしていくのかというのは、またぜひお考えいただけるとありがたいと思います。ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。岡本委員、どうぞ。
【岡本委員】  提案ですけれども、先ほどから周知の話があったと思うんですが、結局、我々がやりたいことというのは生徒の学びをいかに支援するのかとか、いかに学びを諦めないで意欲的に取り組んでいくのかが大事だと思うんですよね。そうなってきたときに、鹿児島でもこういう議論をしていたんですけれども、小中、中高と上がっていくときに不安というのは絶対あるわけですね。子供たちが中学校の段階とかで高校進学にちょっとした不安を感じている、それをどういう表現にするか。
 不安としちゃうと強くなってしまうんですけれども、例えば途中でセーブ・ザ・チルドレンの方々がいらっしゃった回があったと思うんですけれども、経済的に少し不安があるだとか、そういうときに、ここを見たらいいよとか、そういうリンクを飛ばせるだとか、もしくは教育課程において例えば情報なり物理を学びたいけれども、うちでは学べないかもしれないといううわさを聞いていると。これは本当、どうなっているのかなって、クリックやタップしたら、いや、制度上はここに書いてあるように、きちっとそういうのに対して柔軟にできるようになっているんだとかいうように。
 つまり、ここに書いてある文言って抽象度が1個高いんですよね。でも生徒たちというのは、具体的に自分の持っている不安感なりというものをどうなっているのか、知りたいわけですね。そうなったときに生徒が考えそうな文言で、これってどうなっているんだろうということを幾つか項目につくってあげて、クリックやタップとしたら、国の方策としてはこうなっているんだな、だから、じゃ、大丈夫かもしれないなと思えるようなページがあってもいいのかなと。
 だからもう中学生には高校に上がる段階でも、自分でどんどん検索したりして行く子も多いわけですね。親を説得するときに、いや、高校に行くと、こういうものが大変じゃないかって言われる、でもお母さん、見て、お父さん、見て、こんなふうに今、国が指示、出しているんだよと生徒自身がその不安を解消できるように、そういうページも何かあったり。奨学金の一覧があるだとか、あとは先ほど通信制の話もある、そういうふうなものがあるだとかとして、生徒が出てきそうな言葉で何か質問に答えられるようなページがあって、あと、それの存在自体を知らせなきゃいけないと思うので。
 これ、文科省的にどうか、分からないですけどSNSを使ってみて、日頃、高校生、中学生が見ているような、もしくは高校生が見ているような媒体において、こんなページがあるんだ、ここ行ったら何か自分の得られる情報というものとか、不安が解消されるかもというものがリーチできるようにできればなと思いました。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。今、いろいろと出てくる要望は、文科省に文科省にとなっているのが多いんですけれども、これね、現実に学校に学校にというのと似ている部分があるので、そういったことをこの国の中でやっているところも現実、ありますよね。そういうところとのリンクをどうやっていくかってのを考えるほうが、現実的な気もしますね。
【岡本委員】  そうですね。経済的に困っているのは、そういう支援をしている企業がポータルサイトにまとめてくれているところにリンクを張るだとか。
【荒瀬主査】  それは、この間のセーブ・ザ・チルドレンなんか、まさにそうですよね。その辺の情報を出すほうがよほど。ただし、その情報についての真偽というか、大変申し訳ないけど、そういったことについての眼も養っていくというのはしっかりしていかないといけないと思うんですけれども。ありがとうございました。
 では、続いて青木先生、どうぞ。
【青木委員】  青木でございます。今日は本務校の業務の関係で30分だけの参加となりまして申し訳ございません。ということで、会議の流れも分からないまま発言を求めるということで、発言してもいいんですよね、今日。大丈夫ですか。
【荒瀬主査】  青木先生、駄目って言ったら、やらないんですか。
【青木委員】  いや、今、どういうターンなのかなというのが分からなくて。
【荒瀬主査】  いろいろ出ています。今後に向けた話が今、結構たくさん出ています。
【青木委員】  分かりました。ありがとうございます。そうしますと私もちょうど事前に審議まとめ(案)で見え消しを見ていましたので、こちらについて意見を申し上げるということで、よろしいですか。
【荒瀬主査】  はい、ぜひお願いします。
【青木委員】  ありがとうございます。では24ページです、まず。高校入試に関わってですが、これ、中学校段階の不登校等々、多様な学びということを制度上、確保するということで政策をやっていますので、それを踏まえると高校入試の在り方も内申書重視というような、これまでの在り方を変えることが大事だという立場です。
