大学入学者選抜協議会(第16回)議事録

1.日時

令和6年10月4日(金曜日)14時~16時

2.出席者

委員

川嶋座長、内田委員、圓月委員、大橋委員、小方委員、小川委員、沖委員、兒玉委員、澤辺委員、柴田委員、島田委員、田名部委員、長塚委員、林委員、日吉委員、安井委員、山口委員、渡邊委員
 

文部科学省

伊藤高等教育局長、森友審議官、石橋大学教育・入試課長、片柳大学入試室長 他

3.議事録

【川嶋座長】  それでは,改めて,ただいまより大学入学者選抜協議会第16回を開催したいと思います。
 委員の皆様におかれましては,御多用の中お集まりいただきまして,誠にありがとうございます。
 本日の議題は2つございまして,1つ目は大学院入学者選抜ワーキンググループ(仮)の設置についてです。2つ目は,大学入学者選抜における個別学力検査の試験期日等についてとなっております。
 まず,本協議会委員と事務局に変更があったとのことですので,事務局から御紹介いただくとともに,併せて本日の資料の確認等もお願いします。よろしくお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。大学入試室長の片柳と申します。よろしくお願いいたします。
 まず,委員の変更について御紹介をさせていただきます。
 本日,今は御参加はいただいてなくて遅参だというふうに伺っておりますけれども,公立大学協会の浅井先生が東京都立大学の大橋先生に変わられております。また,私立短期大学協会の田中先生から澤辺先生に,函館短期大学のほうからの御参加ということになります。また,本日,欠席でございますけれども,高等学校PTA連合会の山田委員が田名部委員に変更となってございます。全体の名簿につきましては,参考資料1の中にありますので,そちらにて御確認をいただければと思います。
 続きまして,事務局の変更について御紹介をさせていただきます。
 7月11日付にて,局長の伊藤,審議官の森友,課長の石橋,そして私,室長の片柳が着任をしております。どうぞよろしくお願いいたします。
 続きまして,本日の資料について確認をさせていただきます。本日の配付資料でございますけれども,資料1,こちらが大学院入学者選抜ワーキングの設置についてでございます。また,資料2,こちらが個別学力検査の試験期日等についてということで,配付資料についてはこの2点となってございます。その後に参考資料のほうが,大部になりますけれども,参考資料1から10までございます。恐らく,今,委員の皆様方の手元には,参考資料1から通番で打たせていただいておりまして,ページ番号参考資料1から275ページまでついているかと思います。もし過不足等あれば,事務局のほうにも御連絡をいただければと思います。恐らく今日の会議の中で参考資料を御案内するときには,参考資料の番号そのものと,通番のほうで打たせていただいておりますページ番号を御案内させていただきたいと思っておりますので,もし現状今時点で何かございましたら,御連絡をいただければと思います。
 併せて,すみません,もう1点,会議運営のことについても補足をさせていただければと思います。本日,ウェブ会議方式での開催ということでさせていただいております。御発言に当たりましては,挙手ボタンを押していただきまして,指名をいただいた後に御発言をいただければと思います。また,聞き取りやすい御発言,資料参照等の際には,該当のページなどについてのお示しをいただければというふうに思っております。さらに,すみません,こちらがさらに手間取っていて恐縮ですけども,ハウリング等をできるだけ避けたいと思っておりまして,指名後のミュート解除,発言後のミュートの戻しなどについて,円滑に会議運営のほうに御協力をいただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  それでは,議事に入りたいと思います。
 まず,議題の1は,大学院入学者選抜ワーキング(仮)の設置についてです。
 まずは,事務局のほうから資料の説明をお願いします。よろしくお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。
 1つ目の議題でございますけれども,資料1のほうで大学院入学者選抜ワーキングの設置についてという資料をお配りさせていただいております。
 こちらの説明に入る前に,参考資料の2番の,ページ番号で申し上げますと,通番の3ページのところを開いていただければと思います。若干資料のほうはあちこち行くかもしれませんけども,御容赦ください。
 この参考資料2でございますけれども,こちらが現在の大学院入学者選抜実施要項というふうになっております。
 3ページ,4ページ,5ページ,この3枚,実質4ページと5ページの2枚ものになりますけれども,大学院の入学者選抜実施要項は存在はしておりますが,4ページの上にも書いてございますが,平成20年の5月に定めたものが最後でございまして,以降の改訂が特に行われていない状況で今に至っております。他方で,その後高大接続に係る大きな議論などもありまして,学部を中心に,3つのポリシーですとか情報公開の話,また,障害者等に係る合理的配慮の話など,法令適合性の話で今の大学院入学者選抜実施要項にも書かれていないような事項も増えてきておりますので,その点について,今学部のほうは大部,20ページ超ぐらいにわたるようなものでおまとめをいただいておりますけれども,大学院のほうも,一定程度現状に合わせるような形で更新が必要かなというふうに思っております。
 この大学院の入学者選抜実施要項を議論していくに当たってというところで,資料1のほうに戻りますけれども,今,開催をさせていただいております大学入学者選抜協議会,こちらでこれまで毎年約1回でございますけれども,学部のほうの実施要項について議論をいただいてきたところでありまして,つきましては,この協議会の下に,大学院に関しての選抜実施要項を議論するワーキングを設置したいということでの,今回の提案ということになってございます。
