子どもの読書サポーターズ会議 (第6回) 会議の概要
-
資料3-1 平成19年度「学校図書館の現状に関する調査」結果について
-
資料4-2 学校図書館広報リーフレットのキャッチフレーズ(案)
-
資料5 社会教育法等の一部を改正する法律案(概要)
-
資料6-1 子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画
-
資料6-2 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」関連資料
議事概要
日時
平成20年4月30日(水曜日)10時~12時
場所
文部科学省3階2特別会議室
参加者
|
秋田 喜代美 氏 |
(東京大学大学院教育学研究科教授) |
|
市川 久美子 氏 |
(財団法人出版文化産業振興財団(JPIC)読書アドバイザー) |
|
小川 三和子 氏 |
(東京都新宿区立津久戸小学校司書教諭) |
座長代理 |
織茂 篤史 氏 |
(神奈川県横浜市立青葉台中学校校長) |
|
木村 滋洸 氏 |
(社団法人 日本PTA全国協議会専務理事) |
|
小林 実 氏 |
(山梨県甲斐市立双葉西小学校校長) |
|
小峰 紀雄 氏 |
(小峰書店社長、読書推進運動協議会理事、日本書籍出版協会理事長) |
|
齋藤 明彦 氏 |
(鳥取県自治研修所長、前鳥取県立図書館長) |
|
浜尾 朱美 氏 |
(キャスター、エッセイスト) |
|
笠木 幸彦 氏 |
(社団法人 全国学校図書館協議会理事長) |
|
小林 路子 氏 |
(元市川市教育センター指導主事) |
議題
- 「学校図書館の現状に関する調査結果」及び「学校図書館図書関係予算措置状況調べ」の結果について
- 学校図書館公報リーフレット(案)について
- その他
配付資料
- 資料1 第5回「子どもの読書サポーターズ会議」概要
- 資料2 設置要綱・会議メンバー
- 資料3‐1 平成19年度「学校図書館の現状に関する調査」結果について
- 資料3‐2 「学校図書館図書関係予算措置状況調べ(平成18、19年度)」の結果について
- 資料4‐1 学校図書館広報リーフレット(案)
- 資料4‐2 学校図書館広報リーフレットのキャッチフレーズ(案)
- 資料4‐3 学校図書館広報ポスターイメージ(案)
- 資料5 社会教育法等の一部を改正する法律案(概要)
- 資料6‐1 子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画
- 資料6‐2 「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」関連資料
- 資料7 子ども読書の日記念「子どもの読書活動推進フォーラム」
1.開会
座長代理の選出 → 織茂委員の任命
2.資料確認・説明(文部科学省より)
《「学校図書館の現状に関する調査」の結果について》
司書教諭の発令について、12学級以上の学校ではほぼ100%の発令がなされているが、一部にはまだ未発令校が見られ、発令率については減少傾向も見られる。負担軽減状況や11学級以下の学校での発令率については、まだまだ思わしくない。学校図書館担当職員、いわゆる学校司書については、小中学校については非常勤が多く、高校については常勤が多いが、近年は常勤が減って非常勤の割合が増えてきている。蔵書冊数については増加しているものの、図書標準を達成している学校の割合は、小学校で42%、中学校で36.8%。図書購入額については、前年度5億円増の約155億円で、近年の減少傾向から3年ぶりの増加。ただし、予算額上では再度減少傾向をみせており、地域差も大きい。読書活動については、朝読を中心として、特に小・中学校で全校一斉の読書活動が定着してきている。
《「学校図書館図書関係予算措置状況調べ」の結果について》
平成19年度から新しい学校図書館図書整備5か年計画がスタート。前5か年計画は単年度約130億円の地方財政措置だったが、19年度からは今までの増加冊数分に加え、更新冊数分も加えた地方財政措置が必要ということで単年度約200億円、総額約1000億円の新しい5か年計画となった。これらの算定基礎となる基準財政需要額に対しての予算化状況を調査したところ、全国的に見れば、18年度は基準財政需要額約130億円に対して予算額は約158億円、措置率は120.7%となっている。一方、19年度については、基準財政需要額約200億円に対して予算額は約156億円、措置率は78%にとどまっている。予算額が100%に満たない自治体については、財政事情のためという回答が圧倒的に多い。これらの調査結果を地域住民の重要な情報源として活用していただきたい。
〈意見交換〉
- 教育費以外の目的に使われているのかなど、更に詳しい分析が出来るような調査設計が必要。
- 予算措置にはその自治体の姿勢が表れる。PTA会長として持ち帰って活用をという話はしたい。
- 78%も本当に使われているのかという印象はある。地方格差が非常に激しいからではないか。
- 15年以上地方財政措置していてもなかなか図書整備が進まない。文科省として、指導をもっと強めるべき。現場から予算増の要望があがってこないということを教育委員会からよく聞くので、PTAや職員から要望が出るような運動が必要。
→ 図書標準については、学習指導要領のような最低基準とは性質が違う目標値といった類のものなので、指導の色に違いはあるが、情報を公開することにより、地域住民の判断に委ねていきたいと考えている。
- 司書教諭の配置率がほぼ100%ということだが、負担軽減などが重要。
→ 学校全体が非常に忙しいといわれている中で、現在の状況を前提として負担軽減を進めていくには限界がある。そのような中でも定数措置をして、非常勤であれ、常勤の先生方の負担を軽減できるようにアプローチしているのが当面の方策。
