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市町村教育委員会は、市町村内に小学校(中学校)が2校以上ある場合、就学予定者が就学すべき小学校(中学校)を指定することとされている。(学校教育法施行令第5条)
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就学校の指定をする際の判断基準として、市町村教育委員会があらかじめ設定した区域をいう。
この「通学区域」については、法令上の定めはなく、就学校の指定が恣意的に行われたり、保護者にいたずらに不公平感を与えたりすることのないようにすることなどを目的として、道路や河川等の地理的状況、地域社会がつくられてきた長い歴史的経緯や住民感情等それぞれの地域の実態を踏まえ、各市町村教育委員会の判断に基づいて設定されている。
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市町村教育委員会は、就学校を指定する場合に、就学すべき学校について、あらかじめ保護者の意見を聴取することができる。(学校教育法施行規則第32条第1項)この保護者の意見を踏まえて、市町村教育委員会が就学校を指定する場合を学校選択制という。便宜的に分類すると、主に以下のようなタイプがある。 |
自由選択制 |
当該市町村内の全ての学校のうち、希望する学校に就学を認めるもの |
ブロック選択制 |
当該市町村内をブロックに分け、そのブロック内の希望する学校に就学を認めるもの |
隣接区域選択制 |
従来の通学区域は残したままで、隣接する区域内の希望する学校に就学を認めるもの |
特認校制 |
従来の通学区域は残したままで、特定の学校について、通学区域に関係なく、当該市町村内のどこからでも就学を認めるもの |
特定地域選択制 |
従来の通学区域は残したままで、特定の地域に居住する者について、学校選択を認めるもの |
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(1) |
就学校の変更(学校教育法施行令第8条) |
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市町村教育委員会から指定された就学校が、保護者の意向や子どもの状況等に合致しない場合において、保護者の申立により、市町村教育委員会が相当と認めるときには、市町村内の他の学校に変更することができる。(学校教育法施行令第8条)
また、市町村教育委員会は、就学校を指定する通知において、この保護者の申立ができる旨を示すこととなっている。(学校教育法施行規則第32条第2項) |
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(2) |
区域外就学 |
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一定の手続を経て、関係市町村教育委員会間の協議が整えば、他の市町村等の学校にも就学することができる。(学校教育法施行令第9条)
「区域外就学」の場合には、保護者はY市町村等の教育委員会の承諾をあらかじめ得た上で、地元のX市町村等の教育委員会に届け出る必要がある。その際、Y市町村等の教育委員会は、承諾をする前に、X市町村の教育委員会と協議しなければならない。 |
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教育上特別な配慮が必要な児童・生徒については、就学校の指定に当たって、心身の故障の種類、程度等に関する慎重な判断が求められる。このため、市町村教育委員会には、就学指定について専門家による調査・審議を行う「就学指導委員会」を設置し、適正な就学手続きの実施を図ることが重要である。(学校教育法施行令第18条の2) |