 この資料1の2番,協議事項でございますけれども,まさに大学院入学者選抜の実施方法に関する事項ということで,現在の平成20年が最後となっております大学院入学者選抜実施要項のほうの見直しというところがメインとなってくるかと思っております。実際の構成員でございますけれども,3番の実施方法(2)でございますが,アとイに分かれておりますが,アのほうで関係の団体から推薦をいただいた者をメンバーとさせていただくこと,また,イのほうでは,学識経験者ということで,これらのメンバーで,10名にはいかないぐらいの人数感でワーキングを設置をさせていただいて,改定に向けた議論をしていただきたいということで,こちらのワーキングの設置を御提案させていただいたところでございます。この設置をお認めいただきましたら,できれば,来年の実際大学院入試が行われるタイミングまでに御議論を進めさせていただきまして,来年度に大学さんのほうで実施をします大学院入試には,新しい大学院入学者選抜実施要項に基づいた形での選抜をしていただけるような形で,私どもとしてもスケジュール化を進めていきたいなというふうに考えているところでございます。
 説明としては以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  それでは,ただいま事務局から御説明がございました大学院入学者選抜ワーキング(仮)の設置について,何か御質問,御意見等ございましたら,どなたでも結構ですので,挙手ボタン等でお知らせしてくだされば,こちらから御指名させていただきます。いかがでしょうか。沖委員,どうぞ。
【沖座長代理】  沖でございます。よろしくお願いいたします。
 ワーキングの設置そのものは重要だと思いますので,賛成するということで,少し内容面で確認をさせていただきたい点がございます。
 協議事項として,実施方法に関する事項ということで,今御説明いただいたとおり,学部のほうの入学者選抜については,高大接続改革並びに状況の変化に応じた入学者選抜方法の変化,あるいは日程なども含めて,必要に迫られて修正を図ったというような文脈があったかというふうに思います。先ほどの3ポリシーの話ですとか,あとは合理的配慮の問題も含めた,まだ反映されていない部分があるということは間違いないので,その辺りは当然議論になるかと思いますけれども,もう一つ,何か今の日本の大学院全体の問題として,こういうところに課題があって,それを視野に入れながら入学者選抜の改善を図っていく。そのためにここで議論をするというニュアンスが含まれているのかどうか,この辺りが今日の御説明だとあまりはっきりしなかったので,ある程度技術的な話にとどまるのか,あるいはもうちょっと大きい話になるのかというあたりが,もし御提案されている文部科学省の中でどういう議論になっているか教えていただければと思います。
 以上です。
【川嶋座長】  どうぞ。
【片柳大学入試室長】  すみません,事務局でございます。
 現状でございますけれども,大学院そのものの振興ですとか,どうしていくかというようなところにつきましては,まさに中央教育審議会の中に大学分科会ございまして,その中の大学院部会がございます。そちらにて活発に御議論いただいているところでございますので,基本的な大学院をどうしていくかというようなところの非常に大きな話というところ自体は,中教審のほうの議論にお任せをしたいなというふうには思っております。
 ただ,それを入学者選抜実施要項の形に落としていく上で,もちろん選抜実施要項だけを議論していただきたいということではなくて,それに関連してどういうふうに大学院の入試自体もあったらいいかというような御意見も出るかと思いますので,私どもとして今考えておりますのは,実施要項を定めまして,最終的に実施要項を定めたものと併せて,ワーキングの中で出た意見についても,中教審の大学院部会のほうに御報告のような形で意見として申し上げるような形をイメージしております。
【川嶋座長】  沖委員,よろしいでしょうか。
【沖座長代理】  ありがとうございます。私,実は逆を考えていて,中教審でこういう議論があるから,それを踏まえた大学院改革,教育改革を想定した上で,例えば修士課程の入学者選抜や博士後期の博士課程の入学者選抜に何か反映させるんだという話のように,最初は実は受け止めていたんですが,逆だという,どっちもあってもいいと思うんですけれども,実際に今日,参考資料で,3番で,博士人材活躍プランということで,理系だけじゃなくて人文社会も対象となるというようなプランで,この辺り,今恐らく多くの大学院で影響を受けているというふうに思われる改革がどんどん進んでいる中で,それに合わせた入学者選抜にしていくのだというニュアンスで実は最初は受け止めていたんですが,そうではない,あるいはそういうことは考えていないという理解なんでしょうか。すみません,ちょっと追加で恐縮ですけど。
【片柳大学入試室長】  すみません,私の説明がちょっと悪くて恐縮でございます。
 基本的には,先生おっしゃるように,大きな方向性なりというようなところ自体は中教審のほうで御議論いただいておりますので,それらは吸収するような形でこの実施要項としてはまとめていくというような流れでいます。ただ,実際ワーキングの場で議論をいただいて,必ずしもそれにとどまらない意見が出た場合には,中教審のほうにもそうした意見も出ましたということでお返しをするというようなぐらいのイメージでありまして,基本的な流れとしては,中教審等で御議論をいただいているものをこちらのほうで基本的には反映をしていくというようなことになるかなと思っております。
【沖座長代理】  ありがとうございました。了解しました。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ほかの委員の方々,御意見,御質問あれば承りますが,いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは,この議題1のワーキングの大学院ワーキング設置については,御了承いただいたということで,今後の事務局等で具体的な人選等を進めていただければと思います。ありがとうございました。
 それでは,本日の議題2に入りたいと思います。
 大学入学者選抜における個別学力検査の試験期日等についてです。この件につきましても,事務局のほうから説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。
 資料2を御覧いただければと思います。
 参考資料等,複数準備をしておりますけれども,基本的この資料2のほうに引用も含めてまとめておりますので,この資料2のほうを中心に説明をさせていただきます。
