高等学校数学科

高等学校数学指導資料「数学的リテラシーを育む授業事例集」

 OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の2022年調査結果が令和5年12月に発表されました。日本の数学的リテラシーの平均点は引き続き世界トップレベルである一方、実生活における課題を数学を使って解決する経験等に関して、課題が指摘されたところです。現在及びこれからの社会状勢等を踏まえれば、数学的リテラシーは高等学校段階においてより一層の伸長が求められるものであることから、高等学校数学科の教育の充実を図る必要があります。本指導資料は、高等学校数学科の授業において数学的リテラシーを育成・伸長していく取組に資するために作成しました。
 一人一人の生徒が豊かな人生を切り拓き,持続可能な社会の創り手となるに当たっては,高等学校数学科において数学的リテラシーをより一層伸長していくことが欠かせません。本指導資料を参考の一つとして活用し,創意工夫を生かした教育活動の積極的な展開をお願いします。

<付録ファイル>
 本指導資料を参考としてご活用いただくに当たり,以下の付録ファイルを用意しました。必要に応じて適宜修正等してお使いください。
 ※「ggb」ファイルについては、GeoGebraのWebサイト上のアプリや同サイトからダウンロード したアプリで使用できます。
 

高等学校数学科教材「行列入門」

 本教材は,行列の基本的な性質を学ぶために作成したものです。
 行列については,平成21年告示の学習指導要領における新設科目「数学活用」の「社会生活における数理的な考察」の「数学的な表現の工夫」の内容となりました。行列は現代数学の基礎的な内容として様々な場面で活用されているにもかかわらず,繁雑な計算の意味やどのような場面で活用されるのかがわかりにくかったことから,「数学活用」の内容としたものです。ただし,「数学活用」の内容としたことから内容は大綱的に示すことになりました。そこで,専門教科理数科の「理数数学特論」の内容としてはそれ以前のもの(平成11年告示の学習指導要領における数学Cの内容)をそのまま残すとともに,高等学校数学を超える内容に興味をもつ生徒には「数学活用」の内容を踏まえ「線型代数学入門」のような学校設定科目を設けて指導することを推奨してきました。
 平成30年告示の学習指導要領では数学Cを新設し,「数学活用」の各内容を科目の性格に基づいて数学A,数学B,数学Cに移行することとしました。行列を含んでいた従前の「数学活用」の「数学的な表現の工夫」の内容は科目の性格から数学Cの内容としました。数学Cで扱われる行列の内容も学習指導要領で考えられている行列の扱いも従前と比べて大きな変更はありません。
 今回,AI人材育成の観点から,大学等におけるデータサイエンス教育と円滑に接続することができるよう学校設定科目等で扱うことが可能な行列の教材として数学Cの「数学的な表現の工夫」の内容も踏まえ,本教材を作成しました。しかし,本教材は,学校設定科目等だけの使用を想定しているわけではなく,行列に興味をもつ生徒が自学自習できるものとしても作成しておりますので,ぜひ本教材の積極的な活用をお願いします。

お問合せ先

初等中等教育局教育課程課教育課程第二係

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(初等中等教育局教育課程課教育課程第二係)