 そうしますと、ここ、「引き続き」と赤字で追加されてはいますが、これをもう少し強い表現にしてもいいのではないかなと思いました。「もっとしっかり」とか、言い方はいろいろあると思うんですが、修文はお任せしますが、もう少し強く考慮を促す、配慮を促すような言い方にしていただければと思います。これが1つ目です。
 あと三つあります。31ページです。私、幾つかの県で高校の将来構想に関わっている立場から専門高校、とても大事だと考えています。とはいいましても専門高校、少子化に伴って、これまでと同じような形で専門高校の学びを提供することができなくなっている県も多いわけです。ただ、普通科と違って一般に専門高校は、例えば農業学科、農業高校では実習の農場があったりとか、非常に重要なインフラがあります。この既存のインフラをむやみに更地にすることなく、例えば統廃合の対象になったとしても新たに設置される専門高校が利用できるような形できちっと残したり、有効活用することが必要かなと思っています。
 例えば農業高校と工業高校でお互い農場とか実習室を相互に使い合うとか、新しい学びを提供することとリンクして、せっかく今ある県のインフラ、設置者のインフラである、そういった単なる校舎じゃない部分、農場等を有効活用する必要があるかなと思いますし、複数の高校での学校間連携というのは今回の審議のまとめでも強く打ち出していますので、それと絡めて何かもう少し強く推せないかなと思っていたところです。
 それから34ページです。今、非常にホットイシューになっていますけれども、私立高校に通学する生徒への支援ということ、これ、もちろん大事だということは理解していますが、入学した後に県立高校ではあまりかからない費用が私立高校ではかかることももちろんあるわけですので、なるべく私立の無償化の恩恵を受ける私立高校にぜひお願いしたいなと思っているのが入学後の必要経費、こういったものの情報公開というのをもう一段踏み込んでやっていただくことで学校選択、あるいは私立高校に入学した後、経済的に困窮しないようにという、学びを継続するためにも、そういう情報公開というのは大事になるのではないかなと思っています。
 併せて、私立高校と公立高校の関係についても何かうまく書き込めないかなと思っていまして、もう事実上、イコールフッティングになっているんだと思うんです、私立高校、公立高校。そうした場合に、公立の支援というのが逆におろそかになっちゃうんではないかなという危惧を持っていまして。例えば、私立高校では一部費用を徴収してスクールバスをかなり広域に運行していることも多いわけですので、逆に県立高校でたしか通学バスを回しているのは、私の勘違いじゃなければ鹿児島とか一部の県にとどまっているように思います。
 これからは通学手段の確保というのを高校の設置者としてはきちっと、特に公立の設置者は、すべきだと思いますし、そういった観点から国の設置者に対してメッセージを出していただきたいなと思いました。
 最後です。42ページです。今後の検討課題ということで、これも既存の高校の学校間連携とか、かなり強調していて、今回の審議のまとめの大きな柱になっていて、私もすごく賛同するところですが、一方でまだ十分議論できてなかったな、今後検討していただきたいなと思うのが縦ですかね、言わば。横の学校間連携は結構、書けているんですけど、縦の、例えば高校生が大学の授業をとって、それを卒業単位にするみたいな意味での高大連携ですね。
 すごく今、ギフテッド教育とかも言われていて、非常に特異な才能とか優れた才能を持つ高校生に高校という上限を定めないで、もう大学の授業もどんどんやって、探究も含めて、そういう機会をどう制度的に保障するかという観点は、次のフェーズでは非常に重要な柱になるかなと思いました。という個別についての意見は以上であります。
 最後、さっき私、ちょうど入室したときに今後継続して検討する在り方とか、体制みたいな話題があったように思いますので、私もそういう継続的に高校教育政策について検討する場が必要だと考えています。例えばそれは、最近になって高校の無償化とかの流れがあることによって国のコミットメントが強調されるようになってきた政策の動向と、もう一つ、高校政策というのは地域の経済とか、いろいろな地方創生とかの政策と結びつく関連する分野で、義務教育とそこが違うんだと思います。