 この議論に入る前に,今日なぜこの形でここに1つの議題として上げさせていただいたかと申し上げますと,関東のほうの大手の私立大学さんのほうで,個別学力検査に値するようなものが2月1日よりも前に行われているのではないかというようなことが,高校関係者の方もそうなんですけれども,大学関係者の方からも文科省のほうにも問合せのほうがありまして,それ自体は,今この協議会で定めていただいております選抜実施要項に反しているのではないかというようなことでのお問合せが多数ございました。そうしたところで,私どものほうでも具体に挙げられたところの大学さんなんかにもちょっと確認をしてきたところで,やはり日程に関しては,御指摘があったように,選抜実施要項上の日程からすると違反をしているのではないかというようなところがございましたので,そうしたものの確認も含めて,この議題を上げさせていただいているところでございます。
 すみません,資料のほうに入っていきたいと思いますけれども,1ページ目でございます。
 今ほど申し上げましたように,選抜協議会の中で実施要項のほうは皆様で御議論をいただいてまとめさせていただいているところでございまして,この中では,下に抜粋のほうも書いておりますけれども,総合選抜,学校推薦型においても,個別学力検査,各教科・科目に係るテストでございますけども,これを課す場合には,試験期日については2月1日からというようなことを求めているところでございます。
 この趣旨といたしましては,1ページの下の抜粋の3番のところでございますけれども,高等学校の教育に対する影響ですとか,入学志願者に対する負担に十分配慮するというような観点から,こういうような日程感にしているところでございます。
 ページをおめくりをいただきまして,2ページでございますけれども,過去にも,日程に関することにつきましては,いろいろ御議論なり,守っている,守ってないというようなところもございまして,実は令和3年のときにも,左側でございますけれども,当時も入学者選抜協議会のこの場で議論になりまして,選抜協議会として改めて日程についてお守りをしてくださいというようなことをお願いしているようなことがございます。また,その部分でございますけれども,今年令和7年度の入学者選抜をやるに当たっても,試験期日等についてはしっかり遵守をしてくださいというようなことを,文科省のほうからも,様々な行政説明等の場も含めてお願いをしているようなところでございます。
 ページをおめくりいただきまして,3ページでございますけれども,他方で,今回のようなそのきっかけとなった大学さんの状況でございますけれども,大学としても,適切な学力把握をしたいというような思いを持って,今回ルール等は破ったような形になっておりますけれども,選抜のやり方を考えた結果,今の形になってしまっているというところがございます。それ自体は,当時,令和3年にまとめております大学入試のあり方に関する検討会議の中でも,一番下のところでございますけれども,総合型選抜・学校推薦型選抜の推進に当たっては,引き続き学力の適切な把握を伴った形で行うことが必要であるというふうにしておりまして,文科省ないし政府としても,そういった形で選抜を実施していくということ自体は求めているようなところでございます。
 このルールでございますけれども,教科・科目に係るテストの実施時期について,教科・科目に係るテストということで初めて取り上げましたのが平成30年のときの通知でございまして,抜粋の中の中段でございますけれども,教科・科目に係るテストの実施時期は,2月1日から3月25日までとするというようなことで,このときは明確に御案内をさせていただいていたところでございます。
 また,下の教科・科目の履修を前提としない評価方法,これら例えば小論文ですとかプレゼンテーション,口頭試問,実技等につきましては,教科・科目に係るテストが実施可能となる2月1日よりも前から実施が可能であるということを明確化するというようなことで,これら2つ,教科・科目に係るテストとそれ以外の部分をしっかり分ける形で,当時御案内をさせていただいていたところでございます。
 5ページでございますけれども,今の実施要項上の記載はどうなっているかというところでございますが,総合型選抜のところの丸3番のところで,「第6の1から4に掲げる大学入学共通テスト又はその他の評価方法等」,ここに米印を打っておりますけれども,「のうち少なくともいずれか一つを必ず活用し」というようなことで書いておりまして,例えばという米印の事例の中に,小論文等,プレゼンテーション,口頭試問,実技,ここに,各教科・科目に係るテスト,その後,資格・検定試験の成績等ということになっておりまして,一連の中に書かれて,今,記載をしていることによって,大学さんとしては,各教科・科目に係るテストは総合型選抜のいわゆる日程の中で,2月1日じゃなくてもやってもいいのではないかというような誤解が生じているというような状況が,私どももいろんな方にヒアリング等を行う中で見えてきたところでございます。
 ただ,先ほども申し上げましたとおり,基本的にこの各教科・科目に係るテストに関しては,当初導入のときにも御説明をさせていただきましたとおり,2月1日以降に高等学校等の実情にも配慮してやるというようなことで導入をしてきているところであります。
 1枚おめくりいただきまして,6ページでございますけれども,今全体としての学力検査等というところでどういう区分になるかといいますと,学力検査等ということで,広くいろんな評価方法もあるわけでございますけれども,その中で学力検査といたしましては,丸1番にありますように個別学力検査,これは2月1日以降にやっていただくというようなことで,選抜要項上も明確にしているところでございます。また,大学入学共通テストに関しましては,これはまた,期日,別途定められるところでありますけれども,学力検査の1つの手法としてございます。さらに,その他の評価方法ということで,小論文,面接,実技,資格・検定試験等,また,総合型などでよく使われております志願者本人が記載する資料等ということで,その他評価方法などがあるような状況が,今の選抜要項上の記載でございます。
 今までのところで,実際の現状の選抜要項の記載ですとか,そうした今の記載となっている経緯のほうを説明させていただきましたけれども,上のほう,前提と書かせていただきましたが,現行のルールというような位置づけでございますが,一般選抜のみならず,総合型選抜や学校推薦型選抜では,個別学力検査を課す場合,その試験期日については2月1日以降であるというのが,現状のまさに協議会,各団体の皆様にお集まりをいただいて決めていただいたルールでございます。ですので,ルール自体はそれをしっかり守っていくということが非常に大事であるというのは,多分各関係の皆様方も,ここでまさに議論いただいて決めていただいているので,御理解賜れるかなというふうに思っております。
