令和7年3月18日(火曜日)
教育、科学技術・学術
現在観測中の南極地域観測隊とのオンライン懇談、南極地域観測隊への期待と日本の南極観測に関する国際的貢献、筑波大附属小学校におけるいじめ重大事態事案、奨学金の返還を支援する自治体や企業の増加
令和7年3月18日(火曜日)に行われた、あべ俊子文部科学大臣の記者会見の映像です。
令和7年3月18日あべ俊子文部科学大臣記者会見(※「YouTube」文部科学省動画チャンネルへリンク)
大臣)
冒頭、私からは1件でございます。3月14日金曜日、南極の東側に位置をしますとトッテン氷河域で現在観測中の原田尚美第66次南極地域観測隊長とオンラインで中継をいたしまして、懇談をさせていただきました。オンライン中継におきましては、自立型無人探査機AUVでございますが、の「MONACA」といった観測機器、また海洋観測の実施状況の御説明をいただきました。現地の当日の気温が-0.2℃と思いのほか暖かいこと、また天候不良による観測の困難さなどのお話を聞きまして、南極における研究観測の難しさを実感させていただきました。文部科学省といたしましては、引き続き南極における極域研究の推進にしっかり取り組んでまいります。以上です。
記者)
今、冒頭にありました南極観測に関しまして隊長と懇談されたということですが、改めて観測隊に対する成果への期待、そして日本の南極観測において国際的に果たす役割をどう考えているのか、教えてください。
大臣)
南極地域観測事業、60年以上にわたりまして観測実績を有し、地球温暖化による気候の変動、また氷の融解による影響など、全球的な環境変動の解明などに向けまして積極的に取り組んでいるところでございます。冒頭、原田隊長とのオンライン中継について申し上げましたけれども、現在活動中の第6次(注1)南極地域観測隊では、100万年前(注2)を超える空気を閉じ込めた氷の採掘、また氷が融解すると世界の海面水位が約4m上昇すると言われるトッテン氷河の観測など、世界からも注目の高い観測を進めているところでございます。このため、日本の南極地域観測隊における観測データの提供に各国からの期待も高いというふうに伺っているところでございます。文部科学省といたしましては、引き続き各国と共同しながら地域、地球規模の課題の解決に向けまして極域研究の推進にしっかりと取り組んでまいります。以上です。
(注1)「第6次」は、正しくは「第66次」です
(注2)「100万年前」は、正しくは「100万年」です
記者)
筑波大附属小学校でいじめを訴えていた児童が、アンケートでいじめを訴えていたにも関わらず担任の先生に放置され不登校になってしまい、附属中学校への進学を断念したことが発覚いたしました。こちらの件に関する大臣の受け止めと、また有識者の方からは「入学後に附属中学校、高校への内部進学がある場合に保護者の方がトラブルがあってもそういった内部進学や内申点の心配から教員と率直に話せず、教員間で信頼関係の構築が難しく、学校側の不適切な対応もある」という指摘もあったのですが、こちらについても大臣の見解について教えてください。
大臣)
現在、当該学校におきましてのいじめの重大事態の調査が行われていることは承知をしているところでございまして、現時点で詳細なコメントを述べることは調査が行われているときなので差し控えたいとは思います。その上で、一般論を申し上げさせていただければ、学校の教職員がいじめを発見または児童生徒等から相談を受けたときには、速やかに学校いじめ対策組織に対し、情報を共有し、学校として組織的に対応する必要があると考えています。文部科学省としては、重大事態の調査の結果を踏まえ、必要に応じて指導と助言を行ってまいります。また、国立大学附属学校に関するお尋ねについては、内部進学の有無に関わらず、学校として児童生徒や保護者が相談したり配慮を求めたりしやすい環境を作ることは当然に必要であります。例えば、相談窓口を設置をして、それがしっかり活用されるよう運用することが不可欠というふうに考えております。文部科学省としては、大学の対応を引き続き注視するとともに、大学において適切な対応が図られるように必要に応じて指導と助言を行ってまいりたいというふうに思います。以上です。
記者)
昨今の物価高などで学生の経済状況が厳しくなる中、奨学金の返還を支援する自治体が出てきています。改めて、こうした動きに対する大臣の受け止めをお願いします。
大臣)
地方公共団体におきまして、地域への定着等を推進するため、奨学金の返還支援を行っているというふうに承知しておりまして、内閣官房、令和6年12月に公表した調査結果によりますと、平成27年時点で5県の97市町村の実施でありましたが、今、令和6年の6月時点では47都道府県で816市区町村において自治体による奨学金の返還支援が実施されているところでございます。人口流出に関しては、18歳、22歳問題がある中、これは私は大変大きな取組だというふうに思っておりまして、併せて、企業にも貸与型奨学金の代理返納、代理返還を行っていただいておりまして、令和3年4月の制度開始直後は65社の登録でございましたが、令和7年2月末時点では3,081社まで拡大しているところでございます。文部科学省としても、これらの取組は返還負担の軽減策として重要と考えておりまして、引き続き関係省庁と連携しながら、普及啓発に取り組みながら、より一層の利用拡大を促してまいりたいというふうに思っています。
(了)
大臣官房総務課広報室