 そうした場合に、例えば総務省が来年度、地財措置で高校教育に対する支援事業というのを盛り込むわけですので、省庁間の切磋琢磨という点でも教育の主管省庁である文部科学省としては高校教育をしっかり議論する、継続して議論していく必要があるように私は思っております。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。いろいろ具体的なお話と、それから今後の議論の継続に関してお話しいただきました。ありがとうございました。これ、具体の文言に関わることについては、最終的に、さっきも申しましたけれども検討させていただいて、その上で、全てを盛り込めるかどうか分かりませんけれども考えさせていただきたいと思いますし、事務局にもその点はお願いしているといいますか、事務局がもともと、そのおつもりでいらっしゃると聞いております。
 あと今後、どういうふうな形で高等学校教育に、議論がないと誰も見てないというわけではないんだけれども、寄り添っていくかっていいますか。そこのところも、もうぜひとも考えないと、ついつい、これ、どうなっていますか、あれ、どうなっていますかと言う人間がいないと、これもあれも形骸化してしまうというか、忘れられていくことになってはいけないので、その辺りについても、また考えなければならないなと思いますし、事務局ともまた御相談したいと思います。ありがとうございました。
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ、篠原委員。
【篠原委員】  今のまさに議論について少し思ったことを申したいと思いますが、議論の中で私、データとか数字も大切にして政策をつなげていかないと、ということを発言したと思うんですけれども、今回、例えば先ほどの岩本委員から、通信制がまだこんなにひどいのかというのを、実態を見たとおっしゃいましたが、協力者会議でこうあるべきだということが議論しているにもかかわらず、こうやっていろいろとまだまだということが出てきてしまっているんですね。
 先ほど公表案件にしても、もう法令に基づいて公表せよと言っているのに、なぜそれが守られないのかなという、逆にすごく私などは不思議に感じてしまう。そこの、何というんでしょう、受け止め方が学校法人によって全く違うのかなという気がしていて。ですので、いろいろな施策を出したときに、この後、例えば分かりません、何年度までにこういうふうにやるようなことが決まったときに、例えば1年後に、貴学ではなのか、御校ではなのか、いつやる予定ですかというような形の調査といいましょうか。要するに、こういう施策が出てきたときに、それをやっていますか、あなたの学校はということが、学校側とキャッチボールができるような流れというのが必要なのかなと感じました。
 そうすると、データがきちんと集まれば、その次の展開に応用できるといいましょうか、発展させることができますので、もしできていないとすれば何がネックなのかということも大切だと思いますし、その辺りのことを何か現実をキャッチするすべというのも大切かなと感じました。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございました。それなしで想像だけで話しても全く意味がないし、正しい想像というのは、きちんとした基準になるものというか、データがないとできないので。ただ一方で、データがあればそれで済むというわけでもないので、その辺、丁寧にやっていく必要があるなと思いました。ありがとうございました。
 通信制に関しては、先ほどの岩本委員のお話でも所轄庁がもっとしっかりと主体的にやっていくべきだということですけど、これ、所轄庁の実態というのは、なかなかまた厳しいものがあって、その辺りも通信制についての議論をしていたときのことを思い出しますと、十分に指導、監督に入るような人がまずいないという、数も全く足りていないようなことがあって、その辺りも含めて本当にどのように考えていくのかという課題が幾つも見えてくると思いますし。だから諦めるんじゃなくて、その点について文部科学省からしっかりと所轄庁に向けてメッセージを送っていただくという話がここには盛り込まれているということかと思います。
 岩本委員、どうぞ。
【岩本委員】  すいません。ある先生がおっしゃられていた今の通信制と所轄庁のところで、私は通信制、狭域はいいんですけど、広域通信制を各都道府県が所轄庁として全部管理しなさいということも、もしかしたら、これ自体が無理筋というか。もっと全国に連携教育施設があったりとかという中で、これ、もっと実態に即して効果的な管理だとか、監督の仕方というのもあると思いますので。私、先ほども言った、本当の今後に向けての質の維持、向上に向けた在り方の検討、今のやり方で少し改善しましょうではもう無理といいますか、という部分がありますので、そこは抜本的な検討をしていくことが必要ではないかと思います。
 以上です。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。先ほどから出ている話と、これも重なると思うんですけれども高等学校教育の在り方、今後どう見ていくかという、さっき青木先生もおっしゃっていましたけど、そういう見ていくということが必要だということと同時に、通信制についても、スタートしたときは大問題が起きたからスタートしたわけであると私は認識していますけれども、でも、それがその後、全く何も心配がなくなったかというと、そんなことはないので、引き続き見ていくことも考えないといけないなと思います。