 その上でということでございますけれども,本日御議論いただきたいところといたしまして,まさに高等学校に対する影響などから期日のほうも2月1日以降ということにしているわけでございまして,そうした影響ですとか入学者の負担,また,他方で視点,入学者からするとどういうものがよいのか,どういうものが過度な負担なのかというようなところを踏まえた上で,総合型選抜,また学校推薦型選抜における学力把握措置に関する工夫ですとか,また留意すべき事項というようなところを,高校関係者または大学関係者の皆様方から,御指摘や御意見,また,いろいろ多分思われているところもあると思いますので,御意見を頂戴できればなと思っております。
 ちなみにではございますけれども,もともと入試のあり方検討会の報告書の中でも,中長期的な課題として,括弧の中に書かれておりますような,基礎学力テストの可能性ですとか,将来的な入試日程の在り方については,引き続き中長期的な課題として検討していくということございますので,まさにそれらを受けるような形にもなって,この協議会の場で,関係者の皆様方そろい踏みであると思いますので,御議論いただきたいなというふうに思っております。
 今回,関係団体等々から皆様方集まっていただいておりますけれども,改めて今日の議論も踏まえまして,後日,本件につきましては,各団体へも意見照会等をさせていただきたいと思っておりますので,それについては,また追って御連絡等をさせていただければとは思っております。
 8ページ以降につきましては,関係のデータをおまとめをさせていただいているところでありまして,適宜御参照いただければと思っております。
 メインとしては,7ページで御説明させていただきましたところが本日の議論の焦点となるかと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ただいまの事務局からの説明にもありましたが,本件については,高校関係者並びに大学関係者の双方から,個別学力試験,教科・科目に関する総合型選抜,学校推薦型選抜の実施時期について御指摘があったということが契機となっております。学力把握の留意点やあるべき方法について,それぞれのお立場から御意見をこれからお伺いしたいと思っております。
 まずは,最初に高校関係者からの御意見を伺い,その後大学関係者からの御意見を伺い,最後に全ての委員の方々で意見交換をしたいと思っております。また,事務局からの説明にもございましたけれども,本協議会終了後に,各関係団体からの意見提出を求めたいと思っておりますので,それにも資するような御意見を承ればというふうに思っております。
 それでは,まず,高校関係者の委員の方から御意見,御質問等ありましたら挙手ボタンでお知らせいただければ幸いです。いかがでしょうか。長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  私立中学高等学校連合会の長塚でございます。
 今般の問題は,夏前だったんですが,我々のほうでも気づいてから,文科省のほうにも御相談したわけなんですけども,進路指導上ですね,大変多くの学校で混乱している状況があるという,そんなことがありました。
 大学入試におきましては,学校教育法に定めている学力観というんですか,学力3要素,これを入学志願者の資質能力として,多面的,総合的に評価することが基本になっていると思うんです。しかし,教科・科目の検査以外は,非常に多くの時間が必要で,評価するのにも手間暇がかかるということで,年内の一定時期からの実施を可能にしているというのが本来のことだと思うんです。
 したがいまして,今回,もともと関西のほうの私大でも幾つか行われていて,関東のほうにもそれが飛び火したというような状況のようにも見えるんですが,教科・科目の学力検査を前倒しで早期に実施して,しかも,ほぼこれのみで合否を決めて発表するというのは,これはもう一般選抜の前倒しそのものだと思いますので,学校推薦型選抜などという名前には値しないなと思っているわけです。高校の進路指導を大変混乱させている。高等教育機関のほうのモラルとしても問題があるんじゃないかなというふうに思っています。
 それに,一部の大学さんがこれを始めますと,こういう形で一般選抜の前倒しのような形で始めてしまいますと,ほかの大学においても,これは言わば生徒減少期に向かって同じような対応をすぐにしなければならなくなるというふうに思いますので,今後この動きが拡大しないように,教科・科目に関する検査の開始時期については,今のこの決めとしてあるわけですから,しっかりとこれを守っていただくように徹底していただきたいというふうに強く希望しています。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。引き続きまして,内田委員,どうぞ。
【内田委員】  ありがとうございます。
 今,長塚委員のほうからお話がございましたけれども,日本私立中学高等学校連合会のほうからも情報をいただきましたし,また,都内をはじめとした高等学校の進路主任を集めた入試説明会におきまして,実は大学のほうが本年の入試の目玉ですという形で,学校推薦型学力選抜という学力選抜を前面に出した制度ということで大々的に宣伝をされたというふうに聞いております。これは,学力検査,通常入試の前倒し以外の何物でもなく,高等学校における学習時間の確保,教育の時間の確保という点からもかなり問題だと捉えております。文部科学省のほうにも相談をさせていただき,もし対応がない場合には,全高長としても私学としましても,共同で何かしらの抗議をしなければいけないというような判断もしてきたところです。
 このため,こういった形で協議をする,あるいは問題について検討するという場ができたということは非常に意味のあることだと思っておりますし,ここの結果につきまして,例えば入学の受験者であるとか,合格者であるとか,手続者,辞退者などの数目も明らかにした上で,さらに拡大しないように,再発しないようにしっかり歯止めをつくっていくことが必要ではないかなというふうに思っております。
 この大学にとどまらずに,ほかの学校がこういった形で受験生を集めるということによって,モグラたたきのように看過できない状態になるということは,高校教育だけではなくて,例えば大学側が困っていらっしゃる就職等の企業による早期選抜,早期の就職活動等々,全部リンクしてくることだというふうに思っていますし,大学側が高校側に本来の高いレベルの学力を求めるということであれば,高校側に教育する時間をしっかり与えていただきたいなというふうに改めて思っています。
 文部科学省としても,この協定が守るべきものであるということを再度確認していただき,再発が行われないよう,しっかりと御対応していただきたく思います。