- 学校図書館の格差は教育の格差である。
- 調査対象には地方交付税交付金の不交付団体も含まれているが、どう考えればいいのか。
→ 基準財政需要額は、自治体に交付された額そのものではなく、交付税算定のためのモデル的な需要額のため、交付団体・不交付団体の別を問わず算定できる。これと比較したもの。
- 図書費をつけてもそれを置く書架がないという状況がある。これは考慮されないのか。
→ 平成5年の図書標準制定当時も同様の議論があったが、当時から少子化による余裕教室の転用を奨励し、補助金を出していた。今後も工夫は必要と考えている。
- 学校図書館担当職員の中でも、非常勤職員の中身には大変な格差がある。司書資格の有無や専任かどうか、専任でない場合の勤務時間等についても触れるべき。
→ 全国悉皆調査の中でやっているので、学校現場の負担軽減という問題もあり、項目の見直しについては慎重に検討していきたい。自治体独自の既存の調査等も活用していただければ。
- こういった情報提供は必要。今までは市町村も自分の自治体の基準財政需要額がいくらあって、それと投資額がどれくらい見合っているかを考えたこともないというパターンが結構あった。自分の県では教育長室に市町村別の数字を打ち出したものを貼り付け、会議で周知しているが、こういった個々の数値を、PTA等も含めてしっかりと認識してもらわなければならない。
- 現場やPTAからの要望はあるはず。読書に関する取組についてもじわじわと進んでいる。
- 11学級以下の学校にも司書教諭をおくべき。
→ 平成5年の図書標準制定当時、有資格者の人数が少なかったということもあり、まずは12学級以上の学校へということで取り組んできた。状況を見極め、今後の検討事項としたい。
《学校図書館リーフレット・ポスター案について》
サポーターズ会議の前年度の集大成として、学校図書館が教育上の非常に重要な拠点であるからこそもっと活用して欲しいというメッセージを世の中へ発信していくための材料として、リーフレットやポスターを作成し、ウェブサイト上の仕掛けとも連動しながら、働きかけていきたい。
前回の議論を踏まえた手直しを行い、学校図書館の役割、読書と学力との相関関係、物的状況と人的体制、学校図書館の取組事例紹介、チェックポイントなどを内容として盛り込んでいる。
ポスターについては、学校教育費マップのようなものについて触れることや、投げかけで終わっているようなところ、学校図書館の重要性を強く入れ込んだ方がいいのかなど、ご意見頂きたい。
〈キャッチフレーズ・サブタイトルについて〉
- 子どもたちの未来、大きく言えば国の未来を連想させるようなフレーズを盛り込んで欲しい。
- チカラ以外の言葉を使い、「知恵」を表現できるようなフレーズはないか。
- 今のフレーズはいい。「学校図書館」はサブタイトルではなくメインフレーズに入れるべき。
- 「調べる」という言葉がサブタイトルに入っていることもいい。
- 「チカラ」には「未来」を連想させる部分もあるのでは。
〈10のチェックポイントについて〉
- 学校司書についても強めに盛り込んで欲しい。
- 学校図書館は子どもたちの心を支える働きもしていることをどこかに一言。
- 司書教諭の配置率について、11学級も含めてのことなのかなど、趣旨がわかりにくい。
- 司書教諭については、単に発令されていればいいというものではなく、中身が重要。
- 公共図書館との連携は、蔵書の貸出しだけじゃなく、もっと進んだものを想定すべき。
- 学校図書館に関係している人間には入りやすいが、PTA等に入りやすいかが問題。
- 電子的なものの扱いと図書館の活用との関係について、どこかで触れるべき。
- 構成として、あえて区分しないことで入りやすくなるのではないか。
- ただの「人」ではなく、「専門家」がいるのかということを入れるべき。
- 教職員全員が学校図書館に関わっているのかということは重要。
〈その他の意見〉
- 見出しをつけるなどして構成を整理し、どこに力点があるのかをわかりやすく。
- 地域社会において何をするべきかをわかりやすく。国のやるべきことは十分に出来ている。
- 写真の背景や持っている本の内容についても配慮すべき点がある。
- 整備についても大事だが、人についても大事だという事を入れると更によくなる。
- ポスターについては限定的な効果しか見込めないので、ぱっと見てすっと入るかが鍵。
- 授業の延長に学校図書館があるということをわかりやすく伝えられないか。
- 調査関係の記述について、マイナス面ばかり押し出しては他もそうだからこれでいいという印象を与えてしまう。各自治体の判断によって充実できるというプラスの情報も出すべき。
→ 意見を踏まえ修正することとし、座長一任。
《子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画について》
サ前回の会議時からパブコメや各省協議等を経て、3月11日に第2次計画を閣議決定、国会報告した。都道府県・市町村では計画策定は努力義務だが、全都道府県が策定しており、市町村については4分の1が策定しているという状況。これを今後5年間で最低でも半分以上にしたいと考えている。また、計画を作るだけでなく、関係各者の連携が出来ることが大きなメリットだという認識もある。関連資料としてお配りしているもののなかで、読み聞かせなどのボランティアについての記述があるが、こういった活動については「子どもゆめ基金」として国においても支援しているところであり、活用していただきたい。
3.閉会

PDF形式のファイルを御覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、まずダウンロードして、インストールしてください。