 すいません、内田先生、どうぞ。
【内田委員】  ありがとうございます。岩本委員が言われたことですけど、公立、私立ともに、かなり広域通信に中学生、受験生が流れている状況がございます。けれども選抜の早期化であるとか、そういったところで情報がしっかりつかめないまま中学校の進路指導が行われていたり、生徒が安易に、あるいは保護者が、わらにもすがる気持ちで選択をしてしまう実態があって、実際に通ってみてイメージと違うということで、また通学制の高校に戻ってくるようなケースも最近出ております。
 実際の所轄庁ということで都道府県が掌握するのは、まさに無理な話、実際に見学に行ってもなかなか厳しい状況があるなと感じておりますので、ここ、方向性として検討していただくよう、よろしくお願いいたします。
【荒瀬主査】  ありがとうございます。篠原先生、どうぞ。
【篠原委員】  一言だけつけ加えると、所轄庁は設置されているところがもちろん中心になるんですけれども、広域の場合は施設があるところの所轄庁も連携してきちっと指導、監督に当たるべしということをたしか、協力者会議では言っているはずですね。ですので、そこが実態として、広域ですので1人の担当者が全国出張するわけにいかないのは当然なので、そこは本当に地元の所轄庁も、所轄庁といいましょうか、県も自分たちのところに住んでいる子供たちが今、どうなっているかということが分かっていないのはおかしくないですかという、そういう観点で、たしか協力者会議でもその話を入れたと思います。
 ですので、その辺り、先ほど荒瀬先生もおっしゃいましたけれども、本当に0.01人分ぐらいしか仕事のボリュームでしか通信制を見ていない1人の主事がいるみたいな、そういうところで本当に手が回っていないのは実態としてあるのかなと感じます。
【荒瀬主査】  だから、もう考えなくていいという話じゃ全然ないので、今後どうしていくのかというのは今、我々が決める話ではないですけど、ぜひ文部科学省で今後の高等学校教育の在り方、さらには通信制、とりわけ広域通信制の在り方について、どんなふうに検討していくのか、支えていくのかということをお考えいただけると非常にありがたいと思います。
 ほかにはいかがでしょうか。時間がだんだん12時に近づいてまいりました。よろしいでしょうか。
 そうしましたら今日、頂いた御意見、途中でも何度も申しましたけれども、具体的に頂いた御意見を検討いたしまして、どのような形で最終的に審議まとめに反映させるかについては私に御一任いただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。ありがとうございます。オンラインの方もよろしいでしょうか。ぜひ、それでさせていただきたいと思います。
 令和4年になります。今、それで行くと、もう年数からいうと3年たったみたいな感じになりますけれども、令和4年の11月から16回にわたり、ワーキンググループの議論をこのような形で進めてきたわけであります。今日が最後の会議ということで、これも先ほど申し上げましたけれども最終回であります。事務局は本当にいろいろとこの間、資料の御提示、それから、とりわけ審議まとめに至る過程、中間まとめもそうでしたけれども、本当に丁寧におまとめいただきありがとうございました。
 それでは橋田参事官から、この高校ワーキング、ワーキングとしては一旦ここで閉じることになるわけですけれども、それに当たりまして御発言をいただければと思います。よろしくお願いします。
【橋田参事官】  高校担当参事官の橋田でございます。閉会に当たりまして一言御挨拶申し上げます。
 まず、荒瀬主査、また、田村主査代理をはじめ、委員の皆様には令和4年以降、長きにわたって御審議のほど、本当にありがとうございました。心から御礼申し上げます。
 本ワーキンググループでは、これからの高等学校教育の在り方について、まず多様性の対応と共通性の確保という大きな理念、軸を設定いただきました。その下で大きく3つの柱、少子化が加速する地域における高校教育の在り方、さらに全日制、定時制、通信制などの望ましいやり方、さらには社会に開かれた教育課程、探究、文理横断、実践的な学びの推進ということで今後の方向性、具体的な方策をしっかり打ち出していただいたと考えております。
 既に令和5年8月の中間まとめを踏まえまして、制度改正、予算事業につながっているものもございます。さらに本日は遠隔授業、通信教育、さらには通信制の質の確保の在り方、専門高校、さらには効果的な周知方策、さらには今後どのように対応していくのかといったような観点での幅広い御意見も頂戴しております。最終的な審議まとめの確定については、下ともよく御相談させていただきたいと考えております。