 どうぞ,大学側の関係者の皆様も御検討いただければ幸いです。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。高校関係者の方から,実情と認識について捉え方伺いました。
 それでは,続きまして,大学関係者の方から,この件についての御意見とか御質問を承りたいと思いますので,挙手ボタンを押していただければと。まず,柴田委員,どうぞ。
【柴田委員】  福岡県立大学の柴田でございます。
 この点は,令和3年にも通達が出ていますように,前からいろいろ話題になっていたんですけども,そのとき,我々大学関係者としては,教科・科目試験ではない試験というのをやっているんだろうという具合に,我々国公立は考えたんですけども,今日御準備いただいた参考資料を拝見して私もびっくりしたんですけども,116ページ,117ページに個別選抜日程というのがあって,一般選抜において,ここに出ておりますけれども,1月の間からやっている事例があったんです。このデータは,私,記憶があって,広い意味で何か選抜をやっているんだろうと思っていたんですけども,117ページ,次のページ,流していただけませんでしょうか。これ見て,合格発表というのが1月中に出しているという大学まであるというのを,私,不明にして初めて知りまして,これはちょっと看過しにくいし,こういう実態があるというのは,まさに問題だろうなと思っておりました。
 さらに,本日,総合型選抜,あるいは学校推薦型選抜においても,教科・科目試験に極めて限りなく近いような試験をおやりになっている大学があると。それについてもやはり併せてこの機会に考えなきゃいけないことではないかなと思っておりますが,さて,これをどういう具合にコントロールできるのかできないのかということは,大学関係者としても非常に頭の痛い問題ではないかなと思っておりますし,個別の事例というのもよく調査して,どういう実態なのかというのを明らかにしていただければなと思っております。
 以上でございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。本件に関連した日程の件も御指摘いただきました。
 続きまして,島田委員,どうぞ。
【島田委員】  島田です。よろしくお願いいたします。
 今回提示されている問題ですけれども,本当にそういうことがあるということであればゆゆしきことかなというふうに思います。本来,一般選抜では選抜できないような人材を選抜しようと,評価の多面化,多元化を行おうというのが総合型の選抜であり,学校推薦型の選抜の趣旨であったはずですので,そこで学力をはかるようなテストばかりが先行してしまうと,結局同じような人材を選抜してしまうことにもなってしまうと思うので,大学としては,それぞれの入試で選抜したい人材というのを,もう1回よく考えた上で,それぞれの選抜でどういうような方法を行っていくかということをもう1回考える必要があるかなというふうに思いました。
 それと,総合型選抜や学校推薦型入試の中では,小論文というのを行うことができるようになっておりまして,本学でもやっております。実はこの小論文というものの定義がどうもはっきりしないというところは問題としてあるのかなと思います。必ずしも文書を書いたりするものばかりではないようにも思うんです。小論文と称して,その枠組みの中でどういうことをやっていいのかいけないのかということについては,あんまり明確にされたものを見たことがないというふうに思います。
 今回,問題視されていることの中に,そういう小論文と銘打っているんだけど,実はこれはテストじゃないかとか,そういうようなことが含まれているんだとしたら,小論文の中身というのもどういうふうに考えるべきものなのかというところを,少し整理したほうがいいのかなというふうに思いました。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。もう少し定義というか,内容を明確にしたほうがよいのではという御意見でした。
 続きまして,圓月委員,どうぞ。
【圓月委員】  日本私立大学連盟から委員として参加させていただいております圓月と申します。
 本日は,個別事例についてコメントする立場にもございませんし,また,そのような権限もございませんので控えさせていただきますが,日本私立大学連盟としては,この入学者選抜というものは,高校教育への影響及び志願者の負担というものを最優先して行うべき非常に重要な教育的活動だと思っております。そこで,当然のことながら,このルールを遵守していくということは必須のことであるということを認識しております。
 また,学力把握措置に対して事務局のほうから御説明もあったとおり,もしも何らかの誤解があるとしたら,この場で学力把握措置の実施に当たっての留意事項というものをできるだけクリアな形で決めていただき,それを周知する協力は喜んでしていきたいと思っております。
 他の委員から,これは高等教育全体のモラルの問題ではないかという非常に厳しい御発言もありました。それもやはり重く受け止めた上で,これから取り組んでいきたいと思っております。
 ちなみに,学力の3要素に関しまして,主体性なども含めた形で拡大解釈を容認しかねないような表現もございますので,その辺りについては,またさらにもう一歩踏み込んだ深い議論がここでできればということを個人的にも期待しております。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。文章表現,明確にしたらどうかという御意見だったと思います。
 引き続きまして,安井委員,どうぞ。
【安井委員】  ありがとうございます。私立大学協会の安井でございます。
 基本的には,今,委員の皆さんがおっしゃったように,いわゆる学力試験を伴うというのは2月1日以降ということで,大学関係者としては十分に理解をしているというふうに思うんですけれども,総合型選抜に,例えばこの記載例のように,例えば小論文,プレゼンテーション,口頭試問,実技,その後に各教科・科目に係るテストというようなものが載っておりまして,やはり各教科・科目に係るテストという表現が,かなり拡大解釈をされるところがあって,総合型選抜と,それから学校推薦型選抜の目的というものをしっかりと理解していれば,各教科・科目に係るテストの在り方というのも,おのずから分かると思うんですけれども,そこまでこの委員会の委員のように深く分かっているわけではない大学の方がこれを見れば,これは学力も入ってくるんじゃないかというように読まれてしまう可能性もあるので,こういう部分については,やはり削除するとか,そういった対応も必要かなというふうには思っております。
 以上でございます。ありがとうございます。
【川嶋座長】  ありがとうございました。いろいろ御意見いただきました。ここからは,特に高校関係者,大学関係者関係なくいろいろ御意見を賜ればと思いますが,内田委員,どうぞ。
【内田委員】  度々失礼いたします。
 今回,特に課題となるところにつきましては,今回議案に上っている特定の大学ということになりますけれども,英語と国語もしくは数学の1科目合わせて2科目を受験することによって合否が決定される。11月に出願,12月に合格発表が行われる。かつ,この選抜については併願が可能であるというところにございます。高校教育でかなり受験者が出ているところについても,校長先生方がかなり高校側で不安を感じておりますし,大学の他の入試にも大きな影響を与えるということにもなりますので,これは問題だねということで,私学とも併せて問題視しているところではあります。本当に倫理感が問われるといいますか,拡大解釈のしすぎであるという部分がありますので,対応する必要が早急にあろうかなというふうに考えている次第です。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。ほかの委員の方々,小方委員,どうぞ。
【小方委員】  ありがとうございました。皆さんのお話を聞いて,問題の核心がどこにあるのかということが改めてよく分かってきて,高校教育そのものに対して大きな影響があるということと,大学関係者として倫理に劣るのではないかという御指摘はそのとおりだと思います。
 一方で,どこまできれいに線引きができるのかというところは,先ほど小論文の定義もございましたけども,今回案件に上がった私学がそうだったかどうか分かりませんけど,教科・科目に係るテストより一般学力に関する2月以降というときのそれが,高校教育に影響があってはならないという括弧書きがついておるのですけども,ここで議論になっている問題例の1つとして,私はこれから申し上げるのも問題だというふうに認識していいのかどうか,共通認識を得たいと思うんですけども,かなり以前から総合型選抜の名の下に基礎学力テストをやっている私学は結構あり,それは9月とか10月とかでもやっているところが恐らくあって,ただそこの問題は高校の問題ではなくて,もっと基礎学力で,中学レベルとかそういうところの教科・科目に関わるテストをやっているところはたくさんあるのではないかと正直思います。それも含めて,今回は問題になっているのか,要するに教科・科目に係る,高校教育に影響があるという場合の教科・科目はあくまで高校教育の内容に関わるものということで議論するのか,高校教育は難しいから中学校レベルでの基礎学力を押さえたいという私学さんはたくさん出ていると思いますので,その辺も含めて,全て今回は問題視しているんだという理解でよろしいですか。その辺,ちょっと確認させていただければと思います。
【川嶋座長】  座長のほうから1点だけ。入学者選抜要項のもともとの前提は,大学で学習するに必要な能力を入試ではかるというのが大きな前提になっていると思います。ただ,大学というのが今多様化しているので,今,小方委員がおっしゃったような問題も出てくるのかなというふうに思っています。
 今回,第1回ですので,いろんな立場から,いろんな観点から大学入学選抜実施要項の在り方についていろいろ御意見を伺えばよろしいかと思いますので,あまり議論の幅を狭めるということは,まず今回はやめようかなと思っております。よろしいですか。
 それでは,沖委員,どうぞ。
【沖座長代理】  ありがとうございます。
 今の小方委員の御懸念と私も近い問題意識を持っています。結局,今回の事例では,かなり相対的な学力,点数が高いか低いかで合否が決まってしまう。2月1日以降に行うべき学力試験が大幅に前倒しになっているというところが,特に高校教育に影響を及ぼすということから御懸念が生じているというふうに理解しております。
 まさに相対評価になるというのは,どこまでも勉強しなければならず、ほかの受験生がどのぐらい勉強しているか分からない状態で試験が行われるということで,高校教育に影響を与えるということはもうおっしゃるとおりかというふうに思いますので,こういう試験に関してどのように扱うかというのは,独立して議論するべきでしょう。
 一方で,今,小方先生が御指摘になったように,ある意味,絶対的な学力不足みたいなところを確認すると,最低限ここまで必要であろうとして,実際にその基礎的な学力をはかるような試験を推薦型などで導入している大学は,問題自体をもう既に公表していてというようなところもあるので,このぐらいのことは高校3年のこの段階では必要ですよねというような指標が出ていてというような,ほかの力を測った上でということは当然ですけれども,それを超えていれば合格なのだというような指標になっている。それらを同じ文脈で捉えていいかどうかについては,少しこの場で,この後の議論でぜひ御検討いただくということが必要なのかなと。
 その際に,先ほどの資料,今出ている資料に出ていますけども,もともとこうした議論の前提になっているのが,学びの基礎診断,あるいはその前の議論の基礎学力テストであったというようなことというのも少し含んだ上で考えていくということが必要なのかなということを,今後の議論でできればいいかなというふうに私としては思っております。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。まさに今,沖委員のおっしゃった相対と絶対のところで,この学びの基礎診断というか基礎学力テストについても,今後,各団体に意見照会をしていくということになろうかと思います。
 それから,柴田委員から御指摘ありましたけど,入試日程全体の在り方,これについては各団体にこれから意見照会を行うということになっております。
 ほかの委員の方々から,今回の契機になった問題を含めて,いろいろ入試に関して御質疑,御意見ございましたら承りたいと思いますが,いかがですか。特にございませんか。よろしいですか。
 長塚委員,どうぞ。
【長塚委員】  すみません,冒頭申し上げた私立中高連の長塚です。