 今後、文部科学省といたしましては、この審議まとめの取りまとめを踏まえまして、具体的な方策についてしっかり取組を推進していきたいと考えております。特に学習指導要領に関わりましては理念、趣旨の一層の定着はもちろんですけれども、今後まさにこの軸から転じた議論、本格化いたしますので関係各課とも連携しつつ、諸制度の改善についても検討してまいりたいと考えております。
 なお、高校授業料無償化をめぐる議論につきましては現在、自民党、公明党、日本維新の会、3党の協議が行われている状況でございます。政府の立場といたしましては、まずはその議論の状況を注視してまいりたいと考えております。いずれにしても文部科学省としては引き続き、希望する誰もが質の高い教育が受けられるようにということで、ここは省全体になりますけれども、幼児期から高校教育までの切れ目のない負担軽減に取り組んでまいりたいと考えております。少し補足して言及させていただきます。
 最後に、委員の皆様には改めて感謝申し上げますとともに、今後とも引き続き御指導、御支援のほど、どうぞよろしくお願いいたします。本当にありがとうございました。
【荒瀬主査】  橋田参事官、ありがとうございました。では、最後ということで、今日は随分、私がお話をしてしまっていますので時間とっているんですけれども、私も主査として少しお話し申し上げたいと思います。
 まず、本当に皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました。委員の皆様には本当に誠実に御議論をいただきましたこと、改めてお礼申し上げたいと思います。それから傍聴してくださっている方とは直接お話をする機会というのは、一部は実は聞いていましたよって言って声かけていただいて、そういうこともあるんですけれども、お聞きしておりますと結構熱心に、熱心にという、こういう言い方はよくないかもしれませんが、毎回欠かさず聞いてくださっている方もいらっしゃると聞いております。本当にありがとうございます。高等学校教育に対する関心が多くの方にあることが、学校教育を支える上で非常に大事だと思っております。
 また、さっきも申しましたけれども、事務局の皆さんにも非常にお世話になりました。何というんでしょうか、今日の冒頭、塩瀬委員から、こんな委員の意見が反映されるまとめというのはなかなかないんじゃないかというようなお話しでありましたけれども、そういったことを含めて大変丁寧に御対応いただいたことを感謝いたします。
 いよいよ、次期学習指導要領に向けた議論が始まっていきます。あるいはまた、それと同時に、生徒の学びを支える教職員の在り方に関する議論も同時並行して進められていこうとしています。学習指導要領についていいますと、現行学習指導要領、随分大きく高等学校の場合、変わっておりますので、私、基本的には前文に示された理念を含めて、学校学習指導要領は、ある種、あえて申し上げれば、ほとんど変えなくて良いんじゃないかと思っています。
 一方では、大きく変えることの検討もしなければならないんじゃないかと思っています。今のように必履修科目をこれだけ置いておく必要が本当にあるのだろうかと思います。諸外国のことを聞いておりますと、極めて限られた科目を専ら一生懸命やるのが高等学校時代と、基礎をそれまでの段階で養って、高等学校は自分のやりたいことを本当に専念するようなことに特化した、そんな高校を設置している国もあるということであります。そういったことも含めて考える必要があると。
 もう一方、また、学習指導要領に関して思いますのは、今の状態でも74単位の卒業に必要な単位数を取れば、あとは本当に自由なわけですね。74単位は微妙で、2年ではなかなか厳しいけれども、しかし3年かければ相当余裕ができる、4年ならもっと余裕ができるということであります。
 ですから、そういう意味でいうともっともっと生徒を主語にした形の学びの在り方というのを、これ、もう各学校においてやろうと思えばできるわけなので、その辺についても学習指導要領がどんなふうになっていくかは別として考えることが本当は必要で、そこのところに高校生自身の参加、参画も求めていくことが大事じゃないかなということを思っております。
 すいません、最後に自分の考えを述べさせていただきましたが、そういった幅の中で今後も高等学校教育が多くの方々に見守られながら議論されていき、より良いものになっていくことを心から願っております。本当にありがとうございました。
 それでは時間になります。これで16回の議論、全て終えて、次の段階に向けて大きく期待をして終わりたいと思っております。本当にありがとうございました。終了いたします。
 
―― 了 ――

お問合せ先

初等中等教育局参事官(高等学校担当)付