 基礎診断のことについても,私も委員として参画していたんで,基礎診断の行方については,やはり心配していたところなんですけども,基礎診断そのものも,その中でやはり基礎的な部分と応用的な内容があって,レベルがやはり分かれるということで,なかなか国として統一的な診断テストは作れないねと。また,実施するのも相当大変だということは,様々に議論の上で,結局民間のテストを活用する形で,診断テストとして認定するというような形で様々な診断テストが現に行われているわけですが,それを改めて統一的なものにするなんて議論,これからもしかするとあるかもしれませんけども,これまでの議論の中では,なかなか統一的に定義は,基礎という部分を定義できないというようなことが,ある意味でその点ははっきりしたなというふうに思っているところなんです。
 その上で,今回教科に関する言わば筆記試験を11月の段階から実施してしまうということは,多くの国公立の中で,例えば推薦型をやっていても,共通テストの結果を見るというような大学もあるぐらいで,そこのところの,いわゆる時間的な,幅広い,教科学力だけではなくてほかも見た上で,教科学力も,共通テストや,あるいはその後2月1日以降のものを見るという,それが本来の推薦なんだということを,改めてしっかりと大学のほうにも認識していただきたいなと。少なくとも今回,教科学力だけでほぼ12月から合否を発表してしまうということが,しかもその手続はずっと3月ぐらいまで待つんだとなりますと,多くの大学がしっかりと規律を守って実施している一般選抜そのものの全体が日程的に崩れてしまうということを私は危惧しています。一般選抜がもう11月,12月で始まっているというふうに,幾つかの大学の,新しいかどうか分かりませんが,この入手の発表は,一般選抜を本当に崩してしまったと。その日程を崩してしまったということになっているんじゃないかと。これは大学のほうがもっと危惧を持ったほうがいいんじゃないかなと。我々の中では,例えば生徒は早く決まるから受けたくなるわけです,当然ながら。ですから,大勢受けようとしています,今回は,その大学。それで2月1日以降の,それより,はっきり言ってしまうと,自分のレベルをもっと評価してくれる大学を,その後に受けるということの長期の併願作戦が高校現場では行われようとしている。進路指導の中でですね。
 そんな状況なんで,あまりこれ悠長なこと言っていられない状況ではないかということを,改めてお願いをしておきたいと思います。
 以上です。
【川嶋座長】  ありがとうございました。
 事務局のほうから。
【片柳大学入試室長】  ありがとうございます。皆様から貴重な御意見,御指摘をいただきまして,ありがとうございます。
 今いただいたような意見を踏まえて,まさに皆様方,この後の団体への意見照会の照会内容も漠と意見くださいということではなくて,本日出たような意見を踏まえて,これについてどう考えますかというようなことで整理をさせていただいた上で団体照会をさせていただきたいと思っておりますので,その際にはまた,団体等々でまた御協力をいただければと思います。よろしくお願いいたします。
【川嶋座長】  ありがとうございます。照会事項は,事前に委員の方々に内容を確認していただくんですか。
【片柳大学入試室長】  こちらで作成をさせていただいたものを,座長の御確認をいただいて,事前に周知をさせていただくような形でと。
【川嶋座長】  分かりました。いつ頃になりますか。
【片柳大学入試室長】  早急に取りまとめをさせていただきたいと思います。
【川嶋座長】  問題が深刻そうなので,可及的速やかにお願いしたいと思います。
 それでは,この議事2はこれでよろしいですか。特に御意見ございませんか,追加で。
 それでは,その他ですけれども,大学入試センターの山口理事長より共通テストの電子出願システムの導入について御報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。
【山口委員】  ありがとうございます。大学入試センター理事長の山口でございます。
 参考資料の10をお示しいただけますでしょうか。
 9月6日に既に公表した大学入学共通テストの出願の電子化の予告についての御報告です。
 これが公表した資料になりますけれども,枠組みの中に書いてございますように,令和8年度の大学入学共通テストの出願から,その手続を電子化しますという予告になります。ただ,現時点では,概要は御説明できますけども,詳細については,これから関係各位と調整の上,よりよいものとすべく,詳細については来年2月以降お知らせする予定ですとございます。
 簡単に概要を示してあります。
 1番です。出願の電子化の概要になります。令和8年度共通テスト以降の出願や登録内容の変更などは,パソコン,タブレット,スマートフォン等を用いたオンラインにて行うということにさせていただきます。これまでは,高校卒業見込み者の出願書類というのは,在籍校を経由してセンターに提出していただいていましたけれども,8年度以降は,志願者本人が直接センターに出願することになります。これに伴いまして,高校による卒業見込み者の出願書類等の取りまとめ,大変な御苦労をいただいていたわけですが,これが不要になります。
 受験票につきましては,オンラインによって各自で紙に印刷して,試験当日に試験場に持参します。また,オンライン出願ということになりますので,検定料等の支払いも,今までの指定金融機関による振り込みからオンライン決済に変更いたします。
 なお,インターネット環境を利用することができない方,少なからずいらっしゃると思いますので,そういう方々については代替措置を予定しているということになります。
 続いて,電子出願システムを利用した手続きの流れですが,これについては次のページのスライドをお示しいただけますでしょうか。次のページです。事務局,ちょっとスクロールしていただけますか。
 電子出願の手続きの流れを図示したもので,大学入試センターでは,右側にある電子出願システムを今開発して,今,精査しているところになりますが,そこに対して志願者,左側の人は,真ん中にあるオレンジ色のアクション,①から⑤を適宜行っていくことになります。
 まず,①ですが,一番最初に志願者はアカウントを獲得してマイページというページ,自分自身のページをつくります。その志願者用マイページのイメージが右に示されています。そこには,各種アクションのボタンが示されていて,時期が来たら適切にアクションを起こすというものです。マイページの作成については,いよいよ来年の出願に対応するわけですけれども,7月上旬頃にマイページ作成を始められるようにする予定でおります。出願につきましては,今年と同じく9月下旬頃開始,10月頭に締切りということになりますが,出願・検定料の支払いを志願者用マイページから行っていただきます。そして,期限が来て,一定程度時間がたった後,出願内容の確認ということで確認をいただくのが10月中旬頃,その時点まで登録内容の変更ができるということになります。先ほどもちょっとしゃべりましたが,受験票につきましては,12月中旬頃に,このマイページに行っていただいて,受験票を出力して印刷して,当日持参いただくという形になります。
 なお,成績通知を希望される受験生につきましては,今年と同じ4月上旬頃に,このウェブ上から成績の閲覧を可能とする方向で進めている次第です。
 これが志願者のアクションになりますが,右の図の下にありますように,高校関係者向けのサイトも御用意します。高校関係者の方々におかれましては,自校の志願者,在校生の出願状況について確認できるサイトを設ける次第です。
 また前のページに戻っていただけますでしょうか。
 今度は4番になります。受験上の配慮申請というのを毎年センターで行っておりますけれども,ここにつきましては,記載のとおり,受験上の配慮申請の書類をマイページ上から様式入手していただきます。その後は従来どおり紙ベースで郵送による申請で受け付けたく思っております。これにつきましても,鋭意ウェブ化といいますか,電子化する方向で検討は継続する予定ではいます。
 最後です。支払い方法等についてですけれども,検定料の支払い,先ほど申し上げましたように,オンライン決済になりますけれども,クレジットカード決済等,やはり手数料が生じます。200円程度ということで,これは志願者にお支払いいただきたく思っております。そして,成績通知を希望する志願者につきましては,成績通知手数料をいただきますが,現行の800円から300円に減額を予定しております。
 以上,駆け足で令和8年度の入学共通テストの出願から行います電子化についてお話しさせていただきました。
 以上でございます。ありがとうございました。
【川嶋座長】  山口理事長,ありがとうございました。ただいまの大学入学共通テスト電子出願システムに変更の御説明について,何か御意見,御質問ございましたら承りますが,挙手ボタンでお知らせください。いかがでしょうか。特にございませんか。よろしいですか。
 それでは,山口理事長におかれましては,事故なく開始できるように万端準備整えていただければと思います。よろしくお願いします。
 それでは,以上で用意してきた議事等は終わります。
 最後に事務局から連絡ございますけれども,その前に,何か本日全体通して御意見,改めてあればお伺いしたいと思いますが,いかがでしょうか。特にございませんか。
 それでは,最後に事務局より,今後の進め方について御説明をお願いします。
【片柳大学入試室長】  失礼いたします。
 最後,会議のことと,1点御紹介をと思っております。
 先に紹介だけさせていただきますと,参考資料の9ページでございます。通番で申し上げますと,265ページでございます。
 学校教育法施行規則の一部を改正する省令の公布ということでございまして,中身だけ少し御案内をさせていただきますと,情報公開の促進に関する規定の改正となってございます。中身として,もともと入試のあり方検討会の場でも,入試に関して積極的に情報公開すべきというような話を言われていたところでございますけれども,それらを反映するような形で,266ページ,改正の概要の(1)の丸1にもございますけれども,入学者の選抜に関すること,これを教育研究活動の状況についての情報公開の項目の1つとして改めて規定をさせていただきます。従前ですと,入学者の数ですとか,そういったところについては公表することとなっておりましたけれども,選抜に関することということで,具体的にどのようなことを意図しているかと申し上げますと,第2の留意事項の1の(2)の留意事項ところの丸1,細かくなって恐縮でございますけども,例えばですけれども,学力検査等の内容ですとか試験問題に関する情報,合否判定の方法,基準並びに合理的配慮の提供に関する方法など,こういったことを想定しておりまして,より入試についてもできる限りの積極的な情報公表をしていただきたいということでの改正が行われる予定でございますので,これについて御案内をさせていただきます。
 また,先ほど議題2のときにも申し上げましたけれども,今後議題2の個別学力検査の日程に関してのことなどについて団体のほうにも御案内をさせていただきたいと思いますので,そちらでも改めて,質問をこちらのほうで調整をしたものについての御意見を賜ればと思っておりますので,どうぞよろしくお願いします。
 本日の会議でございますけれども,原則非公開でございますが,資料等については速やかに公開する予定でございます。公開する予定でございますので,またそちら,公開等しましたら御案内をさせていただきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。
 以上でございます。
【川嶋座長】  よろしいでしょうか。安井委員,どうぞ。
【安井委員】  すみません,僕のところ,声が聞き取れなかったところがあるんですけど,山口理事長の御説明のところで,電子化ということの御説明だったんですけれども,これは大学側にとってというか,大学側が変化,変更すべき内容というのはあるかどうかというのを教えていただけますでしょうか。
【川嶋座長】  山口理事長,いかがですか。先ほど高校側の観点からお話ありました。大学が何か必要な工夫とかやるべきことあるかどうかといったようなことだと思うんですが,いかがですか。
【山口委員】  出願の電子化に伴いまして,成績提供の仕方が若干変わってまいります。ということで,既にこれまでの大学の担当者と連携を取らせていただきながら,フォーマットであったりデータの受渡しのソフトであったり,その辺の調整をしているところです。
 基本的には,それも踏まえた上で,令和8年度共通テストの出願からいけるだろうということで,9月に公表しているところです。
 さらなる詰めはしてまいりますけれども,今のところ大きな変更なく,大学側にも利便性が高まるような変更になると理解しております。
 以上です。
【安井委員】  ありがとうございました。
【川嶋座長】  よろしいですか。ほかに何か御意見,御質問,全体を通してございますか。特にございませんか。
 なければ,事務局から最後に何かありますか。
【片柳大学入試室長】  大丈夫です。
【川嶋座長】  それでは,いろいろ御多用の中,本日はお集まりいただきまして,いろいろ御意見賜りましてありがとうございました。
 それでは,本日の会議はこれにて終了したいと思います。本日は御出席いただきましてありがとうございました。

── 了 ──

 

 

(高等教育局大学教育・入試課)